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2人に悟られないように、揺れる気持ちをなんとか押さえ込む。
「べ、別に、いいよ。一緒に帰っても」
「まあ……海斗がそう言うんだったら、俺は何も言わないさ」
「やったぜ。決まりだな」
大げさに喜ぶ孝介に釣られ、海斗の口元もほころぶ。
翔はと言うと、黙りこんで、神妙なおもむきで二人の様子をじっと見つめていた。
それから、翔と海斗に孝介が加わり3人で仲良く一緒に帰るようになった。
「翔、もうすぐだな。転校するのは……」
「ああ、あと三日だ」
翔と孝介の会話を聞いた海斗は、表情を暗くする。
翔と別れるのは、三日後。
もちろん、そんなこと知っていたけど、具体的に言われると寂しい気持ちが倍増する。
気分が、しゅんと落ち込こみ足取りが重くなる。
仕方ないことだと自身に言い聞かせるが、簡単にあきらめることなんてできない。
それもそうだ。
俺にとって、初めての恋人。
世間では、出会いもあれば別れもあると言うけれど、そう簡単に割り切れるものでもない。
別れがあまりにも早く、すごく辛い。
できることなら、俺も翔の引っ越し先までついて行きたいぐらいだ。
「そう落ち込むな。元気だせよ」
暗くうつむきながら歩く海斗の心境を察した翔が、気を使って普段より明るい声でポンポンと背中を叩く。
孝介もウンウンとうなずいて、海斗を元気づける。
「翔の言うとおりだ。元気だせ」
「でもさ、やっぱり翔と離れるなんてイヤだよ。俺……翔のこと好きだし……すごく寂しいんだ」
元気なくボソボソと独り言のように話す海斗。
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