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妹が小学生の時のこと。(1990年の頃)
その時、わたしの町は、アスファルトの道一本しかなかった。
妹が学校帰りに大通りを出、路地に入った。土の道が
大雨で泥だらけになっていた。
妹は、よく気をつけて歩いた。
妹は浅く見える泥道の所を踏み、
足を出したら、やっぱり、両足の靴がともになくなった。
泥の中に沈んでしまった。
妹はどうしようもなくて裸足のまま泣きながら帰った。
「真新しい靴だったよ!!」と妹は2006年の8月そのことを思い返して
わたしに悔しそうに呟く。
妹が家へ帰って庭の門のところで父親と
会って、「靴が泥の中に入ってしまってなくなった!」
と泣きながら訴えた。
父親はすぐ、裸足の妹をそのまま自転車の後ろに乗せて、
靴を探しに行った。
泥道のあたり、棒でつついたり、かき回したりして探したが、
結局見つからなかった。
そのまま家へ帰った。
2006年8月、母親がそのことを思い返し、
独り言のように言っていた。「裸足の妹を部屋へ入らせず
そのままつれて靴探しに行ったよ!お父さんは。まったくね。
雨の日足が寒いでしょう。先にセナ(妹)の靴下を脱がし、
お湯で足を洗ってあげるとよかったのに。暖かくなるでしょう!」
母親はまるで昨日起こったことのようにわたしに文句言っていた。
祖母の手作りの花模様の綺麗な靴だった。
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