ガウスの歴史を巡るブログ(その日にあった過去の出来事)

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明治時代

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 今日は、明治時代中頃の1890年(明治23)に、「府縣制」(明治23年法律第35号)が公布された日です。
 「府縣制(ふけんせい)」は、「大日本帝国憲法」の下での地方行政制度を定めた法律で、「郡制」(明治23年法律第36号)と同じ日に出されました。
 地方公共団体である府県(郡市町村を包括する団体)の権限・地位を規定したもので、当初は「直接國税十圓以上ヲ納ムル者ハ府縣會ノ被選權ヲ有ス」(第4条)とされた制限選挙で選ばれた議員によって構成される府県会と知事(官選の官吏)と府県高等官および府県会議員の中から選出された名誉職参事会員による府県参事会を自治の主体としています。
 「此法律ハ郡制市制ヲ施行シタル各府縣ニ施行スルモノトス」(第94条)とされたため、「郡制」「市制」の再編の遅れから、1891年(明治24) 7月1日に 長野県、8月1日に青森県、秋田県、山形県、福井県、徳島県、大分県、9月1日に徳島県、高知県、10月1日に石川県、山梨県の実施といった状況で遅々として進まず、1899年(明治32)3月16日に「郡制」とともに「府県制」も全部改正されてようやく北海道と沖縄県を除く全府県に施行されました。
 その後、数次の改正で選挙・被選挙権の制限枠が緩められ、議会権限拡大も図られていきます。1926年(大正15)には、衆議院議員選挙と同様に府県会議員選挙に、納税額による選挙権・被選挙権制限を撤廃(普通選挙制度)するための改正が実施され、1929年(昭和4)の改正では、府県に条例および規則の制定権が与えられました。
 しかし、太平洋戦争後の1947年(昭和22)5月3日の「日本国憲法」と「地方自治法」の施行によって「市制」、「町村制」、「東京都制」と共に廃止されています。
 以下に、「府縣制」(明治23年法律第35号)を全文掲載しておきますので、ご参照下さい。

〇「府縣制」(明治23年法律第35号)

 第一章 總則

第一條 府縣ノ廢置分合及府縣境界ノ變更ハ法律ヲ以テ之ヲ定ム
 府縣境界ニ當ル郡市町村ノ境界ヲ変更スルトキハ府縣境界モ亦自ラ變更スルモノトス
 本條ノ處分ニ付財産處分ヲ要スルトキハ内務大臣之ヲ定ム但特ニ法律ノ規定アルモノハ此限ニ在ラス

 第二章 府縣會

第二條 府縣會ハ府縣内郡市ニ於テ選擧シタル議員ヲ以テ之ヲ組織ス
 郡市ニ於テ選挙スヘキ府縣會議員ノ定數ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム但各郡市ヲシテ少クトモ一人ノ議員ヲ選挙セシムヘシ

第三條 府縣會議員ノ選擧ハ市ニ在リテハ市會及市参事會同シ市長ヲ會長トシ郡ニ在リテハ郡會及郡参事會同シ會長トシ左ノ規定ニ依リ之ヲ行フヘシ但會長ハ投票ニ加ハラサルモノトス
 一 投票ハ選擧人自ラ會長ノ面前ニ於テ之ヲ投票函ニ投入ス
 二 左ノ投票ハ之ヲ無効トス
  一 記載セル人名ノ讀ミ難キモノ
  二 被選權ノ何人タルヲ確認シ難キモノ
  三 被選權ナキ人名ヲ記載スルモノ
  四 被選人氏名ノ外他ノ文字ヲ記入スルモノ但爵位職業身分住所又ハ敬稱ハ此限ニ在ラス
  本項一ヨリ三ニ至ルノ場合ニ於テ票中他ニ列記ノ被選人ニ付テハ仍其効アリトス
 三 有効投票ノ多數ヲ得タル者ヲ以テ當選トス投 票ノ數相同キモノハ年長者ヲ取リ年齢相同キトキハ會長自ラ抽籤シテ其當選ヲ定ム

第四條 府縣内市町村ノ公民中選擧權ヲ有シ其府縣ニ於テ一年以來直接國税十圓以上ヲ納ムル者ハ府縣會ノ被選權ヲ有ス
 住居ヲ移シタル爲市町村ノ公民權ヲ失ヒタル者其住居同府縣内ニ在リ且他ノ要件ヲ失ハサルトキハ仍府縣會ノ被選權ヲ有ス
 其府(東京府ハ警視廳トモ)縣ノ官吏及有給吏員神宮諸宗ノ僧侶又ハ教師ハ府縣會議員タルコトヲ得ス
 前項ノ外ノ官吏ニシテ當選シ之ニ應セントスルトキハ本屬長官ノ許可ヲ受クヘシ
 府縣會議員ハ衆議院議員ト相兼ヌルコトヲ得ス

第五條 府縣會議員ハ名譽職トス其任期ハ四年トシ毎二年其半數ヲ改選ス若其員數二分シ難キトキハ初會ニ於テ多數ノ一半ヲ解任セシム初會ニ於テ解任スヘキ者ハ府縣會議長府縣會ニ於テ自ラ抽籤シテ之ヲ定ム
 解任ノ議員ハ再選セラルヽコトヲ得

第六條 議員中闕員アルトキハ遅クトモ六箇月以内ニ補闕選擧ヲ行フへシ
 補闕議員ハ其前任者ノ残任期間在職スルモノトス

第七條 府縣會議員ノ選擧ハ府縣知事ノ告示ニ依リ之ヲ行フへシ其告示ハ遅クトモ選擧ノ日ヨリ十四日前ニ之ヲ發スへシ

第八條 選舉ヲ終リ當選人ノ定マリタルトキハ郡長市長ハ直ニ當選人ニ通知シ及府縣知事ニ報告スへシ
 當選人其當選ノ通知ヲ受ケタルトキハ五日以内ニ其當選ヲ承諾スルヤ否ヲ府縣知事ニ届出へシ
 一人ニシテ數箇所ノ選擧ニ當リタルトキハ同期限内ニ何レノ選擧ニ應スへ キコトヲ府縣知事ニ届出へシ
 前二項ノ届出ヲ其期限内ニ爲サヽルトキハ總テ選擧ヲ辭スル者ト視做スへ シ

第九條 當選人其當選ヲ辭シ又ハ承諾ノ届出ヲ爲サヽルトキハ府縣知事ハ其郡市ヲシテ十日以内ニ更ニ選擧ヲ行ハシムへシ

第十條 當選人確定シタルトキハ府縣知事ハ直ニ當選證書ヲ付與シ及管内ニ告示スへシ

第十一條 選擧人選擧ノ効力ニ關シテ訴願セントスルトキハ選擧ノ日ヨリ十四日以内ニ之ヲ府縣知事ニ申立ルコトヲ得

第十二條 當選人其當選ノ際資格ノ要件ヲ有セサリシコト發覺スルトキハ其當選ヲ無効トス
 當選人當選後資格ノ要件ヲ失フトキハ議員ノ職ヲ失フモノトス

第十三條 府縣會ニ於テ其議員中議員ノ資格ヲ有セサル者アルコトヲ發見ス ルトキハ其議決ヲ以テ之ヲ府縣知事ニ通知スへシ

第十四條 府縣會議員被選權ノ有無及選舉ノ効力ハ府縣參事會之ヲ裁決ス
 府縣参事會ノ裁決ニ不服アル者ハ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得

