愛は時空を超えて〜☆萌えガク

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「これは……?」

「手紙だ」

「え、僕に手紙?」

まさか信長が、僕に手紙をよこすとは考えもしなかったものだから驚きで目を大きくし、戸惑いのせいで硬直した手で手紙を受け取った。

じっくりと封筒を見つめながら、どうして信長が自分に手紙をよこしたのか不思議に思う。

もしかして……ラブレター?

まさか。そんなこと、ありえない。

気持ちのなかで否定するものの、心の奥では小さな期待感が残っている。

わずかながらも、信長に愛されたいということを望んでいる自分がいることに気づくと、真ははっと息をのむ。

春菜さんのことは好きだけど、もしかして信長のことも……。

これが、信長が自分に向けての愛をつづった手紙だとしたら、春菜さんと信長を天秤にかけてしまうかもしれない。

春菜さんと信長、どちらが好きかと。

今は春菜さんのほうに傾いているけれど、もし信長の僕への手紙だとしたら、大きく自分の気持ちが傾いてしまうかもしれない。

もしそうなったとき、二人のどちらが好きか、真には決める自信がなかった。

真は、早まる心臓の鼓動を抑えながらこわごわと尋ねてみた。

「これは、なんの手紙…?」

「恋文だ」

はっとびっくりしたような顔で見つめた真に、信長は慌てて「いや、お前にじゃないぞ」と付け加えて話しを継いだ。

「お前が、これを春菜に渡すんだ。口で言えないんだろ。だから、この手紙を渡して自分の気持ちを伝えるんだ。どうだ、いいアイデアだろ」

信長は自慢げにふふんと鼻を鳴らす。

自分宛ての手紙ではなかったことに、残念な気持ちと安心の気持ちが入り混じりふぅっと肩で息をした。

がっかりした気持ちになって肩を落としたのか、安堵の息がでてしまったのか、自分でもよくわからない。

うつむいて、手渡された手紙をじっと見つめていた真は、自分のことを気遣ってくれる信長にうれしく思いながらも、そっと手紙を返した。

「信長。悪いけど、この手紙は渡せないよ」

「どうしてだ?」

「だって、これは信長が書いた手紙でしょ。こんなの僕の手紙じゃないよ。

人が書いた手紙を、春菜さんに渡すことなんてできないよ」

信長の顔が曇った。


・+☆+・
15/50話

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「真、今朝は悪かった。強く言いすぎてごめん。

でもさ、俺は真のことを思って言ったんだ。なんだか真のことほっとけなくてさ、悪気はなかったんだ。でも、気を悪くしたのなら謝るよ」

素直に謝る信長の姿に、胸が痛む。

信長は僕のことを心配して言ってくれたというのに。

僕、ひどいこと言っちゃったな……。

真の顔に反省の色がでたのか、信長は穏やかに笑みを浮かべた。

精悍な顔つきながらもとげとげしさはなく、優しげな瞳でまじまじと見つめられると、気持ちが洗われていくような気がした。

「僕もごめん……」

真は驚いた。

こんなにも、自分の素直な気持ちが口からでるなんて。

信長の前で、つい心のうちのさらけだしてしまう。

精悍な顔つきに浮かぶ優しい表情。

そんな顔で見つめられては、身も心も委ねてしまいそうになる。

他人に自分の気持ちを言葉にだしたのは、信長が最初ではないだろうか。

ついつい、信長に心を開いてしまう自分にうろたえながらも、真はにこりと笑みを返して微笑みをうかべる信長の顔を見た。

信長……キミはいったい…

ぼぅとして、なにか言っている信長の声も耳に入らず、精悍な顔をいつまでも見つめていた。




「…でさ、真、俺は考えたんだ」

「え、なにを?」

ぼんやりと妄想にふけっていたとこへ、信長に声をかけられて現実に引き戻された。

「ごめん……聞いてなかったんだ」

先ほどまで、信長がなにかを言っていた気がするけれど、考え事をしていた真には耳に入らなかったため、なんのことがわからない。

「これ……」

信長が差し出したのは、なんの飾り気もない封筒だった


・+☆+・
14/50話

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春菜は、激しく気持ちを乱している真のことも知らず、ニコリと笑うと再び前を見た。

