ロックサウンドを弾きたい!と思ってエレキギターを始める初心者の大多数の方は、
あの激しく歪んだギターサウンドを鳴らすことに憧れていると思います。
これからエレキギターを購入しようという方が、手っ取り早くあの歪みサウンドを出したいと思ったら、
「歪み系エフェクター」 を使うことがイチバンの近道となります。
「歪み系エフェクター」 とは主に、ファズ、オーバードライブ、ディストーション、
に3種類のことを指しますが、実際にはこれらエフェクターに加え、
「ギターアンプ本体により生成される歪み」 もあるので、
本来は、ギターアンプによる歪みとエフェクターによる歪みのブレンドによって、
様々な種類の 「歪み」 が形成される ことになります。
先日、久しぶりに大音量アマチュアバンドのライブイベントを聴きに行きましたが、
いやー、出演されたギタリストのほぼ全員が 「歪ませすぎ」 であると感じた次第です。
特に気になったのが、コンパクトエフェクター、ギターアンプシミュレーター、
そして ギターアンプ本体 と、実に3種類の歪み系ハードウェアを組み合わせている方が
少なくなかった、という点でございます。
そんなに歪ませてしまったら、コードを弾いたところで、とてもハーモニー感は出せないでしょう。
ただ 「ガピー」 というノイズの嵐が聞こえるだけで、とても音程など聞き取れません。
まあ、ギターを弾いているご本人が、そーゆーサウンドで満足しているようなので、
第三者がエラそうに講釈たれるのも野暮だな〜と思いつつ、
大きなお世話の 「苦言」 を述べさせていただきます。
まず、歪み系ギターサウンドに憧れるギタリスト初心者の方に物申したい。
エレキギターを購入したら、まず最初にギターの 「素の音」 を確認して欲しい。
そう、あの、まったく歪んでいない、クリーン極まりないエレキギターの音を、です。
次に、その 「素の音」 で、いろんなロックのリフを弾いてみようではあーりませんか。
歪んだ音じゃないから迫力が出ない? まあ、たしかにそうかもしれないが、
超一流と呼ばれるギタリスト方のほぼ100%は、エフェクターなしでも、
ギターとギターアンプだけで、必要十分な歪みサウンドを創ることができます。
彼らにはできるのに、初心者のあなた方には何故できないのか?
それは、初心者の方々が、エレキギターとギターアンプの特性・使い方を知らないからです。
では、初心者はどうしたら、それらを覚えることができるのか?
そらーもー、ひたすら勉強・学習・練習するしかありません。
専門書を購入して、理屈や理論を勉強し、実際にギターとギターアンプを使って
どのような弾き方だと歪みやすいのか、また、どのような時に歪ませる必然性があるのか、を学習し、
実際に元ネタの音源と自分が弾いた曲を聴き比べたりする、等の練習を重ねて、
少しずつ、元ネタのギターサウンドとの 「差」 を縮めていくしかない、と思います。
オイラ的なオススメは、前述のとおり、自分が好きな曲のリフを、
まず、歪んでいない 「素の音」 の状態で、ほぼ完ぺきに弾けるまで練習を続け、
自分で納得できたら、次にギターアンプのツマミだけで 「歪み」 を加えていきます。
ギターアンプのツマミの操作方法などインターネット検索すれば鬼のようにヒットしますので、
各自で適宜お調べくださいませ。
メタル以外のジャンルであれば、ここまでの知識でそれなりのロックギター・サウンドを創れるはず。
ただし、リフならいいかもしれませんが、ソロを弾くのであれば、
まだ 「歪み具合」が足りないかもしれません。
そこで初めて、歪み系コンパクトエフェクターの力を借りることになるワケです。
初心者が、最初からコンパクトエフェクターを使って、安易に歪みサウンドを得るということは、
ギターとギターアンプの使い方の勉強を放棄してしまっている、ということではないでしょうか。
実際には、ギター本体の歪み、ギターアンプの歪み、エフェクターの歪み、
これらの 「役割の違い」 を認識したうえでないと、本来のロックギター・サウンドは出せません。
さらに言えば、オイラが勝手に師匠と崇めている 山下達郎 に至っては、
カッティング主体のギター演奏が得意ということもありますが、
愛用のテレキャスターからギターアンプを通さず、DI経由でレコーディングミキサーに繋いで、
ギターパートを録音することが多々あります。
▼その代表的サウンドがこちら
ところで、冒頭に記した 「ギターアンプシミュレーター」 ですが、
その名のとおり、有名なギターアンプの特性を模倣 (真似) できる、大変便利に道具なので、
勉強用、練習用に使わない手はありません。
た・だ・し!
繰り返しますが、ギターアンプシミュレーターは、ギターアンプに接続した後のサウンドを
アウトプットから出力する構造となっていますので、
ギターアンプシミュレーターのアウトプットを本物のギターアンプに繋ぐという方法は、
あまりに本末転倒すぎる使用方法と言わざるを得ません。
もちろん、両者の特性を熟知したうえでの利用というワザは 「アリ」 だと思いますが、
とても初心者にオススメできる使用方法とは思えません。
誤解を恐れずに言えば、本来、
ギターアンプシミュレーターは自宅録音用機材であり、ライブ用機材ではありません!
果たして、ギターアンプシミュレーターをライブで使用している初心者の方々は、
何を根拠に、誰に勧められて、このような奇天烈な使用方法を実践しているのか?
もし、ギターアンプシミュレーターをライブで使用したいと思ったら、
なるべくフラットな音響特性の、PA用パワードスピーカー等の使用をオススメいたします。
あるいは、ギターアンプシミュレーターの 「アンプシミュレート機能」 をオフ にしたうえで、
ジャズコーラスのような、比較的クリーンサウンドが得意のギターアンプを使って鳴らすことを
オススメしたいと思いますな。
大きなお世話ながら、もう一言。
歪んだ音色でエレキギターを弾けば、たしかに 「上手くなった」 気がします。
しかし、それは間違いなく 「勘違い」 です!
「歪まない音」 で完璧にフレーズが弾けるまで反復練習を繰り返すことこそが、
結果的にロックギター上達への近道となります。
なんてな。