第十五條 府縣會ノ議決スへキ事件左ノ如シ
 一 府縣ノ歳入出豫算ヲ定ムル事
 二 決算報告ヲ認定スル事
 三 府縣税ノ賦課徴収方法ヲ定ムル事
 四 府縣有不動産ノ賣買交換讓渡讓受竝ニ質入書入ノ事
 五 歳入出豫算ヲ以テ定ルモノヲ除ク外新ニ義務ノ負擔ヲ爲シ及權利ノ 棄却ヲ爲ス事
 六 府縣有財産ノ管理及營造物ノ維持方法ヲ定ムル事
 其他法律命令ニ依リ府縣會ノ權限ニ屬スル事項ヲ議決ス

第十六條 府縣會ハ其權限ニ屬スル事件ヲ府縣参事會ニ委任スルコトヲ得

第十七條 府縣會ハ官廳ノ諮問アルトキハ意見ヲ陳述スへシ
 府縣會ハ其府縣ノ全部又ハ一部ノ公益ニ關スル事件ニ付府縣知事又ハ内務大臣ニ建議スルコトヲ得

第十八條 府縣會議員ハ選擧八ノ指示若ハ委嘱ヲ受クへカラサルモノトス

第十九條 府縣會ハ改選後ノ初會ニ於テ議長及副議長各一名ヲ互選スへシ其任期ハ議員ノ任期ニ従フ
 議長副議長其ニ故障アルトキハ臨時議長ヲ互選スへシ

第二十條 府縣知事若ハ特ニ知事ノ委任ヲ受ケタル府縣ノ官吏若ハ史員ハ府縣會ノ議事ニ参與スルコトヲ得但議決ニ加ルコトヲ得ス
 前項ノ列席者ニ於テ發言ヲ求ムルトキハ議長ハ何時ニテモ之ヲ許スへシ

第二十一條 府縣會ハ毎年一回秋季ニ於テ通営會ヲ開ク通常會ノ會期ハ三十日以内トス其他必要アルトキハ其事件ニ限リ七日以内ヲ會期トシテ臨時會ヲ開クコトヲ得
 府縣會ハ府縣知事之ヲ招集ス其招集ハ開會ノ日ヨリ十四日前迄ニ告示スへシ但急施ヲ要スル場合ハ比限ニ在ラス
 府縣會ハ府縣知事之ヲ開閉ス

第二十二條 府縣會ハ議員三分ノ一以上出席スルニ非サレハ會議ヲ開キ議決 ヲ爲スコトヲ得ス

第二十三條 府縣會ノ議決ハ過牛数ニ依ル可否同數ナルトキハ議長ノ決スル所ニ依ル

第二十四條 議員ハ自己及其父母兄弟若ハ妻子ノ一身上ニ關スル事件ニ付テ ハ會議ノ承諾ヲ經ルニ非サレハ府縣會ノ議事ニ参與シ及議決ニ加ハルコト ヲ得ス

第二十五條 府縣會ニ於テ選擧ヲ行フトキハ第三條ノ規定ニ依ルへシ

第二十六條 府縣會ノ會議ハ公開ス但左ノ場合ハ比限ニ在ラス
 一 府縣知事ヨリ傍聴禁止ノ要求ヲ受ケタルトキ
 二 議長又ハ議員五名以上ノシ議ニ由リ傍聴禁止ヲ可決シタルトキ
議長又ハ議員ノ發議ハ討論ヲ用非スシテ其可否ヲ決スヘシ

第二十七條 東京府京都府大阪府府會ノ職權ニ屬スル事件ニシテ專ラ東京市京都市大阪市ニ關スルモノト専ラ其他ノ部分ニ關スルモノト分別スルコトヲ要スルモノアルトキハ府會ノ議決ニ依リ之ヲ分別スルコトヲ得
 前項ノ分別ニ依リ專ラ東京市京都市大阪市ニ關スルモノハ其郡部議員ニ於テ其事件ノ議事ニ参與シ及議決ニ加ハルヨトヲ得ス其他ノ部分ニ關スルモノハ市部議員ニ於テ其事件ノ議事ニ参與シ及議決ニ加ルヨトヲ得ス此場合ニ於テハ郡部議員市部議員ニ於テ各臨時議長ヲ互選スへシ
 比法律中東京府京都府大阪府府會ノ市部議員トアルハ東京市京都市大阪市市會ニ於テ選擧シタル議員ヲテセ郡部議員トアル東京市京都市大阪市ヲ 除牛其他ノ部分ニ於テ選擧シタル議員ヲ云フ

第二十八條 議長ハ議事ノ順序ヲ定メ會議及選擧ノ事ヲ總理シ其日ノ會議ヲ開閉シ竝ニ延會シ議場ノ秩序ヲ保持ス

第二十九條 議員ハ會議中無禮ノ語ヲ用井及他人ノ身上ニ渉リ言論スルコト ヲ得ス

第三十條 會議中此法律若ハ議事規則ニ違ヒ其他議場ノ秩序ヲ紊ル議員ア ルトキハ議長ハ之ヲ警戒シ又ハ制止シ又ハ發言ヲ取消サシム命ニ從サル トキハ議長ハ當日ノ會議ヲ終ルマテ發言ヲ禁止シ又ハ議場ノ外ニ退去セシムへシ若強抗ニ渉ル者アルトキハ警察官ニ命シテ之ヲ退去セシムルヨトヲ得
議場騒擾ニシテ整理シ難キトキハ議長當日ノ會議ヲ中止シ又ハ之ヲ閉ツルコトヲ得

第三十一條 議員中議場ノ秩序ヲ紊ルコト二回以上ニ及フ者アルトキ議長又ハ議員ノ發議ニ依リ議會ノ議決ヲ以テ七日以内其出席ヲ停止スルヨトヲ得

第三十二條 會議ノ傍聴人公然可否ヲ表シ又ハ喧騒ニ渉リ其他議事ノ妨害ヲ爲ス者アルトキハ議長ハ之ヲ制止シ若命ニ從ハサルトキハ警察官ニ命シテ之ヲ退場セシムルコトヲ得
 傍聴席騒擾ナルトキハ議長ハ總テノ傍聴人ヲ退場セシムルコトヲ得

第三十三條 府縣知事若特ニ其委任ヲ受ケタル官吏若吏員及議員ハ議場ノ秩序ヲ紊リ又ハ議場ノ妨害ヲ爲ス者アルトキハ議長ノ注意ヲ喚起スルヨ トヲ得

第三十四條 第三十條第三十二條ニ依リ議長ノ命ニ應セシムル爲府縣知事(東京府ハ警視總監)ハ毎會期警察官ニ議場掛専務ヲ命スへシ

第三十五條 府縣會ニ書記ヲ置キ議長ニ隷屬シテ庶務ヲ掌理セシム
書記ハ議長之ヲ選任ス

第三十六條 府縣會ハ書記ヲシテ議事録ヲ製シ議決及選擧ノ顚末竝ニ出席議 員ノ氏名ヲ記録セシムへシ議事録ハ議長及議員二名以上之ニ署名スへシ其議員ハ會議ノ前議會ニ於テ豫メ之ヲ定メ議事録中ニ其氏名ヲ記載シ置クヘシ

