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小さな街のある中学校で死体が発見されます。 転落したとみられる男子中学生。 自殺なのか、他殺なのか、強要されたのか。 背景にいじめの臭いがあり・・・ 自分にとって奥田さんの作品にははずれがないですねぇ。 今回も警察、先生、同級生、被害者の親、被疑者の親、検察などの視点から一人の中学生の死というものが描かれています。 いじめというもので、苦境に立たされたときにかいま見える人間の性というものを描きたかったように感じます。 苦境での良心というものがとても印象に残っています。 同級生の良心、検察の良心、教師の良心。 最後にタールのような苦みを残していくあたり、さすが奥田さん。
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当日に購入し、3日ほどで読み終えました。 それから、2週間ほど経ちましたが、自分のなかでまだうまく整理できていない。 ただ言えることは、読みやすい作品だということ。 はじめて村上作品を手にした人でも理解できます。 『アフターダーク』や『ねじまき鳥のクロニクル』に比べたら同じ人が書いたものか分からないと思います。 これは、『1Q84』が異常なほど売れてしまった影響があるのかなぁ。 私にとっては、この読みやすさを額面通りと受け取っていいのか。 まだ、読み込みが浅いから全然意図したことが伝わっていないだけなのか。 それを見極めつつ、読み込んでいきたいと思います。 作品のなかで印象的だったのが、「受け入れられる」ということ。 突然の確執からの根絶。 それを探る中で、さらに拒否されるのではなく、受け入れたれたこと。 なんか、それが自分にとって印象的でした。 つくるの夢でのシロとの行為とシロの死との因果。 作品にとってグレーの存在意義。 グリーンの死を受け継いでいく話。 6本指。 など、宿題がでたので、これからじっくりと読み込んで行くのが愉しみです。 昨今、世の風潮としてあらゆる事に答えを用意しておくことが求められている気がします。
そんな仕組みが受け入れやすいというか・・・ 安易なクイズ番組やミステリー作品が目立つような気がします。 答えありきというか・・・ 実際の世の中、分からない、答えのでないことだらけなのに。 やっぱり、自分にとってはあらかじめ用意された答えに導かれるよりも、 分からないものをこれではないかと探っていく作業が愉しく感じます。 |
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相変わらずスマートな作品 読んでいて心地いい 物語の内容は人間の内面の内なるものを描いているのだけど 高校の同級生3人のお話 ゲイ、裏の仮面、偏愛などのテイストを盛り込んで ゲイに対する偏見は微塵もなく、主人公が生身の人間として描かれています。 息遣いがリアルに感じられる。 図書館で借りて読んだけど、勝手身近に置きたいなあと思っています。
山田詠美さんにはこれからもこういう素晴らしい作品を世に出していってほしい。 |
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日本に住んでいる中国人について取材したノンフィクション作品です。 「救急精神病棟」で巡り会って以来、ファンになった野村進さんの最新作です。 普段生活していると知ったかぶりになっていることは多いと思います。 その知ったかぶりになっていることのさらに深層を紹介してくれる希有な存在です。 テーマ選定のセンス、徹底したインタビューなどの取材、惹きつける文章が素晴らしい。 今回の作品は日本の社会で活きている中国人の 劇団四季俳優 大学教授 芥川賞作家 留学生 北国に嫁いだ妻 神戸中華同文学校 池袋チャイナタウン について取り上げられています。 マスコミに影響もあり、私は日本に住む中国人に対して親しみを感じることは少ないです。 ですが、この作品を読んで、考えを改めなければと思いました。 苦難の多い日本の社会で一生懸命生きている中国人はたくさんいる。 犯罪などでニュースに出てくる一部の中国人で多くを判断してはいけないなと。 最後にあとがきで野村さんの志に触れる一文があったので勝手に引用させてもらいます。 「あえて乱暴な言い方をするが、日本人は中国人を恐れ、中国人は日本人を恐れているのである。 両者を取り持つべきマスメディアは、むしろその恐怖を煽って、テレビの視聴率を稼ごうとしたり、新聞・雑誌や単行本の売り上げを伸ばそうとしたりしてきた。また、新時代を切り開くメディアであるはずのインターネットも、ユーザーの鬱憤や屈折の掃き溜めと化して、両者の怒りの火に油をそそぐほうにいそがしい。 「無知にもとづく恐怖」には、「事実にもとづく知」で対抗するしかない。 私が本書を上梓したのも、煎じ詰めれば、結局それに微力を尽くすためだけなのである。」 もっと、いろんな人に野村進氏を注目してほしいなぁ。
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いやぁ、面白いですね、この作品。 日本のプロロードレースチームを舞台にした作品なんですが。 大人の自転車小説ですね。 自分が主役になるのではなく、主役を活かすアシストを生業とする人に焦点を当てたことが素晴らしい。 なんか主人公に感情移入してしまう自分がいました。 また、作りが上手い。
主人公の成長を追いながらも、サスペンスの香りを漂わせているのは妙味です。 続編『エデン』が読みたくなりました。 |


