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きつねのさいばん

こどもの頃、父と散歩コースに古本屋さん(BOOK OFFにあらず)がありました。
ここで、ある日買ってもらったのは、子供向けの世界名作シリーズの「きつねのさいばん」。
こども心にも、なんてひどい話なんだろうと印象に残るお話でした。
ずる賢い狐のライネッケが悪さをし放題、嘘を着き放題でライオンの王様を騙して取り立てられ、正義を訴えた者たちは、ライネッケに陥れられて泣き寝入りで終わってしまうのです。
父はわざわざ選らんでこの本娘に買っただけあって、ずるい行いをした人を「あいつはライネッケだ。」と言ってました。
後になって作者がゲーテだと知りました。
「きつねのさいばん」は、内容が災いしたのでしょう、その後絶版のままでした。

ところが、2007年岩波少年文庫の新刊案内に「きつねのライネケ」ゲーテ作 がありました。
私は、「これは昔読んだ『きつねのさいばん』に違いない!」と早速購入しました。
約30年ぶりにライネッケに会えるのです。
帰宅後すぐに読みました。

「きつねのさいばん」はこども向けにだいぶ話を端折っていたようです。「きつねのライネケ」の方が、ライネケの悪行が詳細に描写されております。
本当にライネケは極悪非道なヤツです。大人になって読んでも、この世に正義はないのかと憤ります。

そして、もとは中世の「狐物語」だけあって、登場人物(というか動物ですが…。)のいかにも中世ドイツです。
ライオンの王ノーベル、つるのリュートケ、かけすのマルカート、たぬきのグリムバート、狼のイーゼグリム、子犬のヴァッカロース、猫のヒンツェ、うさぎのランペ…。
物語終盤、狼イーゼグリムが、狐のライネケに「どちらが正しいか決闘で決めよう。」と決闘を行ったのは、ヨーロッパ中世の決闘裁判だったのでした。
思わぬところで、ヨーロッパ中世が私に刷り込まれていたことに気づかされました。
「きつねのさいばん」の影響か私は、大学では中世ドイツ史を専攻しておりました。
そして、法学部の西洋法制史の講義を受講しておりました。

こどもの頃に読んだ本を読み返すと、当時の気持ちが蘇ったり、新しい発見があったり、なかなか面白いですね。

自分でさんざん読んだ後、エリザベートに「読むならどうぞ。」と貸してあげたところ、「ライネケひどい!」という感想を言ってました。
こどもの頃、私も同じ感想でした。
この本を買い与えた父の意図も謎です。多分、お気に入りだったのでしょう。
エリザベートには「おじいちゃんが好きだったお話」と教えてあげました。
私の父はエリザベートが生まれる前に亡くなっているので、このような好きなもので故人を偲んでもらっ
ているのです。

とってもひどいお話の「きつねのライネケ」、私たち親子三代の愛読書です。
夏の読書にいかがですか。

「故郷」 魯迅

 
 昨今の物騒な世の中、学校に「さすまた」を常備したり、不審者侵入対策で
 
 「さすまた」講習会の開催などのニュースを耳にします。
 
 エリザベートの通う小学校にも、校門の守衛さんの詰所にさすまたが常備してあります。
 
 これを見たとき、私は妙にわくわくしてしまいました。
 
 というのも、私にとって「さすまた」とは、「月夜の晩にすいか畑でチャーを退治するルントウ」の武器なのです。
 
 中学校の国語の教科書で読んだ「魯迅の『故郷』」、「さすまた」に触発されて読み返しました。
 
 早速購入したのは、岩波文庫 「阿Q正伝・狂人日記 他十二編」 。
 
 
 
 この歳になって読んでみると、中学生の頃より重い読後感です。
 
 20年ぶりに幼馴染に再会した主人公同様に、中学生以来「約」20年ぶりに読み返した私も
 
 中学生時代に青春プレイバックして、いろいろと考えてしまいました。
 
 
 ところで、さすまたはネット通販でも購入できるようです。(勢い余って検索しまくってしまいました。)
 
 「新さすまた 御用シリーズ」を発見!
 
