心療内科とタトゥー

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音楽物語

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そのもの音楽をリンクさせた小説です。。。全編オリジナルです。。。
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Julia Dream

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Julia Dream  Pink Floyd  



凍て付く夜、どうしようもなく身体が重い


裕子は迷っていた。来週には入院しなければならない
結果はわかっている、もう最初で最後にしよう。。。
震える指で携帯のキーを押した

「もしもし、裕子です」
「あっ!もしもし、かけ直すよ」
直樹の声が遠い。。。

「いいよ、このままで」
「うん、ごめんね、わざわざ」
「私、会ってもいいよ」
「えっ!ほんと?」
「うん」
「いつ、行こうか?」
「明日、来れる?」
「えっ!明日!?」
「無理だったらいいよ、もう時間ないんだ。。。」
「行くよ!絶対行く!」

直樹は明日の昼には着くそうだ
裕子は東京駅まで迎えに行くことにした

こんな経験は初めてのこと
まさかブログで知り合って会うなんて。。。

病気のことで心配をかけっぱなし、そのうえネットで知り合った男と会うなんて
親は許してくれるはずもない。入院するまえに友達と会ってくるとウソをついて出ることにした




翌日の東京駅、新幹線の改札口に向かって直樹が降りてきた
裕子は大きく手を振り合図、それに答えるように直樹も手を降る

お互い笑顔だった。ずっと昔から知ってるような不思議な感覚。。。

「ずっと、夢に消えて行きそうで怖かったよ。ほんとにいたんだね、画面の向こうの人」
「うん、すぐ側にいるよ!」

最初にあった緊張感はすっかり消えていた
でも悲しみは消えない、直樹は帰って行く。もう彼と会うのもこれが最初で最後
気がつくと衝動的に彼の手を握ってる自分がいた。。。




夢に消えるジュリア。。。

Forbidden Colours

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Forbidden Colours




「私が死んでも友達でいて下さい」
直樹の携帯に短いメールが届いた



裕子は五年前に子宮癌の手術をしていた。
二十代の若さでのそれは珍しく、再発すれば転移も早い。

毎日を大事に悔いのないように生きる
彼女のブログもそれをテーマにしていたが、もはやそれも画面から消えていた

ダイヤモンドダストのように輝いてた瞳は一瞬だけ
氷の結晶は溶けてしまう

裕子の住む街は新幹線で三時間ほどの距離
それが途方もなく遠く感じる。時間はもう残されていないのだ

「君に会いに行きます」
直樹はそうメールに書いた

「会いに行ってもいいですか?」
とは書かなかった

気持ちはもう動かない
この感情は何?愛?自分に問いかけるがそんな答えは出ない

しかし肝心の彼女からの返信はない
悩んだ直樹は会社の同僚の本田に今までのいきさつを話した

「そりゃ、ダメだ、諦めたほうがいいよ」
「おれは本気で好きになってる」
「ネットだろ?好きなこと書けるし、事実かどうかもわからん、おまえ、頭冷やしたほうがいいよ」

本田は冷静だった
第三者から見れば至極当然の言葉だろうが、直樹の耳には入らなかった

クリスマスイルミネーションが輝いているのに切ない。
Forbidden Coloursがどこからか聞こえてくる


裕子の耳には届いてるだろうか。。。


http://www.youtube.com/watch?v=x1YkHJJi-tc&mode=related&search=
↑Sylvian & Sakamoto - Forbidden Colours

