|
今朝(6/13)の日本経済新聞・朝刊にアブダビ政府系ファンドが神戸ポートアイランドの医療経済特区に投資すると報道されている。
為替の動きを説明する理論には、国際収支説、購買力平価説や金利平衡説などあるが、1979年の石油危機の時には産油国の持つオイルダラーを有望輸出先として追ったが、為替にも大きな影響を与えると考えていた。現在の異常な原油高騰やBRICS諸国の台頭は今後の為替に少なからず影響を与える。
アッセトアプローチ説:
これは、為替変動を国際収支の資金の動き(フロー)の現象ではなく、ある時点の資産残高(ストック)に注目し為替の需給関係を見ようとする考え。産油国やBRICSの有り余る資金は金利や為替動向を判断して、世界を駆けめぐっているが、資本収支の変動が将来の為替変動の一つの有力な要因となる説(理論)です。 特に1979年の第二次オイルショック以降、産油国が原油高騰によって得たオイル・マネーを海外市場で株式・債券に投資してきているが、その資金規模が中途半端でなく実に巨額である。また、貿易黒字の拡大する中国などは外貨準備高を元手に潤沢な資金が海外に向かい、通貨の需給関係に影響を及ぼし、為替変動の要因と考えられようになってきた比較的新しい理論です。
最近の出来事として中東産油国や中国・シンガポールなどサブプライム問題で資本不足に陥った米国金融機関への3000億、5000億円の出資、ソニーなど日本株式への投資、保有外貨(外貨準備)の米ドルからユーロへのシフト(ストックの変化)によって為替が変動している現実はアセットアプローチ説の証左でしょう。
中東、中国やロシアとの貿易取引経験があるが、これらのリッチな諸国はストックとしての資産(アセット)の移動だけでなく、国造り、民度の向上に伴う旺盛な需要は実体経済面でも為替変動の要因となっている事が容易に理解できます。即ち、ストックへの注目だけでなく資金の移動(フロー)にも影響を与えているが、その資金は鉄鉱石、貴金属、穀物など産出国の広範に亘ると言えアフリカ諸国も既に仲間入りしてきている。
世界の超大国であり、基軸通貨の米国ドルもイスラムの中東諸国、中国、ロシアなど覇権を争う大国との地政学的なリスク要因は、通貨(為替)という武器の使用で今後の波乱要因にもなりかねません。
上図は主な政府系ファンドとその運用資金です。昨年07年度(平成19年)の日本の国家予算は82兆9088億円であったし、2008年度予算は83兆円ですが、上記の政府系のファンドの一例で取りあげた資産だけで日本の国家予算の3倍(ドル円レートを仮に¥100として、代表例のファンドだけでも合計は257兆円)にあたり、規模の巨大さに驚かされる。理論に関係せずとも、為替に与える影響は小さくはない。ファンドの原資は原油の輸出で得た外貨を元手にした中東諸国、ノルウェー、ロシアなど、輸出で稼いだシンガポールと人民元の切り上げ幅の調整の政府為替介入で得た外貨の中国系ファンドですが、将来はインドやブラジルも間違いなく仲間入りすることでしょう。
頑張れニッポン:
アブダビ政府系ファンドの神戸・医療経済特区に投資などは医療技術のソフト面に期待もあるようで歓迎すべきことではないかと思う。Japan Bashing(日本叩き)と日本の急成長が恐れられ、その後、Japan Passing(日本素通り)と言われ、最近ではJapan Nothing(日本は魅力ない)と無視される中でのオイルダラーの日本上陸は嬉しいと思わないといけない。
インドの鉄鋼王のミタルやタタ・グループが世界で買収の大暴れしてをしている中で、第一三共がインド製薬会社ランバクシー社を買収すると言う昨日のニュースは溜飲が下がる思いである。日本頑張れ!
|