そんなさりげない笑顔でさえ眩しい春菜の笑顔。

激しい動悸のなか、信長のことやら春菜のことがないまぜになり、混乱した頭は授業のことなどまったく考える余裕はなかった。

結局、朝のことが頭から離れず、夕方まで引きずることになってしまった。



学校が終わり家に帰ろうと校門の前までくると、見覚えのある人影に気がついて目を向けた。

まだ、この時代の景色に慣れていないのか、きょろきょろと不審者のごとく落ち着きのない動きで辺りを見渡している信長がいる。

「おーい、真」

恥ずかしげもなく大きな声で名前を呼ぶ信長に、小さく手を振って応えた真は、周囲の目を気にしながら駆け寄った。

「もぅ、声が大きいよ」

「ん?そうか。わりぃわりぃ」

真の苦情は信長の耳に入らないようで、悪びれた様子もなく頭を掻きながら笑った。

人目につくことは苦手だ。

人見知りが激しく、内気。

表立ってなにかをするということはせず、いつも影に隠れるように今まで過ごしてきた。

人付き合いが苦手だということは自分自身わかっているし、またそれを変える気はなかった。

人との付き合いが希薄なら、感情的になることもなく平穏な毎日を送れると。

そんなことさえ真は思っていた。


・+☆+・
13/50話

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春菜のことを思い出した。

信長の言ったことはもっともなことだ。

いつまでも、胸のなかに好きな気持ちを抱いているだけでは、なんの進展もないだろう。

机ひとつ挟んだ同じ列の席に座っている春菜のほうへ視線を移す。

行儀よく椅子に座り、熱心に先生の話に耳を傾けて懸命にノートに書き込んでいる春菜の姿をうっとりした目で見つめる。

相変わらず、きれいだ。

ため息がでるほど眩しくて、沈んでいた心がぱっと花を開いたように明るくなる。

同じ教室にいるだけで自分の心を癒してくれる、憧れの女子。

そうさ、僕は春菜さんと同じ空気を吸っているんだ。

ふと、そんなことが頭に浮かんべてしまって、真の顔がかっと熱くなった。

ば、ばかッ!そ、そんなこと考えるなんて。まるでヘンタイじゃないかッ。

真は勝手に暴走はじめた頭をなんとかして静めようと、慌てて頭から春菜の姿を消そうとした。しかし、すぐに真の心が大き
く乱された。

真の強い視線に気づいたのか、鉛筆を持ったままの春菜がこちらに振り向いて、ばったりと視線が合ってしまった。


・+☆+・
12/50話

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「なんて言った?」

「昨日会ったばかりの人間に、そんなこと言われる筋合いはないって言ったんだッ」

秘密を打ち明けてしまったことの苛立ちと、ずっと気にしていたことを信長に言い当てられたせいで、
感情が急激に高ぶり、思わず喧嘩腰の口調になってしまった。

「俺はただ、お前の力になりたいと思って――」

「うるさいよ。僕のことに口を挟まないで。
僕は、信長なんかに力になってほしいなんて思っていないから」

感情を抑えきれず、自分でも驚くぐらいとげとげしく言い放ってしまう。

「そんな話やめよ。ここで、こんな喧嘩していてもしょうがないよ。もう時間がないし。
じゃ、僕は学校に行ってくるからねッ」

真は、フンと鼻を鳴らすと学校の校門に向かって大股で歩きだした。
背中から、信長の自分を呼びかける声を聞きながら。

「ま、真!ちょっと、待て……」

真は振り返りもせず学校へ入っていった。



ほんとに……僕っていやなヤツ。

授業中、今朝のことを思い出してながら、真は後悔していた。

時計は、もうすぐ12時の針を差そうとしている。あれから、数時間が経過しているというのに、
真は今朝の出来事のことで頭がいっぱいだった。

信長に、なにも邪険な態度で突っぱねることはなかったのではないか。

今朝のことを思い返せば返すほど、自分はなんて馬鹿なことしたのだろうと自責の念にかられて、
授業中だというのに勉強はまったくの上の空だった。

あのとき、本心で言っているわけではなかった。

ただ、自分がうすうす感づいていたことを、信長にはっきりと口にだされて、
一気に興奮してしまったのだ。

「…一度自分の気持ちを伝えてみろ」

信長の今朝の言葉が頭のなかで再生されると、真は大きく息を吐いた。

机に肘をつき、両手で頭を抱えて自答する。

そんなこと、わかっている。

自分の気にしていることを人に指摘されることは、誰だっていやなものだ。
たとえ、それは悪意がなくてもだ。

だからといって、人の善意を邪険な態度で返すのはあまりにもひど過ぎる。

僕……最低だ。

信長に悪いことをしてしまった……。

沈む気持ちのなか、信長のことが頭に浮かぶと真の心にチクリと針を刺したような痛みがはしった。


・+☆+・
11/50話

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