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メンテナンスもろくにしてないようで、コンクリートの壁は剥がれているし、ビル周りの雑草も伸び放題になっている。ひとけもなく全体的に廃墟感を漂わせている。
もしかして、一樹は誰にも迷惑をかけないようにわざわざここを選んだのかもしれない。
「あのビルの中で待ち伏せだ」
車を降りて、急ぎ足で建物の中へ入る。入り口のドアを押し開いたところで、尾行していた車がやってきた。
「何者なのか、確認してやる」
ビル内に入るなり、そう言いった一樹は裕也に目をやる。
「奥で隠れていろ」と、手で合図を送られた裕也はキョロキョロと辺りを見渡し、どこに隠れていいのか迷ったが、通路の奥にある剥き出しのコンクリートでできた柱を見つけると、その柱の陰に身をひそめた。そっと顔を出してビルの出入り口を注視する。
外から、車のドアを勢いよく閉める音が3度鳴る。
ばたばたと、せわしい足音がこちらへやってくるのがわかり、裕也は緊張と不安が極度に高まり、ごくりと唾を呑む。
入口前の壁に身を潜めている一樹は、すでに臨戦態勢に入っていた。こぶしを握り、表情を引き締めて身構えている。
3人の男たちがいきおいよく入口から入ってきた。先制攻撃をしたのは、一樹だった。
まず、一人目の男の顔面にストレートパンチを食らわし、床に仰向けになって倒れこんだところに、すかさず蹴りを入れる。
どうやら、それが一樹のやり方らしい。経験を積んだ者らしい、見事な奇襲攻撃だ。
うめき声をあげて、苦しそうに床を転げまわる男の鼻から、血が流れ出す。男の血液が、ほこりっぽい床の上にぽたぽたとしたたり落ちた。
不意をつかれた二人の男が、一斉に怒声を響かせて一樹に襲いかかる。
そのあとは、壮絶な殴り合いの応酬だった。3人の男を相手に、野獣のごとく暴れまわる一樹。強い。3対1という不利な状況にかかわらず、一樹は男たちを次々とのしていく。
恐ろしくなって、顔を引っ込めて柱の陰でぶるぶると震えていた。喧嘩慣れしている一樹を見ると、やはりぶっそうな職業の人間だということを思い知らされる裕也だった。
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34/50話
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さすが、、やくざの一樹!!強いですねー・・・裕也も頑張れぇ!!
濡れ衣をかぶさせられた一樹が一刻も早く元通り(?)になりますように。。
2009/5/29(金) 午後 8:33 [ - ]
奇襲攻撃。。。一樹ファイトです!
2009/5/29(金) 午後 8:38 [ 893 ]
りゅうさま〜☆
読んでくれて、ありがとうございます。
最近、書き疲れているわたしですが、お話しを続けていきたいと思います。
でも、たぶん…です。
893さま〜☆
コメありがとうございます。
最近、おもしろい文章が書けない…
お風呂で、身体のほうはリラックスできましたが、気持ちのほうはあまり…です。
小説のほうは、少し休もうかな〜なんていう思いもあったりして。
こんなお話しを読んでくれる893さまに、感謝!です。
2009/5/29(金) 午後 9:25