素敵な夜景に踊らされて☆萌えガク

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

「裕也!大丈夫か?」

病室のベッドに横たわっていると、頭上から切迫した声が降ってきた。

ぼぅとして病室の窓を眺めていた裕也が見上げると、心配して眉を寄せている一樹の姿があった。

交通事故に遭ってしまったことを聞きつけ、病院まで駆けつけてきたらしい。

「…大丈夫さ」

幸い怪我のほうはない。

ただ精神的なショックのほうが大きくて、びくびくと不安にかられていたところに一樹が来てくれたのは嬉しい。

固くなっていた身体の力が抜けて、心に落ち着きを取り戻す。

「どうしてこんな。いったい何があったんだ?」

「信号無視をした大きなダンプが……突っ込んできて……」

裕也は少しずつ、事故の状況を話した。



話しの最後まで黙って聞いていた一樹がひとこと口にした。

「それは、きっと玲二の仕業だ」

「え?」

「そのダンプの犯人は、玲二を手下の仕業に違いない。前にも言っただろう。あいつは、人殺しをなんとも思っていない本物の極悪人だ。事故に見せかけて、お前を……」

と言いかけて口をつぐんだ。

まさか……俺を?

今まで悪事を働いたこともなく、平和でいつも陽の当たる世界でのんびりと日常を過ごしてきた。

まさか自分の命を狙われるなんて思ってもみなかった。

一樹が言わんとしていたことを理解してぶるっと身震いする。

俺を……殺そうとしていた?

あのときの、交通事故にあったときよりも強い恐怖が身体を襲い、和らいだ身体が再び硬直するのを感じた。

「で、でもどうして俺を……?」

震える声で一樹に訊いてみた。

玲二とは、あの豪華なパーティーで一度会っただけだ。命を狙われるほどの動機が見当たらない。

玲二のことは、こちらはなにも知らない。それは玲二のほうだって同じこと。関わりがなければ、トラブルなんておきようがない。

まして、命を狙われるほどの恨みなんて……。

そんなことを考えていたが、それは裏の世界では通用しないということを、この後知ることになった。

「俺だ……」

一樹が、暗く低い声で言った。

「玲二は、俺が目当てなんだ。俺とよりを戻したいために、裕也を狙ったんだ。

これは、俺に対する警告だ。俺と付き合わないと、お前は大事なものを失うことになる……という警告だ。たぶん、手始めのつもりで裕也を狙ったんだろう」

こぶしを力強く握りしめる一樹の表情には、怒りの色が滲んでいた。


・+☆+・
16/50話


□□
□□□
□□□□

これまでのお話しの一覧を見るには、各お話しにある「トラックバック先の記事」から一度1話にお戻りください。

1話にある「トラックバックされた記事」をみていただくと、各お話しの一覧がわかるようになっています。よろしかったらご利用ください。

普段と変わらない朝のはずだった。

裕也はいつものどおり、一樹の組の者が運転するBMWに乗りこみ家をでた。

午前7時。道路に走る車はまだ少ない。あと1時間もすれば渋滞が始まるだろう。

裕也は後部座席の背もたれにもたれかかり、目をこする。

眠い。

寝不足の原因はわかっている。

昨日の夜、いつものことだけど、遅い時間まで一樹と抱き合っていたせいだ。

自然と口もとが緩み、昨日の夜の幸せのひとときを鮮明に思い浮かべようと重いまぶたを閉じる。


交差点の信号が赤から青に変わり、裕也を乗せた車が走り出す。そのときだった。

信号を無視したダンプカーが、交差点の左側から勢いよくこちらへ向かってきた。突っ込んでくるダンプカーは、後部座席の窓にも映っていたが、目を閉じている裕也は気づかない。

