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「これは……?」

「手紙だ」

「え、僕に手紙?」

まさか信長が、僕に手紙をよこすとは考えもしなかったものだから驚きで目を大きくし、戸惑いのせいで硬直した手で手紙を受け取った。

じっくりと封筒を見つめながら、どうして信長が自分に手紙をよこしたのか不思議に思う。

もしかして……ラブレター?

まさか。そんなこと、ありえない。

気持ちのなかで否定するものの、心の奥では小さな期待感が残っている。

わずかながらも、信長に愛されたいということを望んでいる自分がいることに気づくと、真ははっと息をのむ。

春菜さんのことは好きだけど、もしかして信長のことも……。

これが、信長が自分に向けての愛をつづった手紙だとしたら、春菜さんと信長を天秤にかけてしまうかもしれない。

春菜さんと信長、どちらが好きかと。

今は春菜さんのほうに傾いているけれど、もし信長の僕への手紙だとしたら、大きく自分の気持ちが傾いてしまうかもしれない。

もしそうなったとき、二人のどちらが好きか、真には決める自信がなかった。

真は、早まる心臓の鼓動を抑えながらこわごわと尋ねてみた。

「これは、なんの手紙…?」

「恋文だ」

はっとびっくりしたような顔で見つめた真に、信長は慌てて「いや、お前にじゃないぞ」と付け加えて話しを継いだ。

「お前が、これを春菜に渡すんだ。口で言えないんだろ。だから、この手紙を渡して自分の気持ちを伝えるんだ。どうだ、いいアイデアだろ」

信長は自慢げにふふんと鼻を鳴らす。

自分宛ての手紙ではなかったことに、残念な気持ちと安心の気持ちが入り混じりふぅっと肩で息をした。

がっかりした気持ちになって肩を落としたのか、安堵の息がでてしまったのか、自分でもよくわからない。

うつむいて、手渡された手紙をじっと見つめていた真は、自分のことを気遣ってくれる信長にうれしく思いながらも、そっと手紙を返した。

「信長。悪いけど、この手紙は渡せないよ」

「どうしてだ?」

「だって、これは信長が書いた手紙でしょ。こんなの僕の手紙じゃないよ。

人が書いた手紙を、春菜さんに渡すことなんてできないよ」

信長の顔が曇った。


・+☆+・
15/50話

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