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キオクノカケラ Episode2
わたしと男との共同生活が始まって、すでに1週間が経過していた。
しかし、わたしの記憶はいっこうに戻らなかった。そんなわたしに対して男は何も言わなかった。男はひたすらに自分の過去を語ってくれた。わたしはそれが真実なのか、作り話かもわからなかったが、一生懸命にその話を聞いた。 そして今日も男は語り始める。過去の思い出話を・・・・・・。
-----2年前-----
俺はどん底だった。勤めていた会社が不況の煽りを受け倒産。それと同時に社員全員がリストラ。当然俺も例外なくリストラ。俺は他に行くアテもなく、路頭に迷うことになる。 このとき俺は37歳。再就職先を探すには厳しい年齢だ。それでも俺は懸命に探した。。来る日も来る日も就職先を探した。何十、何百と面接を受けた。受けては落ち、受けては落ちの繰り返し。プライドも捨て、昔の同僚、旧友にも頼った。しかし、断られた。誰1人としていなかったのだ。俺を必要としてくれるものが。 俺の心は日々荒んでいった。社会に捨てられた存在。必要のない存在。夢も希望もなかった。
そんな時だ。君に出会ったのは・・・。 「泣いてるの?」
一人の少女が俺に話かけてきた。どうやら俺は泣いていたようだ。 「何か辛いことでもあったの?」 「俺は求めているんだ、俺を必要としてくれる存在を・・・。君は俺が必要か?」 「えっ!?」 少女が驚いた表情をしている。あたりまえだ。初対面の子に俺は何を言っているんだ。 「悪い、変なことを聞いてしまった。今のことは忘れてくれ。」 俺はその場を立ち去ろうとする。 「待って!」 少女が俺を呼びとめる。 「あなたの言っていることはよくわからないけど、あなたがわたしに必要とされたいなら、わたしの頼みを聞いてほしい。」 「君の頼みなら、断るバカはいないさ。」 俺は少女の頼みを聞いてやることにした。俺を必要としてくれることが何よりも嬉しかったから。 To be continued |
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