第三十七條 府縣會ハ議事規則及傍聴人取締規則ヲ設ケ内務大臣ノ認可ヲ受テ之ヲ施行スへシ

 第三章 府縣參事會吏員及委員

第三十八條 府縣ニ府縣參事會ヲ置キ府縣知事高等官二名及名譽職參事會員ヲ以テ之ヲ組織ス
 府ノ名譽職参事會員ハ八名トス郡部議員ニ於テ其議員中ヨリ四名ヲ互選シ市部議員ニ於テ其議員中ヨリ四名ヲ互選スへシ
 縣ノ名譽職参事會員ハ四名トス縣會ニ於テ其議員中ヨリ之ヲ互選スへシ

第三十九條 府縣参事會員タル高等官ハ府縣廳ニ奉職ノ高等官中ヨリ内務大臣之ヲ命ス

第四十條 府縣参事會ハ府縣知事ヲ以テ議長トス議長故障アルトキハ高等官會員之ヲ代理ス

第四十一條 府縣會ハ毎通常會ニ於テ名譽職参事會員ノ補充員府ハ八名縣ハ四名ヲ互選シ其名譽職参事會員ノ闕員アルトキハ府縣知事ニ於テ補充員中投票多數ノ順次ニ依リ之ヲ補充スへシ但其既ニ補充シタル者ハ前任者ノ任期中在職スルモノトス

第四十二條 名譽職参事會員ノ任期ハ議員ノ任期ニ從フ但任期滿限ノ後ト雖後任者就職ノ日マテ在職スルモノトス  名譽職會員ハ補充員ヲ以テ其闕員ヲ補充シ仍闕員弓生シタル場合ニ於テハ二箇月以内ニ臨時其選擧ヲ行フヘシ

第四十三條 府縣參事會ノ職務權限左ノ如シ
 一 府縣會ノ權限ニ關スル事件ニシテ其委任ヲ受ケタルモノヲ議決スル事
 二 府縣會ノ權限ニ屬スル事件ニシテ臨時急施弓要シ府縣知事ニ於テ府縣會ヲ招集スルノ暇ナシト認ムルトキ府縣會ニ代テ議決ヲ爲ス事
 三 府縣會ノ定メタル方法ノ範圍内ニ於テ府縣有財産ノ管理又ハ營造物ノ維持ニ關シ必要ナル事件ニ付議決ヲ爲ス事
 四 府縣ノ費用ヲ以テ支辨スル工事ノ次第順序其他必要ナル事件ニ付議決ヲ爲ス事
 五 府縣知事及其他官廳ノ諮問ニ對シ意見ヲ述フル事
 六 府縣知事ヨリ發スル府縣會議案ニ付府縣知事ニ意見ヲ述ヘ及會議ニ報 告スル事
 七 臨時必要アルトキ府縣ノ出納ヲ檢査スル事
 其他法律命命ニ依リ府縣參事會ノ權限ニ屬スル事務ヲ處理ス

第四十四條 府縣参事會ハ府縣知事之ヲ招集ス
 會員半數以上ノ請求アルトキハ府縣知事ハ府縣参事會ヲ招集スへシ

第四十五條 府縣参事會ノ會議ハ傍聴ヲ許サス

第四十六條 府縣參事會ハ議長又式其代理者及名譽職會員半數以上出席スルニ非サレハ。會議ヲ開キ議決ヲ爲スルコトヲ得ス但第四十三條第三ノ議決ヲ爲ストキハ高等官會員ハ其議決ニ加ハラサルモノトス
 府縣参事會ノ議決ハ過半數ニ依ル可否同數ナルトキハ議長ノ決スル所ニ依ル
 議決ノ事件ハ之ヲ議事録ニ登記シ議長及名譽職參事會員二名以上之ニ署名スへシ

第四十七條 府縣參事會員自己及其父母兄弟若妻子ノ一身上ニ關スル事件ニ付府縣参事會ノ議事ニ参典シ及議決ニ加ハルコトヲ得ス
 前項規定ノ爲出席ノ参事會員減少シテ前條第一項ノ數ヲ得サルトキハ府縣知事ハ補充員ヲ以テ臨時之ニ充テ仍其數ヲ得サルトキハ府縣會議員ニシテ該事件ニ關係ナキ者ノ内ヨリ臨時ニ指名シ名譽職參事會員ノ不足ヲ補充シテ第三十八條ノ定數ニ滿タシムへシ

第四十八條 市制町村制ノ規定ニ依リ府縣參事會ノ權限ニ屬スル事件ニシテ二府縣以上ノ郡市町村ニ交渉スルモノアルトキハ其府縣知事ノ具状ニ依リ内務大臣ニ於テ其事件ヲ管轄スへキ府縣参事會ヲ指定スへシ

第四十九條 東京府京都府大阪府参事會ノ職權ニ屬スル事件ニシテ専ラ東京市京都市大阪市ニ關スルモノハ其郡部名譽職参事會員ニ於テ其事件ノ議事ニ参與シ及議決ニ加ハルコトヲ得ス其東京市京都市大阪市外ノ市町村若ハ郡ニ關スルモノハ市部名譽職参事會員ニ於テ其事件ノ議事ニ参與シ及議決ニ加ハルコトヲ得ス
此法律中東京府京都府大阪府府會ノ市部名譽職参事會員トアルハ市部議員ニ於テ選擧シタル名譽職参事會員ヲ云ヒ郡部名譽職参事會員トアル郡部議員ニ於テ選擧シタル名譽職参事會員ヲ云フ

第五十條 府縣知事ハ府縣會及府縣参事會ノ議決ヲ施行シ及府縣有財産及營造物ヲ管理シ竝ニ府縣ノ費用ヲ以テ支辨スル工事ヲ執行ス
 府縣ニ於テ他人ニ對シ義務ヲ負擔スへキ證書及委任状ニハ知事ノ外名譽職参事會員二名以上之ニ署名捺印スへシ
 前項ノ文書中府縣會又ハ参事會ノ職權ニ屬スル事件ニシテ其議決ヲ經タルモノハ總テ其旨ヲ記入スへシ

第五十一條 府縣會ニ於テ名譽職参事會員ヲ選擧セス又ハ参事會成立セス又ハ招集ニ應セサルトキハ参事會成立シ又ハ招集ニ應スル迄府縣知事ハ府縣参事會ノ權限ニ屬スル事件ヲ専決處分スルコトヲ得
 非常事變ニ際シ府縣参事會ヲ招集スルノ暇ナク又ハ名譽職参事會員ノ出席半數以上ニ至ラサルトキハ府縣知事ハ府縣参事會ノ權限ニ屬スル事件ヲ専決處分スルコトヲ得

