今ほど、「リスクの管理」の重要性が叫ばれる時代はない。最近の国際金融の世界では最先端の金融工学を駆使したサブプライム関連の金融商品の価値低下が原因で世界経済の低迷原因となっている。世界の金融機関の損失はIMF推定によると約97兆円と報告されており(08年4月時点)、一般投資家の損失も加えれば100兆円は超える。為に、株も為替の変動幅を広げ市場は混乱している。
2007年の言葉は“偽”に選ばれたように、賞味期限の偽り、産地偽装、品質偽装、08年に入ってからも餃子の食中毒発生など枚挙にいとまがない事件が起きた。当該企業は信用の失墜、経営不振、倒産に追い込まれる事態となっている。これもリスクの一種であるが、“勿体ない“ と言って人様の食べ残しをだす一流料亭などはInsolent(傲慢な)でImpolite(無礼な)リスクに区分される。
リスクとは、「潜在的な悪影響、望ましくない影響を発生させる確率、ないし期待損失」と定義される。人間の行いで定義すれば、「ある行動に伴って(または行動しないことによって)、危険に遭う可能性や損をする可能性」であり、不確実性(uncertainty) とも言う。
為替取引の場合のリスクは、「ドルや円の価値がある事象における変動性に関する不確実性」と言えます。通貨の価値の変動によって「リスク(損失)とリターン(利益)の両方」が発生することも為替のリスクです。99.9%の為替トレーダーは為替変動を百も承知し、その変動を期待して取引している訳であり、その意味ではリスクは「予想と現実の乖離」と言えます。定義は何であれ、利益が発生するアップサイドリスク(Upside Risk)は誰も問題とはしないが、問題とするのは損失する不確実性、ダウンサイドリスク(Downside Risk)であり、思うところを今後取り上げたい。
企業活動おいては、従来の利益の最大化は当然のことながら、現在は寧ろリスク管理(RM:Risk Management)の方が喫緊のテーマとなりつつあります。J.SOX法の08年度の施行にあわせて企業ではその管理(財務報告に係る内部統制)が強化されようとしている。数え切れないほどのリスク評価項目(マップ)の中で、対外的な要因で影響を受ける財務リスク評価項目は、「価格変動、流動性、金利、為替変動リスク」の4つで、FX取引を行う上での留意事項と全く同じであります。米国危機管理庁が、時間軸でリスクの減少、起きた場合の損失軽減を示している。(出典:日本リスク研究学会 『リスク学事典』 阪急コミュニケーションズ,2006年)
1 被害抑止(事前のリスク抑止・緩和=Mitigation)
2 被害軽減(準備・覚悟=Preparedness)
3 応急対応(事後におけるレスポンス=Response)
4 復旧・復興(損失・損害の発生後=Recovery Construction)
の4項目は危機管理の時間的な心得として参考になります。為替(今後FXと呼ぼう)取引でも損失を避けることは出来ないが、リスクを管理する上で上記の通り相場の予測より、変化への対応(抑制・軽減・対応・復興)の標となります。
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