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ガタンと派手な音をたててソファーから転がり落ちる、恭介先生。
克己は飛び跳ねるように起き上がり、全裸のまま逃げるように走ってドアへ向かう。
「克己ぃ!待つんだッ」
いつもの、恭介先生らしかぬ荒げた声で克己を呼ぶ。恭介先生の顔には、冷静さを失なった焦りの表情がうかんでいる。
ドンドン。
ドアを力強く叩く音が、室内に響いた。
「恭介先生、いるんですねッ?なにをしているのですか?早くドアを開けてくださいッ」
ほかの先生もいるのか?
まさむとは違う声の主に、さらに安心感がわく。
ドアのノブを掴んだ克己は、鍵を解除する。
「やめろぉッ。やめてくれェ!」
背後では、恭介先生が怯えた声で叫び、克己はドアのノブに手をかけながら振り向いた。
床にへばりつきながら噴出した汗で顔をびっしょりと濡らし、恐怖で顔をひきつらせている恭介先生の姿。
今の先生には、いつものカッコよさはない。
「せんせ。もう終わりだ」
床で青くなっている恭介先生を見下しながら、克己はカチャリとドアを開けた。
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