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優等生くんのほうはというと……
まさむは克己の両肩を指先まで力を入れるようにがっしりと掴み、唇をすぼませていた。しっかりと、キスをする準備ができている。
どうやら優等生くんも、やる気がみなぎっているようだ。
「まさむくん、キスの経験あるのか?」
唇を早急に近づけようとするまさむに、克己はもしや……と感じ訊いてみた。
すると、まさむは少し恥らいの表情を見せて「ううん」と顔を左右に振る。
克己の予想通りだ。
経験あるやつが両肩を掴んで、今からあからさまにキスをしますっていう唇にはしないだろう。
克己の顔にふっと笑みがこぼれる。
「そうか。いきなりかぶりついたりするなよ」
初めてのキスを経験しようとしているまさむを、リラックスさせようと冗談っぽく言う。が、まったく効き目がなかったようで。
克己の両肩に乗っている手はがちがちに強張り、興奮のせいか、はあはあと鼻息を荒くしている。
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