突然、鉄が激しく擦れる音とタイヤの悲鳴をあげる音がして、激しい衝撃が車を大きく揺らした。

裕也は慌てて目を覚ましたが、なすすべはない。激しく揺れる身体がシートベルトに強く食い込み、痛みと恐怖で顔を歪ませる。

車の左側面に追突したダンプカーは、そのままBMWを十数メートル引きずってから止まった。

エンジンが止まった車から、シューシューとなにかの蒸気を噴き出すような音を聞こえる。

ダンプの開いたドアから出てきた運転手が逃走する姿を、裕也の目に映った。が、追いかける気力もなく。

突然の大事故に、数秒前まで幸せな思い出に浸っていた裕也は天国から地獄へと、恐怖のどん底に落とされたような気持ちになってガタガタと震えていた。

「…一樹」

遠くのけたたましい救急車のサイレンの音を聞きながら、恋人の名前をぼそりとつぶやいた。


・+☆+・
15/50話

□□
□□□
□□□□

これまでのお話しの一覧を見るには、各お話しにある「トラックバック先の記事」から一度1話にお戻りください。

1話にある「トラックバックされた記事」をみていただくと、各お話しの一覧がわかるようになっています。よろしかったらご利用ください。

そういえば、一樹もやくざなんだよな。

裕也の表情が曇る。

一樹は――普段は悪ぶっているようには見えないけれど、自分の知らないところでは誰かを苦しめているのかもしれない。

そんなことを考えてしまって、気分が落ちこむ。

どうして、やくざの男を好きになってしまったんだろう。

自身に対する苛立ちが募り、頭を抱えて悩んでしまった。かたわらには、拓海がいるというのに。

「裕也くん、どうしたの?何か悩みごとでもあるの?」

「俺……じつは付き合っている男がいるんだ。でも、その男がやくざで、もしかしたら誰かにひどいことしているんじゃないかと心配で……」

「その人のこと、好きなの?」

「好きさ。俺の人生のなかで一番好きになった男なんだ」

拓海に「好きか」と訊かれて、裕也はすぐさま答えた。

好きか嫌いかで迷うなんてありえない。クールで、カッコよくて、お金持ちで、優しくて……それに、なにより自分にめいっぱいの愛情を注いでくれる。

今まで、愛情が足りないなんて思ったことはない。自分も、その愛情に応えるように、一樹にたくさんの愛を注いできた。

他人が羨むほどの相思相愛の仲。そう自負しているぐらいだ。

ひとつの問題を除けば、順調万端。ドラマならハッピーエンド間違いなし。

幸せの数に比べれば、たったひとつの問題なんて……。

いや、そのひとつの問題が重大なのだ。

一樹がやくざという事実。

その事実が、今の自分を苦しめている。

拓海は、思い悩んでいる裕也をいたわるようにして優しく腕を絡ませてきた。

「その人、すごく羨ましいな」

「何で?」

「だって裕也くん、その人のこと、すごく好きなんでしょ?こんなにも悩んでいるってことは、どうしてもその人のこと……あきらめられないってことだから」

「あきらめるって?」

「嫌いになって、別れることができないってこと。ほら、好きな人じゃなくて普通の人だったら、いやになって、すぐに別れられるじゃない。でも、すごく愛しているときは、苦しくて辛い思いをしても別れられないと思うんだ。裕也くんは、その人のこと、苦しい気持ちよりも、ずっと好きな気持ちのほうが大きいってことなんだよね」