 本條ノ處分ハ次回ノ府縣會會議ニ於テ之ヲ報告スへシ

第五十二條 府縣知事ハ府縣會ノ議決ニ依リ府縣ノ費用ヲ以テ府縣有財産又營造物ノ管理若ハ土木工事ニ必要ナル有給ノ府縣吏員ヲ置クコトヲ得但府縣吏員ハ府縣知事ニ於テ之ヲ任免監督ス
 府縣吏員ノ給料手當退隠料等ハ府縣會ノ議決スル所ニ依ル其身元保證金ヲ 要スルトキ其金額ヲ定ムルモ赤同シ

第五十三條 府縣知事ハ府縣會ノ議決ヲ經テ臨時又ハ常設ノ委員ヲ置キ府縣事務ノ一部ヲ調査セシメ又府縣有財産及營造物ノ一部ヲ管理セシムルコトヲ得其選舉又選任ノ方法及任期ハ府縣會ノ議決スル所ニ依ル
委員ハ名譽職トス

 第四章 府縣ノ會計

第五十四條 府縣有財産及營造物管理ノ費用府縣會府縣參事會及委員ノ費用府縣吏員ノ給料退隱料其他諸給與及從來法律命令若ハ式慣例ニ依リ竝ニ將來法律勅令ニ依リ府縣ノ負擔ト定ムル事件ノ費用ハ府縣ニ於テ之ヲ支辨スヘシ

第五十五條 名譽職参事會員及委員ニハ旅費滞在手當及出務日當ヲ給スルコトヲ得府縣會議員ニハ旅費及滞在手當ニ限リ之ヲ給スルコトヲ得但滞在手當出務日當ヲ併セ一日一圓五十銭ヲ超ニルコトヲ得ス

第五十六條 府縣ノ支出ハ府縣税其他府縣ノ収入ヲ以テ之ニ充ツ

第五十七條 府縣税目及其賦課徴収方法ニ關スル規定ハ此法律ニ依リ變更シ タルモノヲ除クノ外從前地方税ニ關スル規定ニ依ル

第五十八條 府縣知事ハ府縣會ノ議決ニ依リ内務大臣及大蔵大臣ノ許可ヲ受ケ其府縣ノ全部若ハ市制施行ノ地ニ家屋税ヲ賦課スルコトヲ得但家屋税 賦課ノ地ニ於テハ戸數割ヲ賊課スルコトヲ得ス

第五十九條 府縣内ニ土地家屋ヲ所有シ又ハ店舗ヲ定メテ營業ヲ爲ス者ハ其土地家屋營業ニ對シテ賦課スル府縣税ヲ納ムルモノトス其法人タルトキモ亦同シ但郵便電信及官設鐵道ノ業ハ比限ニ在ラス
府縣内ニ一戸ヲ構へ三箇月以上ニ及フ者ハ其戸數ニ對シテ府縣税ヲ納ムルモノトス但其課税ハ一戸ヲ構へタル初ニ遡リ徴収スへシ

第六十條 府縣税ノ賦課ニ付テハ納税者カ其府縣外ニ於テ店舗ヲ定メタル營業ノ収入ヲ其標準ニ算入スルコトヲ得ス

第六十一條 府縣會ハ各市町村内ニ於テ徴収スル府縣税賦課ノ細目ニ係ル事項ヲ關係市町村會ノ議決ニ付スルコトヲ得

前項市町村會ノ議決法律命令又府縣會ノ議決ニ抵觸スルコトヲ得ス

市町村會ニ於テ府縣會ノ指定シタル期限内ニ其議決ヲ爲サヽルトキ府縣参事會之ヲ議決スへシ

第六十二條 營業ノ状況又ハ収入ヲ標準トシテ賦課スル府縣税ニ付テハ府縣知事ハ府縣會ノ議決ヲ經テ賦課額調査ノ爲其府縣内郡市ニ調査委員ヲ置クコトヲ得

第六十三條 府縣税ノ免除ハ市町村税免除ノ規定ニ依ル

第六十四條 府縣會ハ府縣内郡市町村ノ土木工事又ハ府縣内ノ教育衛生勸業及慈善ノ事業若ハ營造物ニ對シ補助金ヲ與フルコトヲ議決スルコトヲ得

第六十五條 府縣會ハ家屋税又ハ戸數割ノ全部又ハ一部ノ代納トシテ府縣ノ費用ヲ以テ支辨スル事業ニ對シ夫役又ハ現品ヲ出スヲ許スコトヲ議決スル コトヲ得

第六十六條 府縣税ハ納税義務ノ起リタル翌月ノ初ヨリ免税理由ノ生シタル月ノ終迄月割ヲ以テ之ヲ徴収スへシ但日割ヲ以テ徴収スルモノハ比限ニ在 ラス
納税義務消滅シ又ハ變更スルトキハ納税者ヨリ之ヲ當該官廳ニ届出へシ其届出ヲ爲シタル月ノ終迄ハ從前ノ税ヲ徴収スへシ
物件ヲ目的トシ納期ヲ定メテ一定ノ額ヲ賦課スル府縣税ハ其納期ニ於テ納税義務ヲ負フ者其額ヲ納ムへシ
府縣税ノ前納ニ係ルモノハ其義務ノ消滅シ又ハ他人ニ移轉シタル場合ト雖之ヲ還付セス但其義務ノ移轉ヲ受ケタル者ハ其前納期限ノ終迄納税セサルモノトス

第六十七條 府縣税ハ法律命令ヲ以テ別段ノ規定ヲ設クルモノヲ除クノ外各市町村長ニ於テ市町村税徴収ノ手續ニ依リ之ヲ徴収スへシ

第六十八條 府縣税ノ賦課ニ對シ錯誤アルコトヲ發見シタル者ハ徴税傳令書ノ交付後三箇月以内ニ之ヲ其傳令書ヲ發シタル廳ニ申立ルコトヲ得但申立 ノ爲其納税ヲ拒ムコトヲ得ス

第六十九條 前條ノ申立ヲ爲シタル後二十一日以内ニ其更正ヲ得サルトキ又 ハ其更正ヲ得ルモ之ニ不服ナルトキハ十四日以内ニ郡参事會ニ訴願シ郡参事會ノ裁決ニ不服ナルトキハ其裁決書ヲ交付シ又ハ之ヲ告知シタル日ヨリ十四日以内ニ府縣参事會ニ訴願シ府縣参事會ノ裁決ニ不服ナルトキハ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得但市ニ在テハ府縣参事會ニ訴願シ府縣参事會ノ裁決ニ不服ナルトキハ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得第七十條 府縣税ノ免税若ハ納税延期特別ノ事情アルモノニ限リ府縣知事ニ於テ府縣参事會ノ議決ヲ經テ之ヲ許スコトヲ得
府縣税ノ滯納處分ハ國税滯納處分法ニ依ル

