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マ 「何や言うとったなあ、知った振りするな、ナーーンも知らん顔せぇ、てな。Cヤン、口は悪いけど、よーう物知っとるもんなあ。熊みたいなイカツイ身体に、鬼瓦みたいな顔しとるけど、ああ見えて、結構、親切なとこあるしなあ。金無いのと、奥さん恐いのが、玉にキズやけどなあ。でも、おそのさんは特別やもんな。なんちゅうても、得意技がウエスタンラリアットやもんな。それも至近距離から思いっきし行きよるもんな。あれ、Cヤンやからもっとるけど、ワタイらやったら、一撃やで。首、コキンちゅうたら仕舞いや。ホンマ、ジャガー横田か、おそのさんか、やなあ。・・・アレッ!! 気付いたら、太融寺まで来てもうたがな。こらアカン!! 早、戻ろ。」
マ 「よし、この店でやったろ。無駄な事、しゃべんな、ちゅうとったなあ。」
マ 「・・・・・・・・」
K 「へい、いらっしゃい。」
マ 「・・・・・・・・」
K 「・・・・???何ぞ御用でっか?」
マ 「・・・・・・・・」
K 「冷やかしやったら、あっち行き!!!」
マ 「アカン、アカン、なんぼ無駄な事しゃべるな、ちゅうても、何もしゃべれへんかったら、何しに来たか分からんもんなあ。オッサン怒ってまいよったわ。隣の店行ったろ。」
マ 「ミセテ。」
K 「はい、いらっしゃいませ。」
マ 「シロジ、アオ、サラ。」
K 「ワタシ エイゴ シャベレマセーーン。」
マ 「ワタシ ニホンジン デーーース。」
K 「なんや日本人かいな。」
マ 「いやーー、スンマセン。いらんこと言うな、ちゅわれたもんでっさかい。」
K 「いることしゃべってもらわんと、用件分かりまへんがな。ほんで、何のようでっか?」
マ 「いやスンマヘンなあ、その白地に青い模様の皿、見せてもらえまっか。」
K 「あっ、この伊万里ですか。」
マ 「サイナラ。・・・・・アカン、アカン、伊万里ですか、って、知っとるんがな、あのオッサン。Cヤン、知ってるヤツはアカン、ちゅうとったなあ。知らんヤツ探さんと。この店行ったろ。・・・スンマセン、その白地に青い模様の皿見せてか。」
K 「ああ、この平戸ですか。」
マ 「サイナラ。・・・あいつも知っとんがな。こらアカン。どうも皿は分かり易いみたいやなあ。こら他の物で行ったろ。・・・おう、スマンな、その白地に青の模様の、チャウチャウ、皿ちゃう。皿はお前ら、よう知っとる。皿はアカン。その横や、横! その横におるやろ、壷、横にした、そうそう、その大きい口のニュウーーッと突き出た、取っ手の付いた、そう、それそれ、それ! それ一体いつごろのどこの物や?」
K 「ウチは初荷出し専門じゃ、品物のことは、お前さんらの方がよう、知っとるやろ!!」
マ 「来た来た、来たでーーーーっ!! これこれこれ、これ待っててんや!!エエぞーー。親爺それでエエぞ、それで!!」
K 「何をグジャグジャ言うとるんじゃ!!」
マ 「イヤイヤ、かめへん、かめへん、あんたは気にせえでエエ。こっちのこっちゃ。それにしても、恐いオッサンやのう。Cヤンが買うた店とは、エライ違うなあ。ほんで、オッサン、その壷はいくらや?」
K 「まあ、随分、変わったカッコしとるんでなあ、25000円がとこ、もらおかいのう。」
マ 「ナニーーーッ!! 25000円!!エライこと言いよるなあ。オーーーイ、そらなんぼなんでも、言い過ぎやろ。」
K 「おまさんら、そう言うがな、ワシが3万で買うとるんじゃ。それまだ、5000円がとこ引いとるんやぞ。文句言うんやったら、帰れ!!」
マ 「イヤ、何もそない言わんでも・・・・そうですか、3万で買うた物を25000円ですか、そうですか・・・そこんところ、もうチョット何とか・・・」
K 「ナラン!!!」
マ 「あっ、なりませんか・・・・」
K 「初荷出し屋して長いが、こんな物、今まで見た事無い。どう考えても、天下一の珍品じゃ。1円もまからん!!グジャグジャ言うんやったら、家帰って、屁こいて、寝え!!!」
マ 「エライ、ガラ悪いやっちゃなあ。家帰るんは、帰るけど、屁こいて寝ようが、クソして風呂入ろうが、ほっといてくれ。ブツブツブツブツ・・・・・」
K 「ナーーーに、ブツブツ言うとるんじゃぁ!!! いるのか、いらんのか、どっちや!!!!」
マ 「いります!!! 買いますよ、買いますよ、買やエエんでしょ、買やあ。はい、25000円。もう財布スッカラカンや。25000円も出してんや、チャンと包んでや。ウワーーーッきちゃない新聞紙やなあ。クチャクチャのホコリまみれや。何年の新聞や?昭和35年!?安保の年やがな。古ーーーーっ!ウワーーーッそれで包むかぁ。きちゃなあ。ウワッ、ばちゃばちゃて、くるむだけかいな。ウワーーッこれ持ってかえるんの、これ。また袋がきちゃない。犬のウンコ入れる袋の方が、まだましやで。ウワーーーーッ。」
マ 「Cヤン、Cヤン、これ見てみ! 天下の珍品やで!!」
C 「ウワーーーッ!汚い包み持っとんのう。ウワーーーッ、寄って来よんぞ。」
マ 「Cヤン見てみ、これ。初荷出し屋のオッサン、未だかつて見た事無い物や、言うとったぞ。」
C 「お前、なんちゅうもん買うんや。」
マ 「エッ、これアカン物か?」
C 「イヤ、贋物ではないけどやなあ、お前、これ何に使う物か知ってるか??」
マ 「エーーーッ、花生け違うん。」
C 「アホ!! こんな取っ手の付いた花生けあるかい!! こら尿瓶じゃ!!」
マ 「エーーッ、尿瓶! 尿瓶て、あのオシッコ取る尿瓶かいな。」
C 「それ以外に尿瓶があるかい!! 早、返してこい!!」
マ 「ほうか、尿瓶かぁ。どうりで、中、臭いと思たわ。そういうたらオッサンも指先でつまんどったもんなあ。おっかしいなあ、と思たんや・・・・オーーーイ、オッサーーーン、こんな物いらんわい。」
K 「何や、何や、何か文句あんのか?」
マ 「文句あんのか、ちゃうわい。オッサン、こら尿瓶やないか!!」
K 「そうか、尿瓶か。ハッハッハッ、こらオモロイ!!」
マ 「何言うとんじゃ、ちょっともオモンナイわい!!こんな物、返品じゃ!!」
K 「そうか、やっぱり来ると思たわい。」
マ 「なんでや。」
K 「尿瓶だけに、小便は付きもんじゃ!!」
ドンドン、チャカチャンリンチャンリン、ドンドーーーーン、お粗末!!!!!
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