Diamond Dust

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Diamond Dust



氷の結晶に太陽の光が当たり
ダイヤモンドのように輝いて見える



バーチャル恋愛、いや片思いか
ネット上に溢れる甘い言葉は危険だ

直樹もその中の一人なのかも知れない
書いてる文章は意識しなくても自然と脚色が入る

それが直樹の人格から一人歩きし、読み手に勝手なイメージを植え付けてしまう
裕子に現実の自分を知られるのが怖い

知って欲しいが知られたくない
相反する気持ちはまるでパラドッグスのスパイラルだった

裕子は相変わらず頑なに直樹を拒む

「私はもう恋愛はしないだろう」
「もし、誰かに出会えてもそれは恋とか愛を超えた存在」

裕子の書く文章に戸惑いを隠せない
頭では理解しようとするのだが人を好きになると、思考が停止してしまう

裕子は直樹のことを友達と考えている
前へ進まない苛立ち、嫉妬、もう裕子を追いかけても無理かも知れない

直樹は裕子と携帯のアドレスや電話番号を交換したが
彼女は直樹の声も顔も知らない

これも知られた途端に連絡が途絶えるのが怖いから、教えないだけ
そんな日が何日も続いていたが、意を決して伝える決意をしたのは後悔だけはしたくなかったから。。。


直樹は張り裂けそうにな気持ちで裕子に電話をかけた

「もしもし、裕子さんですか、ブログの直樹です」
「はい、裕子です」
「いつも文字だけだから、印象が違いますね」
「そうですか?どんな感じかな?」
「明るい雰囲気ですよ」

裕子の声はブログのイメージとは違っている
直樹はホッとするのと同時にとても彼女を近くに感じ、嬉しくなった

でもそれは裕子の一面であり
彼女の心の奥底にある闇には容易にたどり着けるものではないことを
このあと思い知ることになった

氷の結晶は気がつけば消えてなくなることを。。。

Moonlight Shadow

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Moonlight Shadow



直樹が無理やり聞きだそうとしたからか
話をしているうちに裕子は自分の過去の事を話し始めた



終わってしまった恋愛のこと、そのまえの数々の恋愛、そして癌手術のこと
恋愛では子どもを流産したこと

直樹は聞くだけだったが、どうしてあげることも出来ない
ただ裕子の言葉のひとつひとつが胸に突き刺さった

「もう人を好きになることはないよ」

確かにそうだろう、誰も信じられなくなるのは裕子でなくてもそうだ
ましてや、失恋して間がない時期

直樹の存在は裕子の寂しさを埋めるだけ
わかってはいたがそれでもいいと思った

1度も会ったことのない画面の向こうの天使
それはかたくなに心を閉ざす、羽の落ちた天使

「愛してるという言葉は信用できない。。。」
「愛するってどういうことかわからない。。。」

裕子の身体の傷は心まで傷つけてしまっていた
彼女が死と背中合わせに毎日を生きていることも知った
あの切ない笑顔が蘇る。。。

直樹の心は引き寄せられる思いと切なさが入り混じり
裕子への感情だけがやたらと高まっている

夜道を歩く直樹の頭上に月が光っている
そこから伸びる影が彼女の住む街に繋がっているように思えた
会いに行きたい。。。

バーチャルから現実の彼女への道は遠い。。。

One More Night

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http://www.youtube.com/watch?v=ztNKFgO1czM&mode=related&search=
↑Phil Collins - One More Night(クリックして右上のバーを最小にすれば曲を聴きながら読めます)





「もう人を好きになることはないよ」
裕子はかたくなだった



彼女との出会いは直樹がブログを何気なく見ていたある日のこと
検索していてふと目にとまったのが裕子のブログだった。

いつものようにただ暇つぶしにランダムをしていた直樹の目に飛び込んできたのが裕子の笑顔
それは切ない笑顔

精一杯笑っているがどことなく寂しく、綺麗な顔が悲しく見える。
直樹は裕子の記事にコメントを残し登録した

彼女はすぐに返事をしてくれたが、直樹には感心もないような内容の言葉
たびたび裕子のブログに行ってコメントしてくるのだが、所詮は大勢のうちの一人にしかすぎない

そんなある日、直樹のパソコンにメッセが入る
「お話ししましょうか」
裕子からだった

突然の事に驚いた直樹だったが素直に
「はい」
と返事をした

それからの毎日は夢のようだった。裕子に好意を持っていた直樹は意を決し、そのこと彼女に伝えた
しかしその言葉に対する彼女の返事は冒頭のもの

ブログの向こうには裕子がいる
生身の人間として。。。

しかしそれを現実のものとして受け入れることが直樹にはできなかった
裕子は現実ではあるが、それはまたネットという捉え所のない世界では幻

直樹は途方にくれるしかなかった
どうやら幻に恋をしてしまったようだ

直樹にとって裕子は画面上の憧れ、その存在感はまるで蜃気楼
掴もうとしても消えてしまう儚いものだった。。。 One More Night。。。

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