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マンションに帰ると、自分専用に与えられた部屋に入り、革張りの大きいソファーに転がりこんだ。
一樹は自分をマンションに送ったあと、用事があるからと言って組事務所に戻っていった。
身体が鉛のように重くのしかかり、まともに座っているのもつらい。崩れるように身体を横たわらせると、仰向けになって天井を見上げた。
天井のスクリーンには一樹の笑顔がおぼろげに映ったが、すぐに気持ちの引っ掛かりを感じて消えてしまった。
一樹の職業に不満が募る。ヤクザが職業といえるかどうか分からないけれども。
社会的には悪と言われる、一樹の仕事が好きになれない。
それに、今日の争いごとのことも考えると、一樹の将来の安否も気になる。
今日は唇を切っただけですんだけれども、また今度、襲われることになったらケガだけで済むという保証はない。今の仕事についていれば、いつなんどき暴漢に襲われて、大けがをする可能性だってあるわけだ。
どうにかしてまっとうな道に行かせたい。
そう考えれば、今の状況は好機かもしれない。このまま、今回の件が玲二の仕業という証拠がみつからなければ、一週間で組を辞めさせられてしまう。
そうなったら、一樹はまっとうな道に進むしかないだろう。ヤクザ以外の職に就いて、二人は幸せに暮らせるかもしれない。
しかし、なにも悪いことをしていない一樹が、濡れ衣を着せられたまま組を去ってしまうのは悔しいもの。どうにかして、玲二を引きずり降ろして一樹の無実を晴らしたい。
自問を繰り返すけれども結局いい考えが浮かばず、疲れた身体をソファーに預けながら深く息をついて、天井をぼんやりと眺めた。
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37/50話
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この後奮起するのかな。。。頑張れ!一樹のために!って応援しています!
2009/6/5(金) 午前 6:18 [ 893 ]
893さま〜☆
いつも読んでくれてありがとうございます。
これからも、わたしの妄想をぼちぼちとつづっていきたいと思います。
コメありがとうございます。
2009/6/5(金) 午後 9:32