|
「心配するな。裕也は俺が守ってやる」
心配な顔で窓の外を眺めている裕也に、一樹は力強く言った。
少し間をおいてから「しかし……」と、一樹は言葉を付け足す。
「念のため、しばらく学校は休むんだ。いつどこで、玲二が狙っているのかわからない。俺は玲二と掛け合ってみるから。お前は一人でゆっくり休んでいろ」
「い、いやだよ……ひ、一人にしないでよ」
振り返った裕也は、一樹の腕を強く掴み左右に首を振った。眼尻には、涙が溜まっている。
一人になるのが怖い。
子供のころ、遊園地で両親とはぐれて迷子になってしまったときのいやな思い出が頭に浮かぶ。
知らない場所で独りぼっちになったときの孤独感と、知らない大人たちばかりで誰にも頼ることができなかった心細い気持ち。
あのとき、わんわんと大声で泣きわめいたものだけど、今回も大声で泣きたくなる。
「お願い……。一人にしないで……」
哀願するように、一樹の腕にすがりつく。
今、頼れるのは一樹だけ……。
玲二に怯えて、一樹のスーツの袖を掴んだ指先が小刻みに震えている。
「大丈夫だ。不安なら俺の組の者に見張りをさせる。だから、裕也は安心して休めばいい」
一樹は裕也の両肩に軽く手を乗せて、言い聞かせるようにやわらかい声で言う。
「…で、でも……」
「安心していい……」
なにか言いかけようとしたところで、一樹が遮った。
「大丈夫だ」と言い聞かせるような強い眼差しで見つめられて、不安な気持ちを残しながら、しぶしぶ腕を掴んでいた手を緩める。
「じゃ、俺は一旦帰るから」
そう言って一樹はきびすを返す。
一樹がドアのノブに手をかけたところで、声をかけた。
「一樹も気をつけて……」
「ああ、俺は大丈夫だ」
一樹は振り向いて、にこりと笑顔で応えると病室を出て行ってしまった。
たった一人、病室に残された裕也は仰向けのまま天上を見上げた。
・+☆+・
18/50話
□□
□□□
□□□□
これまでのお話しの一覧を見るには、各お話しにある「トラックバック先の記事」から一度1話にお戻りください。
1話にある「トラックバックされた記事」をみていただくと、各お話しの一覧がわかるようになっています。よろしかったらご利用ください。
|
一人にして大丈夫?などと心配しています。私はBL小説は英田サキさんの探偵さんとやくざさんの話しか読んだ事はないのですが。。。あの話は傑作です。BL漫画は読まれないのですか?
2009/5/1(金) 午前 5:11 [ 1 ]
漫画のほうは読まないんです。
妄想するタイプなので…♪
最近、BLで読んだものだと真崎ひかるさんとか崎谷はるひさんの小説です。
でも、小説自体はけっこう古いかもしれない…
真崎ひかるさんのほうは、ブックオフで買ったものだし、崎谷はるひさんの小説はパピレスで購入したもの…
あとパピレスにある無料のBL小説を、ちょくちょく読んでいたりします。
漫画のほうも、機会があったら読んでみたいと思います。
89さま☆コメありがとうございました。
2009/5/2(土) 午前 1:30
妄想するタイプ。。。同じです。。。読んでみます。。。
2009/5/2(土) 午前 3:12 [ 1 ]
横コメ失礼します…。えっと…。
パピレスのBL小説って、ただ読みnetのことじゃないですよね?いえ、何でもないんです。
違ってたら、どうか気になさらないで下さい。
すみません><
2009/5/2(土) 午後 2:54 [ - ]
かいるさま☆
ただ読みも、見ています。
気を失った亮麻くんが、本条さんに冷凍庫に閉じ込められて……でも、まだ司貴さんが冷凍庫の中に取り残されていて……
のところまで読みました。
おもしろい小説です。
ケータイにダウンロードして、読んでいます。
続きを楽しみにしています♪
もし、わたしの勘違いで意味がわからなかったらごめんなさい。気にしないでくださいね。
コメをいただいたので、もしや…と思い書いてみました。
2009/5/2(土) 午後 5:49
ぎゃー!(悲鳴)読まれていたんですねっ><!
うわあ、嬉しいけど超恥ずかし〜!あんな自分でも読みにくいBL小説を!すみません!アレは私が生まれて始めて書いた小説でして。読みにくいでしょう!?修正もしてないし!うう、言い訳すると長くなっちゃうので…。やめときます。
…でも、ありがとうございます。読んで頂いて(TT)
2009/5/2(土) 午後 8:45 [ - ]
かいるさま☆
やっぱり、かいるさまの小説だったんですね♪
全然上手ですよ〜♪
正直、初めての小説とは思えないほど質が高くて驚きました。
わたしなんて、ブランクがあったとはいえ、10年以上のキャリア……
才能の差を思い知らされました(T_T)
わたしは、かいるさまほど上手く小説は書けないけれど書くのは好きなので、もっとがんばりたいと思います☆
なので、これからも広い心でお付き合いしていただければ嬉しいです♪
SWEET BUTTER〜☆かげながら応援しています。
2009/5/2(土) 午後 10:43
ううう(TT)なんてお優しいお言葉…。
私の方こそ、「さま」付けで呼んで頂く価値なんてありません…。
ふつかさまの文才の足元にも及ばない、と本気で思ってます…。こちらこそ、どうぞ暖かいお心でお付き合い頂ければ幸いです〜。
応援だなんて、ありがとうございます(深々〜)
2009/5/2(土) 午後 11:13 [ - ]