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教室に戻ると、すでに友達たちの姿はなかった。
「白状なやつらめ……」
ぼそっとつぶやきながら、教室を見渡す。まばらにクラスメートはいたが、一緒に帰れるような親しい友達はいない。
「待ってやるって言っていたはずなのに……」
なんだか、1人残された自分が惨めになる。
「しょうがない、1人で帰るか」
取りだしたカバンに、荷物を乱暴に放り込む。
恭介先生とキスをしてしまったことの自分への苛立ちと薄情な友達への怒りのようなものが込みあがる。やり場のない気持ちのせいで、つい乱暴に振舞ってしまう。
克己は、帰宅の準備をし終えると、手に持ったカバンを背中にまわして教室をでる。
「はぁ」
冴えない気分のまま、ぶっきらぼうにズボンポッケットの中に手を突っ込む。
「あれは……まさむ?」
校門の前で、まさむが待っていることに気がついた。
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