第七十一條 東京府京都府大阪府ニ在テハ府ノ支出ニ充ツヘキ郡部ニ分賦ス其分賦ノ割合ハ府會ニ於テ之ヲ議決シ内務大臣ノ認可ラ受テ施行スへシ
前項市部ノ分賦額市ニ於テ之ヲ市ノ豫算ニ編入シ市税トシテ徴収シ其總額ヲ府金庫ニ納ムへシ郡部ノ分賦額ハ此法律ノ規定ニ依リ之ヲ徴収ス但市部議員ハ其徴収ニ關スル議事ニ参與シ及議決ニ加ラサルモノトス此場合ニ於テ若議長副議長市部議員ナルトキハ郡部議員ニ於テ臨時議長ヲ互選スへシ

第七十二條 市制施行ノ府縣ニ在テハ郡廳舎建築修籍費郡吏員給料旅費及廳費ハ市ヲ除キ其他ノ部分ノミヲシテ其負擔ニ任セシムへシ
前項ノ府縣ニ在テハ其府縣ノ支出費目中市ト其他ノ部分ト利害ノ厚薄ヲ異ニシ均一ノ負擔ニ任セシムルコトヲ得サルモノアルトキハ其費目ニ限リ其一方ノ負擔ヲ増加スルコトヲ得但負擔ノ割合ハ府縣會ニ於テ之ヲ議決シ内務大臣ノ許可ヲ受クへシ若之ヲ許可スへカラスト認ムルトキハ内務大臣之ヲ確定ス
第一項ノ負擔ニ任セシメ及第二項ニ依リ一方ノ負擔ヲ増加スルハ賦課ノ税率ヲ増加スルニ止メ其會計ヲ異ニスルコトヲ得ス但東京府京都府大阪府ニ在テハ前條ニ依ル
前項ニ依リ税率ヲ甓奪好悒税目ハ府縣會ノ議決スル所ニ依ル

第七十三條 府縣内ノ或ル部分ニ對シ特ニ利益アル土木事業ヲ起ストキハ府縣會ノ議決ニ依リ該部分ニ對多通常府縣税賦課ノ外其利益ノ厚薄ニ應シ特ニ夫役現品ヲ増課スルコトヲ得

第七十四條 府縣ハ其舊債元額ヲ償還スル為又ハ天災事變ノ爲巳ムヲ得サル支出又府縣ノ永久ノ利益ト爲ルへキ支出ヲ要スルニ方リ通常ノ歳入ヲ増 加スルトキハ府縣ノ負擔ニ堪へサルノ場合ニ限リ勅令ノ定ムル所ニ依リ府縣會ノ議決ヲ以テ府縣債ヲ起スコトヲ得
府縣債ヲ起スノ議決ヲ爲ストキハ併セテ起債ノ方法利息ノ定率及償還ノ方法ヲ定ムヘシ
府縣債償還ノ初期ハ三年以内ト爲シ年々ノ償還歩合ヲ定メ起債ノ時ヨリ三十年以内ニ還了スへシ
歳入出換算内ノ支出ヲ爲スカ爲必要チル一時ノ借入金ニシテ其年度内ノ収入ヲ以テ償還スへキモノハ本條ノ例ニ依ルノ限ニ在ラス但府縣参事會ノ議決ヲ經ルコトヲ要ス

第七十五條 府縣知事ハ毎年其翌年度ニ係ル歳入出豫算ヲ調製スへシ但府縣ノ會計年度ハ政府ノ會計年度ニ同シ
豫算ハ府縣會ノ議決ニ付スルノ前府縣参事會ノ審査ニ付スへシ若府縣知事 ト府縣参事會ト意見ヲ異ニスルトキハ知事ハ参事會ノ意見ヲ豫算ニ添へ府縣會ニ提出スへシ追加又ハ臨時ノ豫算ニ付テモ亦同シ
内務大臣ハ省令ヲ以テ豫算調製ノ式ヲ定メ竝ニ費目流用ニ關スル規定ヲ設クルコトヲ得

第七十六條 豫算ハ毎年府縣會ノ議決ヲ取リ之ヲ内務大臣ニ報告シ竝ニ府縣ノ公告式ニ依リ其要領ヲ告示スへシ追加又ハ臨時ノ豫算ヲ議決シタル場合ニ於テモ亦同シ
府縣ノ費用ヲ以テ支辨スル事業ニシテ數年ヲ期シ施行スへキモノ又ハ數年ヲ期シテ其費用ヲ支出スへキモノハ府縣會ノ議決ヲ以テ其年期間各年度ノ支出額ヲ定メ繼續費ト爲スコトヲ得
豫算ヲ府縣會ニ提出スルトキハ府縣知事ハ併セテ其府縣有財産表ヲ提出スへシ

第七十七條 歳入出豫算中ニ豫備費ヲ設クへシ像備費ハ府縣知事ニ於テ府縣参事會ノ議決ヲ經テ巳ムヲ得サル豫算外ノ支出又ハ豫算超過ノ支出ニ充ツルコトヲ得但府縣會ノ否決シタル費途ニ充ツルコトヲ得ス

第七十八條 府縣ノ収支命令ハ府縣知事之ヲ發スへシ

第七十九條 會計事務ヲ管理スル官吏ハ前條ノ命令アルニ非サレハ支拂ヲ爲スコトヲ得ス及其命令アルモ支出ノ豫算ナキカ又ハ豫備費支出及費目流用ノ規定ニ依ラサルトキハ支拂ヲ爲スコトヲ得ス

第八十條 決算ハ會計事務ヲ管理スル官吏ニ於テ會計年度後三筒月以内ニ之ヲ府縣知事ニ提出シ府縣知事ハ府縣参事會ヲシテ之ヲ檢査セシメ次回ノ通常府縣會ノ認定三ニ付スヘシ
決算報告書竝ニ之ニ關スル府縣會ノ議決ハ府縣知事ヨリ之ヲ内務大臣ニ報告シ竝ニ決算ハ府縣ノ公告式ニ依リ其要領ヲ告示スヘシ

 第五章監督

第八十一條 府縣ノ行政ハ内務大臣之ヲ監督ス

第八十二條 府縣ノ行政ニ關スル訴願ハ其事件ノ處分若ハ裁決ヲ受ケタル日ヨリ二十一日以内ニ其理由ヲ具シテ内務大臣ニ提出スへシ
此法律ニ指定スル場合ニ於テ府縣知事ノ處分又ハ府縣参事會ノ裁決ニ不服アリテ行政裁判所ニ出訴セントスル者ハ裁決ヲ受ケタル日ヨリ二十一日以 内ニ出訴スへシ
行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得へキ場合ニ於テハ内務大臣ニ訴願スルコト ヲ得ス

第八十三條 内務大臣ハ府縣行政ノ法律命令ニ背戻セサルヤ其事務錯亂澁滯セサルヤ否ヲ監視スへシ内務大臣ハ之カ爲行政事務ニ關シテ報告ヲ爲サシメ豫算及決算等ノ書類帳簿ヲ徴シ竝ニ實地ニ就テ事務ノ現況ヲ視察シ出納ヲ検閲スルノ權ヲ有ス

第八十四條 府縣會又ハ府縣參事會ノ議決公益ヲ害スト認ムルトキハ府縣知事理由ヲ示シテ議決ノ執行ヲ停止シ之ヲ再議セシメ猶其議決ヲ改メサル トキ直ニ内務大臣ニ具状シテ指揮ヲ請フへシ
府縣會又ハ府縣参事會ノ議決其權限ヲ超エ又ハ法律命令ニ背クト認ムルトキハ府縣知事ハ其議決ヲ取消スへシ此場合ニ於テ府縣知事ノ處分ニ不服アルトキハ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得

