ぎゃらり壷中天 鈍青房掌編

“鈍青房”は小生の庵号です。物をめぐる掌小話を掲載していきます。

コンドルは飛んでいく

  『コンドルは飛んでいく』  動物園の鳥類舎の前で。 「動物の形状っておもしろいよね」 彫刻家志望の生野君がしみじみと言う。 「変態を繰り返して、何万年もの時間を生き延びてきたその果ての姿だもんね」 生物学を専攻している吉野君が答える。 「つまり、優生遺伝子がこういう形状を選択してきた結果ということ?」 「そう。地球の環境変化に応じて、身体の機能や形状をうまく変化させた種だけが今も生き延びて、こうして我々の目の前にいるということだよね」  するともう一人、その様子をかたわらで聞いていた自称“不思議大好きの夢想家”の 由美ちゃんが、 「ところでさ、性格のよい亀と、いじわるなパンダだったら、どっちが好き?」 「僕は亀。性格は問題じゃない。あの形が意表をついてるよ」と彫刻家志望の生井君。 すべて表示すべて表示

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