拓海は、最後に「がんばって」と付け加えて微笑む。

「…拓海」

まるで天使のようなやわらかい笑みを浮かべている拓海のおかげで、ひどく重たかった心が楽になり、すぅーと悩みが引いていくと身体までもが軽くなった。

華奢で女の子っぽくて、頼りなく見える同級生に励まされた裕也は、少し苦笑しながらも拓海に感謝して、心に幸せを取り戻した。


・+☆+・
14/50話

□□
□□□
□□□□

これまでのお話しの一覧を見るには、各お話しにある「トラックバック先の記事」から一度1話にお戻りください。

1話にある「トラックバックされた記事」をみていただくと、各お話しの一覧がわかるようになっています。よろしかったらご利用ください。

すでに授業は始まっているはず。

しかし、裕也と拓海は、熱く燃えた情事のあとの余韻が冷めなくて、とても授業を受ける気にはなれなかった。

体育館の出入り口にある階段に座り込み、裕也と拓海は肩を寄せて、放心の目で校庭を眺めていた。

まだ、身体が火照っている。拓海も興奮が冷めきっていないのか、身体の熱い熱が、シャツ越しに触れている肩からじんじんと伝わってくる。

もしかして、拓海を傷つけてしまったんじゃないだろうかと、そんな心配が頭をよぎり、反省の色を込めた声で拓海に話しかけた。

「ごめんな、乱暴なことしちゃって……。もしかして、傷つけちゃった?」

「ううん……平気」

言葉数少なく話す拓海だったけれど、先ほどの身体を交えたことを、とくに気にしている様子でもなく、表情は明るく爽やかだった。

見つめる裕也に「あは……」と愛嬌のある笑みを返す拓海。一点の曇りもない笑顔は、あまりにも純粋で、むしろ自分のほうが悪いことをしてしまったという罪悪感にかられて、気持ちが沈んでしまいそうなる。

実際、浮気という、世間から非難されるようなことをしてしまったのだけれど……。

やめとけばよかった……。

後悔の念に押しつぶされそうになりながらも、裕也は重く口を開いた。

「なぁ、拓海。いじめのこと……先生に相談してみれば?」

この学校は、良くも悪くも体面を重んじる学校だ。

世間に、いじめがあるとおおやけにされれば、この学校のイメージに傷がついてしまう。恐らくそうなる前に、学校側はいじめに対して何かしらの対策を講じることだろう。西田に対しては、重い処分が考えられる。

「そ、それは……」

表情が曇り、弱々しく口ごもる拓海。

「大丈夫だって……。いざとなったら、俺がまた助けてやるからさ。だから……勇気をもって、先生に相談してみるんだ」

「…うん。でもぉ、西田くん……怒んないかな」

うなずきながらも、不安げな瞳で裕也を見る。

「大丈夫。そのときは、また俺が助けてやるって」

拓海に安心感をもたせるため、大げさにドンと胸を叩いて、自信ありげに笑顔をつくる。

「ありがと……」

再び笑顔を取り戻した拓海に、裕也もホッと安堵の息をつく。元気を取り戻してくれて、よかった、と。

拓海には、無邪気な笑顔がよく似合う。

無邪気な笑顔は、裕也に大きな自信を持たせてくれた。自分の思い切った行動は、人を助けてあげられたという自信。


裕也は、人一倍正義感が強い。

まだ小さい子どもだった頃、弱い者いじめをしていた年上の、いわゆるガキ大将的な存在のやつらに、真っ向からはむかったこともあったぐらいだ。そのときは、腕力に勝てず、こてんぱんにやられてしまったけれど……。

そんな目に遭いながらも、正義感がくじけることはなかった。

絶対に、悪いやつは許さない。街にたむろして悪さをしている不良たちも、社会の秩序を乱す暴力団も……許さない。

そのとき、恋人の一樹のことが脳裏に浮かんだ。


・+☆+・
13/50話

□□
□□□
□□□□

これまでのお話しの一覧を見るには、各お話しにある「トラックバック先の記事」から一度1話にお戻りください。

1話にある「トラックバックされた記事」をみていただくと、各お話しの一覧がわかるようになっています。よろしかったらご利用ください。

「…ふぁ……ン」

裕也が強引に歯列を押し広げて舌をねじ込ませると、拓海は甘い声を漏らした。

かわいい声をあげられるといじめたくなる――そんな思いにかられて、拓海の口腔を舐めまわし蹂躙する。

「…んん……ん」

二人のどちらとも言えない声が漏れ、辺りの空気がますます甘く、熱くなる。

互いの舌が絡み唾液が混じり、もっと強い刺激を求めようと貪欲な欲望におされるまま、拓海の背中に手をまわしてぐっと力強く抱き寄せた。熱くなった肌同士がぴったり合わさると、上昇する体温とともに裕也の理性は蒸発し消え失せた。もはや自制心はない。