第八十五條 府縣會又ハ府縣參事會ニ於テ法律命合又ハ慣行ニ依テ府縣ノ負擔ニ關スル行政上又ハ公益上必要ノ費用ヲ否決シ又ハ議決スト雖必要ノ給需ヲ缺クトキハ府縣知事ハ内務大臣ニ具状シ其指揮ヲ請ヒ原案ヲ執行スルコトヲ得但内務大臣ハ原案金額ヲ不相當ト認ムルトキハ原案金額以内ニ於テ適當ノ金額ヲ定メ指揮スルコトヲ得

第八十六條 府縣會招集ニ應セス又ハ成立セサルトキハ府縣知事ハ内務大臣ノ指揮ヲ請ヒ處分スルコトヲ得

前項ノ處分ハ次回ノ會議ニ於テ之ヲ報告スへシ

第八十七條 府縣會又府縣參事會ニ於テ其議決スヘキ議案ヲ議決セス又ハ府縣會ニ於テ招集前正當ノ手續ヲ以テ告知セラレタル議案ヲ第二十一條第一項ニ定メタル期限内ニ議了セサル場合ニ於テ其事緊急ヲ要スルトキハ府縣知事ハ内務大臣ニ具状シ其指揮ヲ請ヒ原案ヲ執行スルコトヲ得但其議決セス又ハ議了セサル議案歳入出豫算ニ係リ内務大臣ニ於テ原案金額ヲ不相當ト認ムルトキハ原案金額以内ニ於テ適當ノ金額ヲ定メ指揮スルコトヲ得

第八十八條 内務大臣ハ府縣ノ歳入出豫算中不適當ノ支出ト認ムル費目アル トキハ之ヲ削除シ及其府縣ノ資力ニ比シ不急ノ支出ト認ムル費目アルトキハ之ヲ削除若ハ滅殺スルコトヲ得此場合ニ於テハ収入科目中ニ就キ之ニ相當スル収入額ヲ滅殺スへシ

第八十九條 府縣會ノ解散ハ勅令ヲ以テス比場合ニ於テ三箇月以内ニ議員ヲ改選スヘシ
前項解散ノ場合ニ於テハ名譽職参事會員モ亦解職スルモノトス
府縣會解散ノ後改選結了ニ至ル迄ノ間急施ヲ要スル事件アルトキハ府縣知事ハ專決處分スルコトヲ得
前項ノ處分ハ次回ノ會議ニ於テ之報告スヘシ

第九十條 左ノ事件ニ關スル府縣會ノ議決ハ内務大臣及大蔵大臣ノ認可ヲ受クルコトヲ要ス
 一 新ニ府縣債ヲ起シ又ハ其額ヲ増加シ若ハ償還ノ方法ヲ變更スル事
 二 地租四分ノ一ヲ超過スル府縣税ヲ土地ニ賦課スル事
 三 法律勅令ノ規定ニ依リ官廳ヨリ下渡ス歩合金ニ對シ支出金額ヲ定ムル事

第九十一條 左ノ事件ニ關スル府縣會ノ議決ハ内務大臣ノ認可ヲ受クルコトヲ要ス
 一 府縣有不動産ノ賣却讓渡竝ニ質入書入ノ事
 二 第七十二條第二項ニ依リ市若ハ其他ノ部分ノ負擔ヲ増加スル事
 三 第七十三條ニ依リ府縣内ノ或ル部分ニ對シ特ニ夫役現品ヲ増課スル事
 四 第七十六條第二項ニ依リ繼續費ヲ定メ及其年期内ニ議決ヲ變更スル事第六章附則

第九十二條 行政裁判所ヲ開設スル迄ノ間此法律ニ依リ行政裁判所ニ屬スル職務ハ現行ノ行政裁判手續ニ從ヒ控訴院ニ於テ之ヲ行フヘシ

第九十三條 市制町村制施行及此法律施行ノ爲定ムル直接税ノ種類ハ此法律ノ施行ニ付テモ亦之ヲ適用ス
市制町村制郡制及此法律施行ノ爲将來ノ諸税ニ付直接税ト爲スヘキモノハ内務大臣及大藏大臣之ヲ告示スへシ

第九十四條 此法律ハ郡制市制ヲ施行シタル各府縣ニ施行スルモノトス其施行ノ時期ハ府縣知事ノ具申ニ依リ内務大臣之ヲ定ル

第九十五條 此法律施行ノ後ハ市制第百三十二條第三ニ定ムル附加税徴収ノ許可ハ東京市京都市大阪市ニ在テ地租七分ノ三、二五(二十八分ノ十三)其他ノ市ニ在テハ其七分ノ一、五(十四分ノ三)ヲ超過スルトキ之ヲ要スルモノトス

第九十六條 府縣内ニ在ル島嶼ノ其本地ニ對スル關係ニ付テハ勅令ヲ以テ特例ヲ設ク
郡制ヲ施行セサル島嶼ヨリ選出スへキ府縣會議員ノ選擧ニ關シテハ別ニ勅令ヲ以テ其制ヲ定ム

第九十七條 明治十三年四月第十五號布告府縣會規則明治十四年二月第八號布告區郡部會規則明治二十二年二月法律第六號府縣會議員選舉規則其他此法律ニ抵觸スル成規ハ此法律施行ノ府縣ニ於テ其施行ノ時期ヨリ總テ之ヲ廢止ス

第九十八條 内務大臣ハ此法律施行ノ責ニ任シ之カ爲必要ナル命令ヲ發布スヘシ

 「Wikisource」より

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 今日は、明治時代前期の1876年(明治9)に、明治天皇行幸で東京の上野公園の開園式が行われた日です。
 上野公園(うえのこうえん)は、東京都台東区にあるある都立公園で、正式名称は上野恩賜公園とされました。上野動物園、東京国立博物館、国立科学博物館、国立西洋美術館、東京都美術館、東京文化会館、東京芸術大学など多くの文化施設があり、都内随一のサクラの名所としても知られ、面積53.2万屬△蠅泙后
 江戸時代は寛永寺の境内でしたが、1868年(慶応4)の彰義隊の戦いで寛永寺の建物が焼失し、その跡地が1873年(明治6)1月15日の公園開設の「明治6年太政官布達第16号」により、同年3月25日には、芝、飛鳥山、深川、浅草と共に最初の5公園の一つとして正式指定されて東京府公園となりました。
 1875年(明治8)に不忍池(しのばずのいけ)周辺も編入され、翌年1月には、東京府から内務省博物局に移管、博物館所属の公園地となります。その後、造営が進められ完成に伴って、同年5月9日に明治天皇行幸で開園式が行われました。
 1877年(明治10)に第1回内国勧業博覧会がこの公園で開催され、以後第3回まで続きます。1882年(明治15)に上野動物園、寛永寺本堂跡に現在の東京国立博物館、1887年(明治20)に美術学校・音楽学校(現在の東京芸術大学)などが開設、移築されました。
 1924年(大正13)には、昭和天皇御成婚記念として不忍池とともに東京市に下賜され、一般に開放されて上野恩賜公園と命名されています。

