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年の瀬も押し迫ったある日に、小さな少女が一人、寒空の下でマッチを売っていた。
マッチが売れなければ、お父さんに叱られるから家には帰れない
「マッチいりませんか?」
「マッチいりませんか?」
「マッチ。。。」
人々は年の瀬の慌ただしさから、少女には目もくれずに通り過ぎていった。
少女は、少しでも自分を暖めようとマッチに火を付けた。
「あたたかい。。。」
マッチの炎と共に、暖かいストーブや七面鳥などのごちそう、
飾られたクリスマスツリーなどの幻影が一つ一つと現れ、
炎が消えると同時に幻影も消え失せた。
流れ星が流れ、少女は、可愛がってくれたおばあちゃんが昔、
流れ星は誰かの命が消えようとしている象徴なのだと言った事を思いだした。
次のマッチをすると、そのおばあちゃんの幻影が現れた。
「あっ、おばあちゃん!」
マッチの炎が消えると、おばあちゃんも消えてしまう事を恐れた少女は
慌てて持っていたマッチ全てに火を付けた。
おばあちゃんはより生彩を増すと、少女を優しく抱きしめ、天国へと昇っていった。
翌朝、町の人々が見つけたのは、マッチの燃えかすを抱えて微笑む、少女の小さな骸であった。
作・ハンス・クリスチャン・アンデルセン
何が幸せなのか。。。
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