美男子に憧れて〜☆萌えガク

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一瞬のうちに過ぎ去った2人の時間。

翔と楽しいひとときを過ごすことを想像していたのに、現実はとても厳しいものだった。

翔が自分のことなど眼中になく、恋愛に発展するのは絶望的だという実感。

それは、今日に限ったことでもない。

今までも、そうだった。

何回も経験しているのに慣れることができず、気持ちが落ち込む。

今回もだめかな……

海斗は、見えなくなるまで翔を見送ったあと力のない足取りで帰途についた。

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しかし、一緒に帰ったことがきっかけとなり、翔と海斗の仲は深まった。

あれから、翔とおしゃべりもしたし一緒に遊んだりもした。

「翔、一緒に帰らない?」

放課後、隣のクラスに行って翔を誘う。

親密な仲になった今では、お互い呼び捨てで名前を呼んでいる。

「ん。別にいいけどさ……」

放課後に、翔を誘って2人で一緒に帰ることが日課となっている。

翔も嫌な素振りをみせず、海斗に付き合う。

翔は、簡単に身支度をして、ぶっきらぼうにかばんを持って席から立ち上がる。

「海斗、帰ろうか」

「うん。一緒にいこ」

海斗は笑みをこぼした。

翔の長い腕にしがみつきたい衝動にかられたが、ぐっとこらえる。


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駅の騒がしい喧騒のなか、翔と海斗の2人は人ごみのあいだをぬって改札口を通る。

翔が、立ち止まった。

「俺は、向こうだから」

翔が指を指したのは、海斗と反対方向のホーム。

あまり、おしゃべりをすることもできなかったし自分の気持ちを伝えることもできなかった。

しかしながら、ここで翔とお別れだ。

「じゃ、また明日な」

「あ、あのさ……翔くん。俺、翔くんのこと……」

「ん?」

すでに、駅のホームへ向かおうとしていた翔が振り返る。

さよならの前に言っておきたい。

翔くんのこと……好きだってことを……

強い想いに押されて、とっさに翔を呼び止めてしまったけれど肝心の言葉が口にだせない。

「い、いやなんでもないよ。さよなら……翔くん。また明日……」

「ああ」

翔は、にこやかに笑って軽く手をあげた。

ものすごく好きなのに、はっきり言えなかった自分に対する苛立ち。

それでも海斗は、なんとか自分の気持ちを封じ込め、無理やりつくった固い笑みで翔を見送った。


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そばにいる翔を必要以上に意識してしまって、胸の鼓動が速まる。

そっと目を向ければ、落ち着いた様子で歩いている翔の姿。

そわそわして落ち着かない海斗とは、対照的だ。

まったく、自分のことなど気にも留めてくれていない……そんな風にさえ見える。

やっぱり俺のことなんて、なんとも思ってくれていないのか?

そう思うと、高ぶっていた気分も急激に落ち込んでしまう。

「海斗くんは、好きな人はいるのかい?」

歩き出してから無言だった2人だったけれど、最初に口を開いたのは翔だった。

「い、いないよ」

沈黙を破った翔の問いかけに、海斗はぶるぶると左右に首を振った。

好きな人は、目の前にいるっていうのに……

「そっかぁ……早く好きな人見つかるといいよな」

「う、うん……」

暗くうなずきながら、海斗はがっくりと肩を落とす。

好きな人から「好きな人見つかるといいよね」みたいなことを言われるのは、自分のことを恋愛の対象にされていないみたいで悲しくなる。

「そう、落ち込むなよ。いつか好きな人が見つかるって」

元気がなくなった海斗の様子に、思い違いをした翔は明るく笑いながら「がんばれよ」と肩を叩く。

だから、俺は翔くんが好きなんだって……

心の中で訴えるが、翔に通じるわけもなく。

海斗は、結局自分の想いを告げないまま駅についてしまった。


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名前を呼ばれて後ろを振り返ると、かばんを持った翔が立っていた。

翔は「よぅ」と手を上げて、にこやかな顔で海斗に話しかける。

「どうしたのさ、こんなところでボーとしちゃって?」

「いや、その……」

翔のことを想っていたとも言えず、口ごもってしまう。

決まり悪く視線を逸らして、少し熱くなった顔をうつむかせた。

「今日は、定期入れを拾ってくれてありがとう。よかったら、駅まで一緒に帰ろうか?」

海斗は、少し赤らめた顔をうつむかせているが、翔はまったく気に留める様子なく話しかける。

「う、うん。いいよ……」

突然、翔に誘われて緊張した返事でうなずく海斗。

なんだか俺……ドキドキしちゃって、翔くんとうまく話しできないな。

嬉しさがこみ上げる一方で、緊張してしまって身体が固くなる。

翔と海斗は、肩を並べて歩きだした。

駅に着くまでは、翔と一緒だ。

不幸か幸か。

突然、校内一カッコいい翔と、駅までとはいえ一緒に下校することになった海斗。

ドキドキと胸が高まった。


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放課後、学校が終わり自宅に帰るときだった。

校門の前で2人の男子生徒が手をつないで帰っていく姿が見えた。

肩を寄せ合い、仲むつまじく並んで歩く2人の姿がとても羨ましく思う。

思わず、2人の明るい話し声に聞き耳をたててしまう。

「克己くん、今から僕の家にこない?」

「どうせまた、勉強しろとか言い出すんだろ?まさむの勉強好きにはかなわないよ。ったく、この優等生め!」

2人は、じゃれあいながら楽しそうに帰っていく。

そんな2人の様子を横目で見やり、足を止める。

あの人たちぐらいに、翔くんと仲良くなれたらいいのに……

なんとなく寂しくなってしまう。

これまで、恋人と付き合った経験はない。過去には、好きになった人もいたし、「いい人ね」なんて言われたこともあったけれど、恋愛に発展することは一度もなかった。

それもこれも、この顔のせいだ……

「ちくしょうッ」

海斗はやけっぱちになって、道端に転がっている小石を思いっきり蹴った。

一度でいいから、好きな人と楽しく一緒に過ごしたいという願い。

翔くんと一緒にいれたら……どんなに楽しいだろ……

恋人同士の2人を目の前にして、自分と翔をだぶらせて見てしまう。

翔がそばにいてくれたら……という切ない願いで胸をいっぱいにさせながら、ぽつんと1人たたずむ海斗。

すると、突然背後から呼びかける声がした。

「あれ?海斗くんじゃない」


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