私の濫読日記

4/24 なんと今日は、下院選挙のための休日でした。

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安吾の1945年前後の7作品を1冊にまとめたオムニバス。
 
記載されている作品名は以下の通り
① いずこへ
② 白痴
③ 母の上京
④ 外套と青空
⑤ 私は海をだきしめていたい
⑥ 戦争と一人の女
⑦ 青鬼の褌を洗う女
これらの作品の中では、やはり秀逸は個人的には『白痴』。
安吾がこの作品で人気作家となったのも十分に頷ける。
 
「人が物を捨てるには、たとえば紙屑を捨てるのにも、捨てるだけの張合いと
 潔癖ぐらいはあるだろう。この女を捨てる張合いも潔癖も失われているだけだ。」
この一文がよかった。主人公は、戦時中の空爆を生き延びたわけだが、
自分が連れてきた白痴を捨てられない。しかしそれは、未練からではない。
その時代の中で人々の感情がどれほぼ蝕まれていくのかが、
この一文に要約されていると思う。
 
あとは、『外套と青空』・『私は海をだきしめていたい』・『戦争と一人の女』・
『青鬼の褌を洗う女』の4作品には一つの共通点があり、実に面白く感じた。
それぞれに1人の女性が登場するのであるが、すべて性に自由奔放なのである。
 
まあ、今風に言えば「ビッチ」といったところでしょう。
その上、出てくる男たちは一様にその女たちの行動に寛容であり、
2ちゃん風に言えば「NTR属性」全開といった感じなのである。
どこかで、男性は過去の女を個別に保存し、女性は上書き保存する。
といった言葉を見たが、これが日本人の本質かもしれません。
 
安吾自体は、大金持ちの家に生まれたが、物心つくころあたりから
生家は左前となり、母に愛されなかったと感じていたようだ。
 
その裏返しとして、安吾は女性を貶めようとしたのか、それとも
自由奔放さゆえの一途さを愛したのか、私にはこれらの作品だけでは判断できないが、
非常に共感できる。(ただし、私自身の経験と重なっているわけではありませんが・・・)
 
また、『いずこえ』にある「余は偉大なる落伍者となっていつの日か歴史の中によみがえるであろう」
この一文もいい。私自身もまだ決心できないが(一生できないかも・・・)、これまでも
何度か言っては来たが、野垂れ死にが理想である。

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野垂れ死にが理想ですか…。私はまだその境地までいかないですね。
安吾は、おそらく私とは全く違うタイプの人間らしく、そうであるがゆえに明らかに自分にはない感性を持っていて、文章を読んでもとても新鮮に感じます。

2014/2/10(月) 午前 10:38 大三元

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大三元さん、野垂れ死にに関しては、自己破壊願望かもしれませんね。あまりほめられたものではないと思いますが、日本で死ねればそれもありかと、海外生活15年目の思いです。

しかし、安吾がこれほど面白いと思ったのは初めてです。
『堕落論』も読みなおす必要がありそうですね。

2014/2/11(火) 午前 3:54 [ gak*1*66* ]

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堕胎論読んだ時は、ある種の衝撃と爽快感があったのを思い出します。
この人の物の言い様好きです^^

文中の、「男性は過去の女を個別に保存し、女性は上書き保存する」の一説面白いですね。
男と女の違いって、そんな風なところがあるようにも思えます^^

2014/2/12(水) 午前 5:09 [ mogu ]

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MOGUさん、コメントありがとうございます。

堕落論は、やはり読み直すべきですね。
以前読んでいるのですが、あまりイメージに残っていなんですよね。

それは、私が最近妙に納得している一文です。

2014/2/13(木) 午前 5:37 [ gak*1*66* ]


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