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日本に住んでいる中国人について取材したノンフィクション作品です。 「救急精神病棟」で巡り会って以来、ファンになった野村進さんの最新作です。 普段生活していると知ったかぶりになっていることは多いと思います。 その知ったかぶりになっていることのさらに深層を紹介してくれる希有な存在です。 テーマ選定のセンス、徹底したインタビューなどの取材、惹きつける文章が素晴らしい。 今回の作品は日本の社会で活きている中国人の 劇団四季俳優 大学教授 芥川賞作家 留学生 北国に嫁いだ妻 神戸中華同文学校 池袋チャイナタウン について取り上げられています。 マスコミに影響もあり、私は日本に住む中国人に対して親しみを感じることは少ないです。 ですが、この作品を読んで、考えを改めなければと思いました。 苦難の多い日本の社会で一生懸命生きている中国人はたくさんいる。 犯罪などでニュースに出てくる一部の中国人で多くを判断してはいけないなと。 最後にあとがきで野村さんの志に触れる一文があったので勝手に引用させてもらいます。 「あえて乱暴な言い方をするが、日本人は中国人を恐れ、中国人は日本人を恐れているのである。 両者を取り持つべきマスメディアは、むしろその恐怖を煽って、テレビの視聴率を稼ごうとしたり、新聞・雑誌や単行本の売り上げを伸ばそうとしたりしてきた。また、新時代を切り開くメディアであるはずのインターネットも、ユーザーの鬱憤や屈折の掃き溜めと化して、両者の怒りの火に油をそそぐほうにいそがしい。 「無知にもとづく恐怖」には、「事実にもとづく知」で対抗するしかない。 私が本書を上梓したのも、煎じ詰めれば、結局それに微力を尽くすためだけなのである。」 もっと、いろんな人に野村進氏を注目してほしいなぁ。
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