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しかし、放課後に悪夢が襲ってきた。
教室で、クラスの連中と会話をしていたときだった。
恭介先生が、教室にやってきたのだ。
「克己。ちょっと先生に、付き合ってくれ」
「いや、俺、今から帰ろうと……」
クラスの友達の前では、はっきりと先生に断りづらい。
「ちょっとだけだから」という先生の言葉に、なにもしらないクラスの友達は行け行けと、強引にすすめる。
「いや、でも……みんなは、どうすんのさ?」
「いいから、いいから。待っててやるから……」
友達の1人が言うと、ほかのみんなも強調する。
「俺も、今日塾ないし。遅くなってもへーき」
「早く帰っても暇だしね。少しぐらいなら、待っててやるよ」
そんな状況のなか、恭介先生の口元が緩む。
「じゃ、克己。みんなもそう言ってるから、先生と少し話しをしようか」
「そ、そんな……でも……」
「少しだけだから……ね?」
先生は笑って、克己の背中にやさしく手を回して軽く押す。
克己は、力なくふらふらと歩き出した。
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