|
学校へ行く時間が迫っている。
あと5分ほどで、家を出ないと学校が始まる時間に合わない。
真が急いでてきぱきと学校に行く準備をしていると、信長が声をかけてきた。
「なんの準備だ。どこかへ行くのか?」
「学校だよ。普段、僕は学校へ行かなくちゃいけないんだ。この時代の常識さ」
のんびりとしている信長とは対照的に、切羽詰った様子でカバンに必要なものを詰めこんで制服に着替える。
時間に余裕がないのはいつものことだ。
「朝は、いつもこんなに慌しいのか?」
「うん。早く起きれば問題ないんだけどね。朝は、いつもギリギリに起きているからこんなもんだよ」
「大変なんだな」
少し呆れ口調の信長をちらりと横目で見たが、シャツのボタンをはめている手は休まることはない。
すべての準備が整い、真は通学かばんを持って信長を見た。
「じゃ、僕、学校へ行って来るから」
そう言って、すたすたとドアのほうへ向かいノブに手をかける。
ドアを開けて部屋を出ようとしたとき、信長が背後から声をかけてきた。
「俺も行っていいか?」
「えっ」
まさか信長に一緒に行くとは思いもしなかったことだから、真は、一瞬考え込んでしまった。
今の姿は、現代人とかわらない。
だれも、過去から人間だと思わないだろう。
とくに問題ないはずだ。
すばやく頭を整理して答える。
「別にかまわないけど。でも、残念だけど信長は学校には入れないよ。それでもいい?」
「なんだ、学校までしか付き合えないのか……。
チッ、しょうがない。ま、それでもいいさ、一緒に行こう。
俺もいろいろと街の様子を知っておきたいからな」
「じゃ、きまりだ。一緒に行こう」
二人は、早足に部屋を出た。
・+☆+・
9/50話
□□
□□□
□□□□
これまでのお話しの一覧を見るには、各お話しにある「トラックバック先の記事」から一度1話にお戻りください。
1話にある「トラックバックされた記事」をみていただくと、各お話しの一覧がわかるようになっています。よろしかったらご利用ください。
|