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予想が的中した。
これが競馬かなにかのギャンブルだったら、二人は抱き合って歓喜していたことだろう。いや、もっとささやかなものでもいい。例えば、じゃんけん。相手が出す、手の予想が的中して勝ったときの喜び。どれにしても、自分の予想が的中することはとても嬉しいもの。
しかし、今回ばかりは喜ぶ状況ではなかった。的中した予想はすごく悪いものだったからだ。
20畳ほどの大きな座敷で、縁側から立派な日本庭園が見える。質素だけど、ふすま、欄間、床の間に飾ってある掛け軸は、どれも値打ちがありそうなものばかり。
そういった知識を持たない裕也にも、格調高いものだということが見て取れる。
添水の音が響くと、そのタイミングに合わせたように一樹は口を開いた。
「俺はクビだ……ということですか」
もともと厳格な雰囲気をもっていた部屋だったけれど、一樹の独り言のようにつぶやいた声には怒気が帯びていて、ますます場の空気を張り詰めたものにさせた。
背筋をピンと伸ばして正座する一樹の正面には、あのパーティーで見た小さな老人――義竜会組長の姿があった。
あぐらをかき、一樹を見据える険しい目は人を威圧させる力をもっている。
電話で、組長の自宅へ呼び出されたのは、今日の朝。
一樹と裕也の二人が、慌てて身支度を整えて組長宅へ赴いたのは1時間後だった。
向かう途中、一樹は言っていた。「おそらく、今回の事件のことで、俺はなんらかの処罰を受けるのだろう」と。
一樹の予想は的中したわけだ。
肩にずっしりと重い空気がのしかかる。
裕也は、一樹から一歩ほど下がったところから正座して、事の成り行きを固唾を呑んで見守っていた。一樹の表情は見えないけれど、組長の鋭い威迫の視線に怖気つくことなく、微動だもしない背中をじっと見つめる。
・+☆+・
31/50話
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クビ・・・?!
一樹、どうなるんだろ・・
裕也のほうも心配・・・><
2009/5/23(土) 午後 0:27 [ - ]
ryuさま〜☆
コメありがとうございます。
これから、一樹のほうはヤクザのやめて、まっとうな道を裕也と歩んでいくことにないます。
そのあいだ、いろいろと玲二と一悶着あったりと……
正直、その辺はうまく書けません。
ごめんなさい。
あ☆恋愛小説「雨に濡れた恋」始まりましたね。
楽しみにしています♪
2009/5/24(日) 午前 0:30