〇「明治6年太政官布達第16号」1873年(明治6)1月15日

三府ヲ始、人民輻輳ノ地ニシテ、古来ノ勝区名人ノ旧跡地等是迄群集遊観ノ場所 {東京ニ於テハ金龍山浅草寺、東叡山寛永寺境内ノ類、京都ニ於テハ八坂社、清水ノ境内、嵐山ノ類、総テ社寺境内除地或ハ公有地ノ類} 従前高外除地ニ属セル分ハ永ク万人偕楽ノ地トシ、公園ト可被相定ニ付、府県ニ於テ右地所ヲ択ヒ、其景況巨細取調、図面相添ヘ大蔵省ヘ伺出ヘシ

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 今日は、明治時代後期の1911年(明治44)に、文部省編『尋常小学唱歌』第1学年用(20曲)が発行された日です。
 『尋常小学唱歌』(じんじょうしようがくしょうか)は、1911年(明治44)5月8日から1914年(大正3)6月18日にかけて文部省が編集・発行した尋常小学校の各学年別の唱歌の教科書(全6冊)でした。
 1907年(明治40)の「小学校令」改正により、初めて小学校における唱歌が必修教科として位置づけられますが、その最初の教科書として、1910年(明治43)に文部省著作『尋常小学読本唱歌』(全3編)が出版されました。しかし、それと別に並行する形で、文部省が東京音楽学校に編纂を依頼し、編纂委員会における合議により作詞、作曲され文部省著作として、各学年用(全6冊)が順次発行されたものです。
 その特徴は、すべての作品が日本人の作詞・作曲によるものであり、歌詞と旋律が調和した美しい歌曲が系統的に配列され、日本の自然や情景を織り込んだものが多い中で、天皇家や故事に関係するもの、戦争・軍人についてのものも取り入れられていることです。一部変更された歌もありますが、多くが太平洋戦争が終わるまで、小学校で唱歌指導されました。
 中には、「春がきた」、「春の小川」、「茶摘」、「故郷」など現在まで歌い継がれている曲もあり、国民に大きな影響を与えています。
 以下に、『尋常小学唱歌』(全6冊)初版に収録されていた曲を一覧にしておきましたので、ご参照下さい。

〇『尋常小学唱歌』(全6冊)初版の収録曲一覧

・第1学年用(20曲) 1911年(明治44)5月8日発行

1.日の丸の旗 (現在では「ひのまる」)
2.鳩
3.おきやがりこぼし
4.人形
5.ひよこ
6.かたつむり
7.牛若丸
8.夕立
9.桃太郎
10.朝顔
11.池の鯉
12.親の恩
13.烏
14.菊の花
15.月
16.木の葉
17.兎
18.紙鳶の歌
19.犬
20.花咲爺

・第2学年用(20曲)1911年(明治44)6月28日発行

1.桜
2.二宮金次郎
3.よく学びよく遊べ
4.雲雀
5.小馬
6.田植
7.雨
8.蝉
9.蛙と蜘蛛
10.浦島太郎
11.案山子
12.富士山
13.仁田四郎
14.紅葉
15.天皇陛下
16.時計の歌
17.雪
18.梅に鴬
19.母の心
20.那須与一

・第3学年用(20曲)1912年(明治45)3月30日発行

1.春が来た
2.かがやく光
3.茶摘
4.青葉
5.友だち
6.汽車
7.虹
8.虫のこゑ
9.村祭
10.鵯越
11.日本の国
12.雁
13.取入れ
14.豊臣秀吉
15.皇后陛下
16.冬の夜
17.川中島
18.おもひやり
19.港
20.かぞへ歌

・第4学年用(20曲)1913年(大正元)12月15日発行

1.春の小川
2.桜井のわかれ
3.ゐなかの四季
4.靖国神社
5.蚕
6.藤の花
7.曽我兄弟
8.家の紋
9.雲
10.漁船
11.何事も精神
12.広瀬中佐
13.たけがり
14.霜
15.八幡太郎
16.村の鍛冶屋
17.雪合戦
18.近江八景
19.つとめてやまず
20.橘中佐

・第5学年用(21曲)1914年(大正2)5月28日発行

1.八岐の大蛇
2.舞へや歌へや
3.鯉のぼり
4.運動会の歌
5.加藤清正
6.海
7.納涼
8.忍耐
9.鳥と花
10.菅公
11.三才女
12.日光山
13.冬景色
14.入営を送る
15.水師営の会見
16.斎藤実盛
17.朝の歌
18.大塔宮
19.卒業生を送る歌
20.みがかずば
21.金剛石・水は器

・第6学年用(19曲)1915年(大正3)6月18日発行

1.明治天皇御製
2.児島高徳
3.朧月夜
4.我は海の子
5.故郷
6.出征兵士
7.蓮池
8.燈台
9.秋
10.開校記念日
11.同胞すべて六千万
12.四季の雨
13.日本海海戰
14.鎌倉
15.新年
16.国産の歌
17.夜の梅
18.天照大神
19.卒業の歌

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 今日は、明治時代前期の1881年(明治14)に、「小学校教則綱領」が制定された日です。
 「小学校教則綱領」(しょうがっこうきょうそくこうりょう)は、前年に改正された「教育令」に基づいて定められた、小学校の教育内容についての規準で、各教科の目標・内容、時数等が明記されました。
 これによってそれまでまちまちであった各府県あるいは各地方の小学校の教育課程が翌年にかけて、全国的に統一化されることになります。同年には「小学校教員心得」も出され、また、これに準拠して教科書がつくられることになって、1883年(明治16)から教科書の認可制度が開始され、両者を通じて統制が強化されるようになりました。
 小学校を初等科(3年)、中等科(3年)、高等科(2年)の三段階編成とし、教科については、初等科は修身・読書・習字・算術・唱歌・体操、中等科は、修身・読書・習字・算術・唱歌・体操・地理・歴史・図画・博物・物理・裁縫(女子)、高等科は、修身・読書・習字・算術・地理・図画・博物・唱歌・体操・裁縫(女子)・化学・生理・幾何・経済(女子は家事経済)としています。
 特に歴史においては、「歴史ハ中等科ニ至テ之ヲ課シ日本歴史中ニ就テ建国ノ体制、神武天皇ノ即位、仁徳天皇ノ勤倹、延喜天暦ノ政績、源平ノ盛衰、南北朝ノ両立、徳川氏ノ治績、王政復古等緊要ノ事実其他古今人物ノ賢否、風俗ノ変更等ノ大要ヲ授クヘシ凡歴史ヲ授クルニハ務テ生徒ヲシテ沿革ノ原因結果ヲ了解セシメ殊ニ尊王愛国ノ志気ヲ養成センコトヲ要ス」(第15条)とされました。内容を日本史に限定され、建国の体制、神武天皇の即位、仁徳天皇の勤倹、延喜天暦の政績、源平の盛衰、南北朝の両立、徳川氏の治績、王政復古が重視されます。
 この背景には、自由民権運動の抑圧があったとされ、学校は民衆教化の役割を負わされることになりました。各府県では、これに準拠してそれぞれ小学校教則を編成し、文部省の認可を受けて管内に施行することになります。
 以下に、「小学校教則綱領」(明治14年文部省達第12号)を掲載しておきますので、ご参照下さい。

