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それから、克己は恭介先生を避けるようにした。
でも、一日同じ校内にいる者同士だ。
避けていても、いずれ顔を合わすことになる。
「克己、最近どうしたんだ。全然見かけなかったじゃないか」
克己が恭介先生に声をかけられたのは、廊下ですれ違ったときだった。
「そ、そうですか。俺、べつに気にしてたわけじゃないけど」
表面上は顔色変えず、普段どおりの態度を装う。でも、実際は心臓がドキドキと高まっているし冷や汗もでている。
「どうだ、また先生と話しをしてみるか?」
きたッ。
また俺を誘って、キスをするつもりなんだ。
心の奥で、芯のようなものがじんと熱くなる。
「俺、今忙しいから……」
心の異変を感じながらも、先生の誘いを断る。
「少し話しをするだけなんだ。な、いいだろ?」
「で、でも……俺、まさむと待ち合わせを……」
そんな克己のことなどお構いなしに、恭介先生は手を引っ張る。
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