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Dance With me ORLEANS
直樹は突然、手を繋いできた裕子に戸惑った
「どうしたの?」
「イヤ?」
「イヤじゃないけどびっくりするよ」
「ごめんね、手、放そうか。。。」
裕子が、寂しそうな顔でうつむく
直樹はそれに答えるように黙って強く手を握り締めた
裕子の積極性はどんな衝動からきてるんだろう。。。
二人は手を繋いだまま地下鉄に乗り込んだ
裕子に案内されるまま降りた駅は文京区にある根津という聞き慣れない地名
地上に上がっても華やかな雰囲気はしない
「東京とは思えないね、もっと人ごみが凄いと思ったよ」
「この辺りは東大が近くにあるくらいで静かな場所」
「裕子さんの家はこの近所?」
「まるっきり反対方向だよ、知ってる人少ないからここがいいんだ」
学生街なのか喫茶店は多い
暖かい木造りの店に入ることにした。以前にも何回か来たらしく、リラックスした様子が彼女から伺えた
流れる音楽は音量を絞ったアメリカンロック
オーリアンズの乾いた音が耳に心地いい
「よく会う決心してくれたね」
「急に会いたくなったの。自分でもわからない」
裕子はさっきまでの明るさがウソのように沈み込んでいる
流れる曲は明るいのに切なさがテーブルを挟んで伝わって直樹を苦しめた
Dance With me、初めて手を繋いだ瞬間を思い出す。。。
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