第351話 「春雨じゃ」

朝六時、この頃はもう明るくなっている。 久しぶりに今日こそはと散歩への準備を整えた。 脱臼の入院以後、さっぱり散歩には出ようとしなかった家内が、体のためにも今日は一緒に行くという。 杖を持つように促した。医者からの指示でもある。 私はもう杖を持つのが当然になっている。 百五十メートルほど行ったところで、家内が「雨が降り出した」と言った。 降っているのかいないのか、なかなか判断がつかないような小雨であるが確かにかざした手が濡れてくる。 「傘を持って出よう」といったん帰って出直した。 途中、犬の散歩で帰って行かれる人に出会った。その人は傘を持っておられなかった。ということは、その人の出発された頃には、まだ雨が降っていなかったというすべて表示すべて表示

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