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キオクノカケラ Episode3
「それで、頼みってなんだい?」
「これを見て。」 女から1枚の写真を渡される。 「こいつを・・・殺して・・・。」 「はっ!?いま・・・なんて・・・?」 俺は、少女の口から発せられた言葉が信じられず、聞き返してしまう。 「この男を殺すのに協力してほしい。それがわたしの頼み。」 真剣な眼差しで俺を見据えてくる。どうやら冗談ではないようだ。 「本気なのか?」 「ええ。」 少女の顔からははっきりとした覚悟が感じ取れた。 「わかったよ、協力してやる。」 「ほんとに?ほんとにいいの!?」 「ああ」 「うっ・・・ううっ・・・・・・。」 少女は泣きだしてしまった。 「何を泣いているんだ?」 「嬉しいの。私の頼み、真剣に聞いてくれる人なんて誰もいなかったから。」 正直俺は、頼みの内容なんてどうでもよかった。ただ、俺は嬉しかったんだ。この子に必要とされていることが。俺はこの子を救ってやりたい。今の俺にはそれしかなかったんだ。 「で、こいつは誰なんだ? 」 「おとうさん・・・。」 「!?」 「まさか、お前・・・親を殺そうって言うのか?でも・・・どうして?」 「こいつを殺さなきゃ、わたしがこいつに殺されるの」 そう言って彼女は、上着を脱ぎだす。 「お、おい、何してるんだよ!」 「いいから見て!」 曝け出された彼女の白い肌はとてもきれいで美しく・・・はなく全身痣だらけだった。 そうか、そういうことか・・・。この子は実の親から・・・。それ以上はもう何も聞けなかった。 「きみが親を殺したい理由はわかった。でも、賛成はできない。」 「なんで・・・。どうして・・・?」 「君の親はひどい奴だ。許せない奴だ。でも、そんな奴のために君が罪を背負う必要はない。殺すとなれば君もただでは済まない。」 「わたしはそれでも構わない!わたしはあいつを殺せればそれでいいの!」 「だめだ、そんなの!」 「やっぱりあなたも・・・わたしを救ってくれないのね。」 「・・・。」 俺は何も言えなくなってしまった。 俺は彼女を救いたい。俺にとっての希望が『彼女』という存在なら、彼女にとっての希望は、『自分の親を殺す』ということ。それが彼女にとっての救いなのだ。 彼女の願い、たった1つの願い、できることなら叶えてやりたい。 「あるはずだ!」 「えっ!?」 「君にとっての希望が、親を殺す以外にも!俺にとって君は希望だ。だから君にも希望を与えてあげたい!殺すことが希望なんて、そんな悲しいこと、あっちゃいけないんだ、だから探そう!君の希望を!俺はそのために生きたい!」 気がつけば俺は・・・彼女に・・・告白していたんだ・・・。 To be continued |
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