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「お前は、なにをやっているのかと聞いておるのだッ」 「お、俺は組の金を持ち出した一樹を……く、組に……ちゃんと返すように……」 組長の怒気を含んだ問いかけに玲二はすっかり青ざめているが、それでもまだ嘘を突き通すつもりらしい。 組長が恫喝した。 「往生際の悪いやつめ。お前のやったことはすべて分かっているのだ。銃をおろせ。さもないと……」 組長が目で合図すると、周りの男たちが一斉に拳銃を抜いた。10丁ほどの銃口が、玲二を狙っている。 「あ、ああ……」 玲二は、なにか声をあげようとしたけれど言葉にならず、力が抜けたように構えていた拳銃をおろして、へなへなと床に座りこみ肩をがっくりと落とした。 魂が抜けたように放心している玲二に、数人の男たちが周りを取り囲んだのを確認すると、組長は撃たれた左肩を押さえながら立っている一樹のほうに振り向いた。 「肩は大丈夫か?」 「はい、なんとか」 「お前のおかげで、この件はかたづいた。礼を言うぞ。約束どおり、お前を破門することは、取り消してやる」 凄味のある声質だけど、どこか嬉しげな様子だ。 この老人の、いや組長の剣呑なオーラが少しだけ和らいでいるように思えた。 「組長、すいません。俺、やっぱり、ヤクザ辞めます」 「な、一樹?」 予想もしなかった言葉に組長と裕也が、一樹に注目する。 驚いて、ぽかんと口が開いたままの裕也に一樹は意味ありげに笑みを送る。 「俺、好きになった男がいるんです。そいつのこと、すごく好きで。大切で。だから、そいつのためにも俺、ヤクザ辞めます。もう今回のように、危険な目には遭わせたくないです。お願いします。俺を、俺をヤクザから足を洗わ せてください」 深々と頭を下げる一樹を、しばらく厳しい顔で見ていた組長は、わずかに口元を緩め「好きにしろ」と、一言だけ言い残し、数人の男たちを後ろにつけて去っていった。 一樹は組長の背中にもう一度深く頭を下げ、裕也も、なにも言わず一樹の申し出を受けてくれた組長に、感謝の気持ちでいっぱいになり深く頭を下げて見送る。 「一樹。これで、ヤクザをやめたんだね。もう人の迷惑になるようなこと、しないんだよね」 組長の姿が見えなくなり顔を上げた裕也が尋ねると、一樹は晴々とした様子でこくりとうなずく。 「そうさ、俺は今日からカタギだ」 すべて終わった。 組の金がなくなった盗難事件も解決し、一樹に復縁を望む玲二の執拗な嫌がらせも、これからはないだろう。 それになにより、一樹が闇社会から抜けてくれたことはすごく嬉しい。 すべて丸く収まり、裕也が望んでいた結果となった。 これで、一件落着というわけだ。 裕也は安堵の息をついて、一樹の腰に手をまわして身体を寄せる。 「ねぇ一樹。さよならって言っちゃたけど、もう一度付き合ってくれないかな?今もすごく好きだよ……一樹のこと」 「喜んで。俺も裕也を失いたくないんだ」 大勢の男たちでごった返す部屋のなか、見つめあう視線を絡めた二人は人目もはばからず、静かに唇を合わせた。 ・+☆+・ 49/50話 _/_/_/_/_/ _/_/_/_/_/ □□ □□□ □□□□ これまでのお話しの一覧を見るには、各お話しにある「トラックバック先の記事」から一度1話にお戻りください。 1話にある「トラックバックされた記事」をみていただくと、各お話しの一覧がわかるようになっています。よろしかったらご利用ください。
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素敵な夜景に踊らされて☆萌えガク
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組長、粋だね〜〜><
大団円で終われそうですね!!
良かった良かった♪
いよいよ次でラスト☆
終わってしまうのは寂しいですが
楽しみに待ってますよ〜www
2009/6/29(月) 午前 0:57 [ - ]
かいるさま〜☆
早くコメをいただきありがとうございます。
いつものことだけど、記事をupしてちょこちょこと修正している最中に、コメを頂いたので驚いちゃいました。
はい、次回が最終話です。
ここまでこれたのも、皆さまの励ましのおかげ。
感謝感激です。
ありがとうございました。
2009/6/29(月) 午前 1:09
うわー!!
もう最終回?!!
うちの日々の楽しみが一つ…いや二つか??
消えちゃうじゃんー!!!!!
嫌だなぁ…
まだまだ続いてほしいよ…(無理言うな
これからも期待してるよ♪
2009/6/29(月) 午前 6:25 [ ネコ ]
ネコさま〜☆
無事、最終回を迎えられそうです。
ネコさまのコメで、いつも元気づけられていました。
終わったら、しばらく日記のほうを書くつもりでいます。
わたしの日記なんて、つまんないと思うけど…
コメをいただきありがとうございました。
2009/6/29(月) 午後 11:01