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コンコン
ドアをノックする音が、2人の動きを止めた。
誰?
そんなことを一瞬頭に浮かんだが、今はそれどころじゃない。
助け呼ぶチャンスとばかり、克己は声を張り上げる。
「助け……んんッ」
大声で助けを呼ぼうとしたとき、すぐに恭介先生の大きな手が克己の口を覆った。
「静かにするんだッ」
険しい形相でささやく恭介先生。
「う、ん…んん」
顔を左右に振り手を振り払おうと抵抗するが、どうにもならない。バンザイの格好で左右の手を押しつけられているし懸命に足をばたつかせても、先生を振りおとすことはできなかった。
「克己くんッ。克己くん、いるんだね?」
その声は、まさむ!?
克己は、身動きできない身体を必死になってねじってみる。すると、克己の腹の上に馬乗りになっている恭介先生が身体のバランスを崩れ、克己はその隙を狙って力いっぱいに押し返した。
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