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不穏な空気が、辺りの温度を下げているように思える。
先生に恐怖さえ覚える。
「せんせ……なんでそんなこと?」
「先生は克己が好きなんだ。好きで好きでどうしようもないんだ」
克己の肩を揺らしながら、必死で訴えかける恭介先生。
「だ、だめだよ。俺にはまさむが……いるから」
先生の気迫に押されてしまって、声が小さくなってしまう。最後の言葉は、先生には聞き取れなかったかもしれない。
「まさむがどうしたんだっていうんだよ。克己には先生がいるじゃないかッ」
尋常じゃない様子で訴える恭介先生が怖い。
「先生ッ、やめてよ。僕は、まさむを好きなのは変わりようないんだからッ」
克己は、自分の肩を掴んでいる恭介先生の手を無理やり振りほどく。
「先生。これ以上、俺に関わらないでッ」
そう言い残して、恭介先生から逃げるように足早に去っていく。
「先生は、お前のことあきらめないからなッ」
背後から先生の執念に満ちた声が聞こえた。
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