美男子に憧れて〜☆萌えガク

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翔は「彼女とは、今はただの知り合いさ」と付け加えてニッコリと笑う。

「あの時、海斗のおかげで、彼女のことは完全に吹っ切れたんだ。しかし、あんなところで大声で叫びやがって……」

「なんのこと……?」

「海斗が、今日、俺に言ってくれたじゃないか。好きだ……と。だからさ、その……俺の気持ちも……はっきりしたんだ」

「?」

何が言いたいのか分からず、目をパチパチさせる。

翔は恥ずかしそうに、日に焼けた肌を赤く染めて前髪をかきあげた。


いつも男らしく堂々としている翔が、こんなに恥ずかしがっている姿を見せるのは珍しい。

「チッ、しょうがねぇな……」

なにか観念したように、頭をポリポリと掻きながら軽く一呼吸する。そして、一大決心したような強い眼差しで海斗を見た。

「実は、前から海斗のことが、うすうす気にはなっていたんだ。それが、何なのか分からなかったけれど、海斗に好きだと言われたとき、気がついたんだ……俺も海斗に恋をしているってことを。今日、告白されて自分の気持ちが……正直な気持ちが分かったよ……だから、はっきり言うぞ。俺も海斗が好きだ……愛している……俺は海斗が好きなんだッ」


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すると、翔と目線が合ってしまって、思わず顔がポッと熱くなる。

端正な顔で優しく笑みを浮かべている翔の姿は、海斗の心を大きく波を打たせた。

彼女がいるとは分かっていても、やっぱり翔のことはあきらめきれない。

翔は、そっと静かにベッドの隅に腰を下ろすと、海斗は半身を起こす。

「翔……彼女のところに行かなくていいの?」

「前に言っただろう、彼女とは別れたって。あのときは、たまたま彼女の家族がこっちに遊びに来たものだから、ついでに昔のよしみで、俺に会いに来ただけだ。」

「え!そうなの?」

「ああ、そういうことだ」

目を大きくして驚く海斗に、翔はうなずいた。

なんだ、そういうことか……よかった。

固くなっていた身体の力が抜けて、ふぅっと安堵の息をついた。


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気がつくと、病院のベッドの上だった。

何時間、気を失っていたのだろう?

病室の窓から見える景色は、すでに暗く、数々のライトの光が街をほのかに照らしていた。

「気がついたか……」

声がしたベッド脇に目を向けると、眉間にしわをよせた険しい顔の翔が立っていた。

「翔、いたんだ……」

「いたじゃないだろッ。バイクなんかと事故りやがって。一時は、どうなるのかと心配したんだぜ。ったく。しっかりしろッ」

翔は、今まで見たことないぐらい険しい顔をして怒鳴る。

乱暴な口調だけど、そのぶん、自分を真剣に心配してくれているのがわかる。

それが、すごく申し訳なくて「ごめん……」と一言小さくつぶやいて、掛け布団の端をぎゅっと握り締める。

反省して、しゅんとなっている海斗の様子に、翔はフッと表情を緩めた。

「でも、たいしたことがなくよかった。先生の話しによると、明日には退院できるそうだ。もう、バカなことはするんじゃねぇぞ」

海斗はコクンとうなずいて、翔を見上げた。


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己れの肉体は、すでに悲鳴をあげている。

周囲のことなど気にする余裕もないほど、肉体的にも精神的にも限界に達していた。

おぼろげになる視界に、はっきりしない意識。

「はぁッ、はぁッ……」

息はあがり、身体をしっかり支えることができなくても、前へ、前へと足を進める。

そのときだった。

「危ないッ」

誰かの叫びとともに、甲高いブレーキ音が耳に入る。

ぼんやりとした頭を持ち上げると……視界に入ったのは、迫ってくるバイクの影。

ドンッと低い音ともに、強烈な衝撃が全身を襲う。

バイクに跳ね飛ばされた海斗は、強く地面に叩きつけられ、交差点内で人形のようにごろごろと転がった。

一瞬、自分の身に何が起きたのか理解できなかったけれど、ズキンズキンと身体中をはしる鈍痛が、自分が事故にあってしまったことを知らせた。

後続車が、けたたましくクラクションを鳴らす。

「人がはねられたぞ」

「おい、救急車を呼ぶんだッ」

横たわる海斗の頭上で飛び向かう、あわただしい音と声。

そんな周囲のざわめきのなかで、聞き覚えのある声が耳に届いた。

「海斗ッ!しっかりしろ!」

遠ざかる意識のなかで聞こえる、翔の声。

翔……俺を追いかけてきてくれたんだ……

暗く深い谷底に落ちるような感覚のなかで、かすかに感じる嬉しさ。

ホントに……俺ってバカだな……

海斗は、ふっと意識を手放した。


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どこへ行くわけでもなく、海斗はひたすら走った。

翔に彼女がいたなんて……それに……あんな状況で告白するなんて……俺は、なんてバカなんだ。

留めなく流れる涙と鼻水が顔をびっしょりと濡らすが、拭き取ることはしない。

心底自分がイヤになる。

涙と鼻水で汚れた顔は、ぶざまな自分にお似合いだ。

「ちっくしょーッ!」

胸の中の耐え難い苦しみを、吐き出すように叫ぶ。

苦しい気持ちか……

ハアッ、ハアッ、ハアッ……

息もできない。

足も重くなり、時折りもつれそうになる。

しかし、肉体を痛めつければつけるほど、心の苦しみは紛らわすことができる。

肉体的限界で身体はフラフラとよろめき、足かせをくぐりつけられたような重い足は前に踏み出すのもつらい。

それでも、海斗は走り続けようとする。


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