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転載します。
※06/10/05の日記
北朝鮮の核実験宣言から ※長文失礼
日本のメディアは、どうして「学ばない」のか。
いつも北朝鮮関連の報道は「出遅れ」だ。
韓国およびアメリカのメディアは、ミサイル実験の後、すでに8月から、核実験の可能性に注目する報道を続けてきた。
基本的に日本のメディアには、北朝鮮をめぐる構図を理解していない取材担当者が多すぎるということだろうか。北朝鮮をめぐる現象を理解するには、押さえるべき基本がいくつかある。
(1)米朝は戦争状態
1950年に始まり、53年に休戦した朝鮮戦争は、公式には終わっていない。朝鮮戦争は南北戦争であったが、同時に見落としてならないのは米中戦争であり米朝戦争であったという側面だ。
冷戦後、韓ロ、韓中関係の改善で孤立した北朝鮮にとって、対米戦争状態は、解決すべき第一の「重荷」になった。
(2)北朝鮮は対米(対日)関係の改善が目標
アメリカと敵対していることは、過剰な軍事的負担を北朝鮮に負わせ、国内経済再建の足かせとなっている。
またアメリカと敵対していることによって、様々な金融・貿易上の不利益を、北朝鮮は受ける。
対米関係の改善は、それらの問題点を一挙に解消する方法だ。
またそれに随伴するであろう対日関係の改善は、経済援助などを、北朝鮮に期待させる。
(3)北朝鮮は「弱い」
しかし北朝鮮には対米交渉の取引材料がなく、外交交渉の上では「弱い」立場にある。
アメリカは、基本的に北朝鮮との関係改善に積極的になる要因がない。
韓国が、旧ソ連や中国との関係正常化を行う時には、それらの国に提供すべき「見返り(経済援助など)」があった。しかし北朝鮮にはアメリカ(および日本)に提供すべき取引材料がないのだ。
したがって北朝鮮は、いわば「自ら取引材料になる」という瀬戸際外交に追い込まれることになる。
以上の点を踏まえれば、北朝鮮が瀬戸際外交を継続するために、危機の水準を上げ続けざるを得ないという構図が分かるだろう。
今回の「宣言」のニュアンスも読み間違うことはない。しかし現在の日本のメディアの報道振りを見ると、依然として「基本」が欠けているように見える。
さらに日本のメディアで欠けているように感じられるのは、韓国と中国の立場への理解だ。
韓国と中国は、結果として北朝鮮と戦略「目標」を一部共有している。
すなわち北朝鮮の体制を「延命」させるという点だ。
北朝鮮の立場は説明するまでもない。
韓国にとっては、「ドイツの教訓」が作用している。
すなわち韓国よりもはるかに「先進国」であった旧西ドイツが、東側の「優等生」と呼ばれていた旧東ドイツを「吸収統一」して疲弊した事実を、韓国は強く意識している。
前政権以来、今日の政権まで受け継がれている対北「包容政策」とは、北朝鮮との「共存」政策であり、北朝鮮の体制を維持することを目的としている。
また中国は、90年代半ばの台湾海峡危機によって、アメリカとの潜在的な緊張関係から、北朝鮮という「緩衝地帯」を維持する必要を再認識したと言える。
仮に北朝鮮が無くなると、中国は、アメリカに基地を提供している韓国と陸続きの国境線をもつことになる。
また現在の中朝関係では顕在化しないが、韓国と国境を接するようになると、国境の中国側にいる「朝鮮族」の帰属をめぐる民族紛争が起こりかねない。
したがって中国も北朝鮮の体制維持をはかることになる。
ただ北朝鮮と韓国・中国との間の「ズレ」は、次の点だ。
北朝鮮は体制維持の確証を得るために、対米関係を改善させようとして瀬戸際外交に訴えざるをえない。
が、韓国と中国は、北朝鮮の体制維持を結果として望むものの、北朝鮮が瀬戸際外交により緊張を高めることは防ぎたいのだ。
繰り返しになるが、アメリカには、北朝鮮との関係を改善させようとする積極的な動機がない。
したがってアメリカは対北二国間交渉に消極的なのが基本である。
核拡散やミサイル拡散の問題さえなければ、アメリカはまったく北朝鮮を無視するだろう。
したがって逆に言えば、やはり北朝鮮の瀬戸際外交は、ある意味「功を奏して」いるのだ。
だからこそ中国と韓国は六者協議にアメリカと北朝鮮を「封じ込め」ようとする。
中国と韓国は、北朝鮮が瀬戸際外交に訴えずにアメリカと交渉できるようにさせたいのだ。
そうすれば北朝鮮の体制維持と、瀬戸際外交による東アジアの緊張の回避の両方を、
結果として実現できるからだ。
以上のような基本構図を、日本のメディアの少なくない部分が分かっておらず、
国内的な関心の高い「拉致問題」や、ミサイル実験に対する不安感の観点からしか報道しないことが、
北朝鮮をめぐる現象の理解を誤らせている。
さらには日本政府の対応を誤らせていると言えるだろう。
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早晩、中国主導による北朝鮮の首脳のすげ替えがなされるだろうと一部ブログでは言われていましたが、この記事転載させて頂きます。拝。
2006/10/10(火) 午前 7:47
うなってしまう現況分析、すばらしい考察です。ところで転載元へのリンクが見当たりません。在日mixiML氏へのリンクをお願いいたします。
2006/10/10(火) 午後 8:42
mixiからの在日のメーリングリストに流れてるのです。転送元のサイトは、遡って探せてません。時間を見て探して見ます。
2006/10/10(火) 午後 11:59
これはうかつでした。MLはメーリングリストでしたね。fwapyさんはさまざまな情報源をおもちです。その一端がここで拝見できるのは大変なしあわせです。感謝しております。
2006/10/11(水) 午前 8:36
banquoさん、すいませんね、役に立てず、でも、zainichiの人たちは、葛藤する中で、自分達の立つ居場所を確保するのに必死です。私には、相変わらず内緒コメントで「親日派」と批判する方もおられ、複雑な心境です。
2006/10/11(水) 午前 8:47