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社会主義国:
1977年始めてソビエト連邦を訪問したときは、64年にフルシチョフ大統領の後を引き続いたブレジネフ書記長時代の時であったが、今では冷戦時代の歴史人物となっている。初めての社会主義国、いや共産圏への出張で緊張した。1月から2月末の真冬で、モスクワは連日マイナス30−35度、50日ぐらいの滞在であった。仕事は展示会・商談の為であったが、2−3トンの重量物の機器(実物展示品)を持ち込んだが、“売れなかったら会社の4階から飛び降りろ“と上司から脅されての出張で気は重かった。社会主義国家では全国民のすべてが公務員で、仕事はマーマーでサービス精神なるものは存在しない。仕事は夕方5:00には完全に終わるが、夕食を取るのが一苦労であった。店と席を見つけるのに1時間、オーダーを出すまで40−50分、食事が出てくるまで30分、勘定が終わるのに更に30−40分待たされると言う社会主義では当たり前のサービス感覚(ゼロ)の古い時代であった。ホテルは国営旅行公団(インツーリスト)の指定ホテル以外は泊まれない、ホテルのフローアー各階には“監視員”が配置され、夜中にはKGB(国家保安委員会)からであろうか“ホテル滞在の確認のため無言電話”で何度か起こされたが、暗いイメージのモスクワであった。それでもボルシチは格別に美味しく、ボルショイ劇場やサーカスなど商社のお世話になり見学に連れて行ってもらった楽しい思い出がある。ホテルでは団員と何回もマージャンを囲み、一緒に遊んだ同業界の方々とは“後々まで交流”を頂くなど“為になった”と思っているが、モスクワで役満を上がった事も懐かし。 http://blogs.yahoo.co.jp/fx40years/8539456.html
闇ドル:
さて、本題の「為替は当然、厳しい管理下に置かれておりルーブル持ち出しが禁止」されていた時代である。公定レートで1ルーブルは日本円で4-500円ぐらいしたように(定かでないが)記憶している。 違法の外貨交換はビザ没収、本国送還、もっと恐ろしい“シベリア送り”の厳しい監視の中で、一緒に出張した先輩格の団長の御仁がチャッカリ「闇為替で持参のドルをルーブルの交換」に成功した。闇レートのリスクプレミアムは30%以上に及んでいたと記憶する。結局、団長のルーブルが余ってしまい、銀狐(Silver Fox)のショール、瑪瑙(メノウ)やブランデイーの土産品、ボルショイ劇場、ボルショイサーカスなど楽しく滞在し、闇ルーブルを無駄使いして帰国した。
ブランデイーとパンテイーストッキング:
自分用に買ったアルメニア産ブランデイー(上写真)は当時10年物であったが、今も飲まずに記念に置いてあるのでビンテージは40年物の高級品(?)となっている。品物不足のソビエトでは、女性には日本製のパンテイーストッキング、折りたたみ傘、チューイングガムなど人気があった。持ち込んだ機械も無事売却できて、“やっと帰国できる”と帰国便のチケットは何度も旅行社で予約しても取れず仕事もなく2-3日ブラブラ。業を煮やし、空港会社の窓口のネーチャンに秘密兵器のお土産品の“パンスト”を見せた途端に予約OKとなった時代であった。パンスト・パラソルを持参して女性のアパートまで押しかけ・朝帰りする豪傑な団員もいたが、ここ数年音沙汰はない。
赤のマルボロ通貨:
時は経て、1986年にミハイル・ゴルバチョフ大統領時代や1990年台のボリス・エリツイン大統領時代にも何度かモスクワを訪れたが、経済は破綻寸前であった。相変わらずの品物不足の時代であったが、ルーブルの信認は地に落ちていた。そんな時代背景で「タバコ通貨」が編み出されていた。タクシー代やレストランのチップはルーブルでは断られるが、「赤のマルボロ」はルーブル以上に威力があったし、ドル札よりも喜ばれた。モスクワ市内からシェレメチボ空港まで相当の距離のタクシーもマルボロ3個で十分であったが、赤の箱でないといけなかった。相変わらず食事には苦労をしたが、赤マルボロがあれば、待ち時間なく食に有り付けたので疑似通貨として相当な価値があったのである。自国通貨は強くないといけない面もある。
元気なBRICSの「R」:
タバコが通貨代わりになるようなソ連邦の末期ではあったが、1990年にロシア誕生、1998年の経済危機を経て、2000年ウラジミール・プーチン大統領就任後はBRICSの一国として目覚ましい経済発展を遂げ、この5月にはドミトリー・メドベージェフ新大統領が就任した。22日付けの日経ヴェリタス紙の新興国投資の「安定感ランキング」ではブラジルに次いでロシアが二位であるが様変わりで、外貨準備高も5000億ドルを超えてきた。サハリン2に懲りずに、ロシアとの友好と経済関係の強化が国益に適う時代であり、居酒屋タクシー利用の官僚達にはシッカリしてもらいたい。「国益」を思うならロシアは北朝鮮より重要であろう。
http://blogs.yahoo.co.jp/fx40years/10746216.html
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