 商品名が「御用1号」(胴体用)と「御用2号」(足用)…。
 
 さすまた欲しいな…。
 
 
 
 
 
 
 
 

 ベルリン1919

 ベルリン1933

 ベルリン1945

 クラウス・コルドン作

 酒寄進一 訳

 理論社


 ベルリンの貧しい地区ヴェディンク地区のとりわけ貧しいアッカー通りの37番地の

 うらぶれたアパートに暮らすゲープハルト一家の三世代を1918年から1945年までの

 ドイツの歴史と共に語る壮大な大河ドラマです。

 「ベルリン1919」、1918年のキール軍港の水兵の反乱にはじまるドイツ革命が、

 潰えてワイマール共和国が成立するまでが描かれました。

 「ベルリン1933」、ワイマール共和国が終焉をむかえ、ヒトラーのナチス党の独裁体制が

 成立するまでが描かれました。

 「ベルリン1945」、第二次世界大戦末期の英米軍の空襲、ソ連軍との市街戦、無条件降伏後の

 ソ連軍の占領が描かれました。

 
 ゲープハルト家の人々

 父 ルディ 共産党員 第一次世界大戦に出征して片腕を失い左官工の仕事ができなくなる。

 母 マリー 共産党員 仕事を失った夫の代わりに工場で働く

 長男 へレ 共産党員 1933年にナチスの突撃隊に逮捕され刑務所に5年間、強制収容所に7年間

       入れられ、終戦後解放される。

 長男妻 ユッタ 共産党員 夫とともに逮捕され取り調べ中殴られて死亡。

 長女 マルタ ナチ党員 貧しさから抜け出したくてナチス党員の男と結婚。勘当される。

 二男 ハインツ 兄夫婦の逮捕後、反ナチ運動に身を投じ逮捕され、死刑。

 三男 ムルケル ヒトラーユーゲント 戦地でナチスの現実を知り、脱走兵となり終戦を迎える。

 孫娘 エンネ へレとユッタの娘 両親の逮捕の直前に祖父母に引き取られる。


 ゲープハルト家の人々がたどった運命も過酷なものですが、ともに共産主義に理想を抱いていた

 友人がナチス信奉者になっていたり、ソ連へ亡命した共産主義者がスターリンの粛清で

 命を落としたりと周囲の人々の運命も胸の痛むものです。

 
 ネタばれになってしまいますが、私が一番痛ましく思ったのは、へレの年上の友人

 ハインリヒ・シェンク(愛称ハイナー)の人生です。

 彼は1918年のキール軍港で反乱を起こした水兵で、革命が潰えてからソ連に渡りました。

 1933年、ソ連から帰国した彼は、スターリン支配下のソ連の実態を目の当たりにして

 ソ連が地上の楽園でないことを知っています。

 彼はローザ・ルクセンブルクを念頭においた社会主義を目指し、ドイツの共産党と袂を分かちます。

 その後逮捕されたハイナーを監獄から脱獄させ、ナチスから救い出し、ソ連に亡命させる

 手助けをしたのはへレとハインツです。

 ソ連で、ハイナーは多くのドイツ人の共産党員が粛清される中をなんとか生き延びました。

 ドイツの敗戦後、帰国したハイナーは、自分の年老いた母が、酔ったソ連兵に殴られて殺されたことを

 聞かされます。

 ハイナーは自分の故郷に帰りましたが、自分の所属する政党を見いだせずに、1962年

 ベルリンの壁の建設が始まった翌年自殺しました。


 このシリーズ3冊にわたってかなりの人数の登場人物が出てくるので、1回読んでから、

 登場人物のおさらいをして人間関係を把握するために、もう一度読み直しました。

 「1933」で共産党を裏切ったハインツの知人が「1945」で脱走兵として

 処刑されてたりするのです。


 ここ1ヵ月近く読んでいてとても重い気分になりましたが、この本はヤングアダルト向けだそうです。

 たしかにこんな長編(1冊平均626ページ!)、頭が柔らかくて体力のある若者の方が

 読みやすいでしょうね。私は眼精疲労と寝不足に苦しみました。

 
 読書が素晴らしいのは、異なる時代の異なる人々の人生を疑似体験できることだということを

 再認識させてくれたこの本の作者、翻訳者に感謝!

