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『日本人は弓を射ることを一種のスポーツと解しているのではない。はじめはへんに聞こえるかも
知れないが、徹頭徹尾、精神的な経過と考えている』
禅と仏教というキーワードをもとに作者は、日本人の不思議をヨーロピアン(作者はドイツ人)に
知らしめるべく行われた講演会を文書化したものである。
日本人は、物事の本質をつかむためには、意識的に考えない。
心を無にすることで、何かを感じることができると考えていると作者は言う。
だから、弓術だけでなく、書道・茶道・歌舞伎あるいは、その他の武術に関しても
呼吸と言うものが重要な要素であり、筋力を鍛えることではないと書く。
しかし、逆にこのことが、ヨーロピアンには理解できないということを日本人は理解しない。
的に当てようと思わずに的に当てることができることが彼らには理解できない。
日本人は、行間を読めと教えられ、ヨーロピアンは行間などないと教えられていることの差を
きちんと理解しなければ、ならないと考える。
この講演がなされたのは1930年前後のことのようである。
それから日本もずいぶん変わったと思う。
今の日本人の一体何割が、これらのことを感覚的に理解できるのだろうか。
もちろん、まだまだ日本文化の底流にある思想は変わっていないと思いたいが、
ちょっと不安を感じつつ、読み終えた次第である。
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