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「…ふぁ……ン」
裕也が強引に歯列を押し広げて舌をねじ込ませると、拓海は甘い声を漏らした。
かわいい声をあげられるといじめたくなる――そんな思いにかられて、拓海の口腔を舐めまわし蹂躙する。
「…んん……ん」
二人のどちらとも言えない声が漏れ、辺りの空気がますます甘く、熱くなる。
互いの舌が絡み唾液が混じり、もっと強い刺激を求めようと貪欲な欲望におされるまま、拓海の背中に手をまわしてぐっと力強く抱き寄せた。熱くなった肌同士がぴったり合わさると、上昇する体温とともに裕也の理性は蒸発し消え失せた。もはや自制心はない。
唇を重ねたまま拓海の脂肪のないお腹に指を這わすと、身体が一瞬びくっと震えた。
「…ッ…や……それは、いや」
これから自分の身に起きることを理解したのか、拓海は身体を押し返して、きつく合わさっていた唇を離す。
拓海はぶんぶんと顔を左右に振って拒むけれど、裕也の欲望はとどまることはない。
「もっと、気持ちよくさせてやるよ」
思いやる気持ちなど、これっぽっちもない裕也は、荒っぽい口調でいやらしく口もとを歪ませた。嫌がる拓海を構わずして、薄い皮で覆われた胸を直接なぞり刺激を送り続ける。
「…あ、やッ……いや……だよ。やめて……」
「いやだいやだと言っても、心臓はこんなにドキドキしているじゃないか。ホントは、もっと気持ちよくしてほしいんだろ」
左胸に指を当てて、いたずらっぽく笑う。心臓のドキドキ音なんてわかるはずもなく、拓海を辱めるつもりで吐いた言葉。
図星だったのか、拓海は驚いたように大きく目を見開き、みるみるうちに顔を赤く染めあげた。
正直なやつ……。
裕也は、いやいやと首を振る拓海を体育館の壁に押し付け、細い両手首を掴んで万歳の格好になるように手を持ち上げた。
これで、拓海の抵抗も鈍るはずだ。背中にぴったりと壁をつけているため身体を自由に動かすことはできないし、さらに両手の自由まで奪われては、どうすることもできないだろう。
それに、拓海は裕也より体格が劣っている。力任せに裕也の手をほどくには無理がある。唯一、自由に動かせる顔を自分からそむけるのが精一杯の抵抗か。
「俺……拓海としたい……」
赤く染まっている耳たぶに口を近づけ、ふっと熱い息を吹く。
「あン……」と吹きかけた息に反応して、上気させた顔を向ける拓海。目にはうっすらと涙を溜めて、許しを乞う姿があった。
「だめだ、だめだ。絶対許さないからな。お前をもっともっといじめてやる」
興奮のあまり意味不明なことを口走り、吸血鬼のように拓海の首筋に口をつける。
拓海の首筋に舌を這わす裕也の顔に、思いやりのある優しい表情はない。ぎらぎらと目を光からせて欲望のまま華奢な身体をもてあそぶ……まるで美女を襲う吸血鬼のよう……。
「ん…く……」
ぞわりぞわりと首筋を舐められ、快感のせいなのか、拓海の身体がブルブルと震え、次第に観念したような表情をみせる。
いつの間にか、抗っていた拓海の両腕の力も抜けていて、抵抗する気はないと判断した裕也は掴んでいた手を離した。
「さあ、服を脱ぐんだ」
鼻息荒くして自分のベルトをはずしている裕也に、拓海は赤く染まった顔をぼんやりとさせて、こくんとうなずいた。
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12/50話
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ドキドキです。続き楽しみにしています。
2009/4/21(火) 午後 9:50 [ 1 ]
89さま☆
ありがとうございます。
皆さまの応援が、わたしの支えです。
ご期待に応えられるかどうかわかりませんが、がんばっていきます。
2009/4/22(水) 午前 0:21