 

 
 


 

 




 

 

 


 

 
 

 
 

 

 マンガで学ぶナチスの時代 1 ある家族の秘密
  
              2 真実をさがして


 絵 エリック・ヒューフェル

 文 リュート・ファン・デア・ロール、リース・スキパース

 監訳 早川敦子

 汐文社


 この本は、アンネ・フランクハウスがオランダの小中学生の生徒たちに「負の歴史」を

 伝えるために作り、学校の副読本として読まれているマンガです。



 1930年代後半のアムステルダム、オランダ人少女へレナのアパートに、ドイツから逃れてきた
 
 ユダヤ人の少女エスターの一家が引っ越してきます。

 二人は親友になりますが、オランダはナチス・ドイツの攻撃を受け降伏、占領されます。

 ユダヤ人は迫害され、収容所へ送られます。

 ヘレナとエスターは離ればなれになり、歳月がたちます。


 「1 ある家族の秘密」は、おばあちゃんになったヘレナが孫息子のジェローンに家族の秘密を

 語ります。

 オランダの警察官だったへレナの父は、ナチス占領下ナチスに協力しなければなりませんでした。

 エスターの両親が連行されたときも、ヘレナの父はその場にいました。

 二人の兄は、一人はナチスの軍隊に入り戦死、一人はレジスタンス運動に身を投じます。

 ヘレナもレジスタンス運動に協力し、終戦を迎えます。

 ヘレナの父は、ナチス協力者として逮捕され、獄中で死亡します。

 ヘレナ一家は、ナチス協力者の家族としての過去を清算するために引っ越します。

 そして最後に、おばあちゃんになったヘレナはエスターと再会します。

 エスターを救ったのはヘレナの父だった事実が初めて明かされます。


 「2 真実をさがして」は、エスターの視点から、ユダヤ人が経験した悲惨な運命が語られます。

 エスターの母は、ガス室で殺され焼却炉で焼かれていました。

 父はアウシュヴィッツから他の収容所に移送される途中に、力尽きて銃殺されました。

 エスターをかくまってくれたオランダ人の1人はナチスに逮捕され処刑されていました。

 終戦を生きて迎えることになったエスターは、たった一人になってしまいアメリカに渡ります。

 オランダの終戦記念行事に参加するために、戦後初めてオランダにもどったエスターは、

 ヘレナと再会します。

 「わたし、両親の形見を何も持っていないの…顔すら思い出せない…」というエスターに、

 ヘレナは物置から1冊のアルバムを持ってきます。

 エスター一家が連行された後、ヘレナはナチスが家財道具を没収する前に思い出の品を、

 取っておいたのです。

 エスターが開いたアルバムには、幸福な家族の写真が何枚もありました。


 この本は、図書館のこどもコーナーにあったものですが、歴史ドラマを見ているような

 重厚なストーリーでした。2時間ドラマ2回で作ってほしいくらいです。

 私が読みたくて借りた本でしたが、小2のエリザベートも興味深く読んでいました。

 エリザベートはアンネ・フランクと杉原千畝の伝記マンガを読んでいたので、ナチス・ドイツの

 ユダヤ人迫害の話は覚えていたようです。

 日本でこのような「負の歴史」を学ぶための本を作ることは、とても困難なことなのでしょうね。

 歴史の教科書でさえ、面倒なことになっているのですから…。

 

 


 

最近読んだ本

 シュタウフェンベルク大佐にはまって読みまくった本です。

 ヒトラーの防具 帚木蓬生 

 私はヒトラーの秘書だった トラウデル・ユンゲ

 ヒトラーの死を見とどけた男ー地下塹壕の生き残りの証言 ローフス・ミッシュ

 ワルキューレ ヒトラー暗殺の二日間  スティ・ダレヤー

 ヒトラー暗殺計画 小林正文

 ベルリン1919 クラウス・コルドン

 ベルリン1933 同上

 ベルリン1945 同上

 マンガで学ぶナチスの時代1 ある家族の秘密 エリック・ヒューフェル

 アウシュヴィッツ博物館案内 中谷剛

 かなり重苦しい気分になりましたが、以前読んだ本も読み返したくなりました。

 夜と霧 V.E.フランクル

 それでも人生にイエスと言う 同上

 ファニア歌いなさい ファニア・フェヌロン

 シンドラーのリスト −1200人の命を救ったドイツ人 トマス・キニーリー

 六千人の命のビザ 杉原幸子

 図書館やアマゾンのおすすめで見つけた本ですが、少し熱が冷めたら感想なども

 書いてみようかと思います。

 
 

 

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