唇を重ねたまま拓海の脂肪のないお腹に指を這わすと、身体が一瞬びくっと震えた。

「…ッ…や……それは、いや」

これから自分の身に起きることを理解したのか、拓海は身体を押し返して、きつく合わさっていた唇を離す。

拓海はぶんぶんと顔を左右に振って拒むけれど、裕也の欲望はとどまることはない。

「もっと、気持ちよくさせてやるよ」

思いやる気持ちなど、これっぽっちもない裕也は、荒っぽい口調でいやらしく口もとを歪ませた。嫌がる拓海を構わずして、薄い皮で覆われた胸を直接なぞり刺激を送り続ける。

「…あ、やッ……いや……だよ。やめて……」

「いやだいやだと言っても、心臓はこんなにドキドキしているじゃないか。ホントは、もっと気持ちよくしてほしいんだろ」

左胸に指を当てて、いたずらっぽく笑う。心臓のドキドキ音なんてわかるはずもなく、拓海を辱めるつもりで吐いた言葉。

図星だったのか、拓海は驚いたように大きく目を見開き、みるみるうちに顔を赤く染めあげた。

正直なやつ……。

裕也は、いやいやと首を振る拓海を体育館の壁に押し付け、細い両手首を掴んで万歳の格好になるように手を持ち上げた。

これで、拓海の抵抗も鈍るはずだ。背中にぴったりと壁をつけているため身体を自由に動かすことはできないし、さらに両手の自由まで奪われては、どうすることもできないだろう。

それに、拓海は裕也より体格が劣っている。力任せに裕也の手をほどくには無理がある。唯一、自由に動かせる顔を自分からそむけるのが精一杯の抵抗か。

「俺……拓海としたい……」

赤く染まっている耳たぶに口を近づけ、ふっと熱い息を吹く。

「あン……」と吹きかけた息に反応して、上気させた顔を向ける拓海。目にはうっすらと涙を溜めて、許しを乞う姿があった。

「だめだ、だめだ。絶対許さないからな。お前をもっともっといじめてやる」

興奮のあまり意味不明なことを口走り、吸血鬼のように拓海の首筋に口をつける。

拓海の首筋に舌を這わす裕也の顔に、思いやりのある優しい表情はない。ぎらぎらと目を光からせて欲望のまま華奢な身体をもてあそぶ……まるで美女を襲う吸血鬼のよう……。

「ん…く……」

ぞわりぞわりと首筋を舐められ、快感のせいなのか、拓海の身体がブルブルと震え、次第に観念したような表情をみせる。

いつの間にか、抗っていた拓海の両腕の力も抜けていて、抵抗する気はないと判断した裕也は掴んでいた手を離した。

「さあ、服を脱ぐんだ」

鼻息荒くして自分のベルトをはずしている裕也に、拓海は赤く染まった顔をぼんやりとさせて、こくんとうなずいた。


・+☆+・
12/50話

□□
□□□
□□□□

これまでのお話しの一覧を見るには、各お話しにある「トラックバック先の記事」から一度1話にお戻りください。

1話にある「トラックバックされた記事」をみていただくと、各お話しの一覧がわかるようになっています。よろしかったらご利用ください。


.
検索 検索
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

過去の記事一覧

ふつか
ふつか
女性 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
友だち(23)
  • 雅風庵  大志
  • volvic
  • みなぎ1999円です
  • 日刊今脇新聞
  • マーボー
  • 白くま
友だち一覧

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト『さとふる』
11/30まで5周年記念キャンペーン中!
Amazonギフト券1000円分当たる!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事