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春菜は、激しく気持ちを乱している真のことも知らず、ニコリと笑うと再び前を見た。
そんなさりげない笑顔でさえ眩しい春菜の笑顔。
激しい動悸のなか、信長のことやら春菜のことがないまぜになり、混乱した頭は授業のことなどまったく考える余裕はなかった。
結局、朝のことが頭から離れず、夕方まで引きずることになってしまった。
学校が終わり家に帰ろうと校門の前までくると、見覚えのある人影に気がついて目を向けた。
まだ、この時代の景色に慣れていないのか、きょろきょろと不審者のごとく落ち着きのない動きで辺りを見渡している信長がいる。
「おーい、真」
恥ずかしげもなく大きな声で名前を呼ぶ信長に、小さく手を振って応えた真は、周囲の目を気にしながら駆け寄った。
「もぅ、声が大きいよ」
「ん?そうか。わりぃわりぃ」
真の苦情は信長の耳に入らないようで、悪びれた様子もなく頭を掻きながら笑った。
人目につくことは苦手だ。
人見知りが激しく、内気。
表立ってなにかをするということはせず、いつも影に隠れるように今まで過ごしてきた。
人付き合いが苦手だということは自分自身わかっているし、またそれを変える気はなかった。
人との付き合いが希薄なら、感情的になることもなく平穏な毎日を送れると。
そんなことさえ真は思っていた。
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13/50話
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