〇「小学校教則綱領」(明治14年文部省達第12号)1881年(明治14)5月4日制定

府県

小学校教則綱領別冊ノ通相定候条此旨相達候事

(別冊)

小学校教則綱領

第一章 小学科ノ区分

第一条 小学科ヲ分テ初等中等高等ノ三等トス

第二条 小学初等科ハ修身、読書、習字、算術ノ初歩及唱歌、体操トス

但唱歌ハ教授法等ノ整フヲ待テ之ヲ設クヘシ

第三条 小学中等科ハ小学初等科ノ修身、読書、習字、算術ノ初歩及唱歌、体操ノ続ニ地理、歴史、図画、博物、物理ノ初歩ヲ加ヘ殊ニ女子ノ為ニハ裁縫等ヲ設クルモノトス

第四条 小学高等科ハ小学中等科ノ修身、読書、習字、算術、地理、図画、博物ノ初歩及唱歌、体操、裁縫等ノ続ニ化学、生理、幾何、経済ノ初歩ヲ加ヘ殊ニ女子ノ為ニハ経済等ニ換ヘ家事経済ノ大意ヲ加フルモノトス

第五条 小学科ノ区分ハ前三条ノ如ク定ムト雖モ土地ノ情況、男女ノ区別等ニ因テハ某学科ヲ増減スルコトヲ得 但修身、読書、習字及算術ハ之ヲ欠クコトヲ得ス

第二章 学期、授業ノ日及時

第六条 小学校ノ学期ハ初等科及中等科ヲ各三箇年トシ高等科ヲ二箇年トシ通シテ八箇年トス

第七条 小学校ニ於テハ日曜日、夏季冬季休業日及大祭日、祝日等ヲ除クノ外授業スヘキモノトス

第八条 小学校授業ノ時間ハ一日五時ヲ以テ度トス

第九条 前三条定ムル所ノ学期、授業ノ日及時ハ土地ノ情況ニ因リ伸縮スルコトヲ得ヘシト雖モ学期ハ初等科ニ於テハ三箇年ヲ下ルヘカラス各等科合シテ八箇年ニ過クヘカラス授業ノ日ハ一年三十二週日ヲ下ルヘカラス又授業ノ時間ハ一日三時ヲ下ルヘカラス六時ニ過クヘカラス

第三章 小学各等科程度

第十条 修身 初等科ニ於テハ主トシテ簡易ノ格言、事実等ニ就キ中等科及高等科ニ於テハ主トシテ稍高尚ノ格言、事実等ニ就テ児童ノ徳性ヲ涵養スヘシ又兼テ作法ヲ授ケンコトヲ要ス

第十一条 読書 読書ヲ分テ読方及作文トス
初等科ノ読方ハ伊呂波、五十音、濁音、次清音、仮名ノ単語、短句等ヨリ始メテ仮名交リ文ノ読本ニ入リ兼テ読本中緊要ノ字句ヲ書取ラシメ詳ニ之ヲ理会セシムルコトヲ務ムヘシ中等科ニ於テハ近易ノ漢文ノ読本若クハ稍高尚ノ仮名交リ文ノ読本ヲ授ケ高等科ニ至テハ漢文ノ読本若クハ高尚ノ仮名交リ文ノ読本ヲ授クヘシ凡読本ハ文体雅馴ニシテ学術上ノ益アル記事或ハ生徒ノ心意ヲ愉ハシムヘキ文詞ヲ包有スルモノヲ撰用スヘク之ヲ授クルニ当テハ読法、字義、句意、章意、句ノ変化等ヲ理会セシムルコトヲ旨トスヘシ
初等科ノ作文ハ近易ノ庶物ニ就テ其性質等ヲ解セシメ之ヲ題トシ仮名ニテ単語、短句等ヲ綴ラシムルヲ初トシ稍進テハ近易ノ漢字ヲ交ヘ次ニ簡短ノ仮名交リ文ヲ作ラシメ兼テ口上書類ヨリ日用書類ニ及フヘシ中等科及高等科ニ於テハ日用書類ヲ作ラシムルノ外既ニ学習セシ所ノ事実ニ就テ志伝等ヲ作ラシムヘシ

第十二条 習字 初等科ノ習字ハ平仮名、片仮名ヨリ始メ行書、草書ヲ習ハシメ其手本ハ数字、十干、十二支、苗字、著名ノ地名、日用庶物ノ名称、口上書類、日用書類等民間日用ノ文字ヲ以テ之ニ充ツヘシ中等科及高等科ニ至テハ行書、草書ノ外楷書ヲ習ハシムヘシ

第十三条 算術 筆算ヲ用フルトキハ初等科ニ於テハ実物ノ計方、加減乗除ノ法、其応用、度量衡、貨幣ノ名義及其計算ノ法ヲ学ハシムヘク中等科ニ於テハ之ニ継クニ数ノ性質及分数、小数、比例ヲ以テシ高等科ニ至テハ比例、百分算、開平、開立及求積等ヲ学ハシムヘシ珠算ヲ用フルトキハ初等科ニ於テハ実物ノ計方、算珠ノ運用、加減乗除ノ法、其応用、度量衡、貨幣ノ名義及其計算ノ法ヲ学ハシムヘク中等科ニ於テハ異乗同除、同乗異除、差分ヲ授ケ高等科ニ至テハ筆算ノ加減乗除ノ法及分数、小数、比例ヲ学ハシムヘシ凡算術ヲ授クルニハ日用適切ノ問題ヲ撰ヒ務テ児童ヲシテ算法ノ基ク所ノ理及題意等ヲ考究セシムヘシ

但筆算、珠算ヲ併用スルモ妨ケナシ

第十四条 地理 地理ハ中等科ニ至テ之ヲ課シ先学校近傍ノ地形即生徒ノ親ク目撃シ得ル所ノ山谷河海等ヨリ説キ起シ漸ク地球ノ有様ヲ想像セシメ次ニ日本及世界地理ノ総論、五畿八道ノ地理、外国地理ノ大要ヲ授ケ高等科ニ至テハ地文ノ大要即地球、地皮、大気、水、陸、生物、物産等ノ事ヲ授クヘシ凡地理ヲ授クルニハ地球儀及地図等ヲ備ヘンコトヲ要ス殊ニ地文ヲ授クルニハ務テ実地ニ就キ児童ノ観察力ヲ養成スヘシ

第十五条 歴史 歴史ハ中等科ニ至テ之ヲ課シ日本歴史中ニ就テ建国ノ体制、神武天皇ノ即位、仁徳天皇ノ勤倹、延喜天暦ノ政績、源平ノ盛衰、南北朝ノ両立、徳川氏ノ治績、王政復古等緊要ノ事実其他古今人物ノ賢否、風俗ノ変更等ノ大要ヲ授クヘシ凡歴史ヲ授クルニハ務テ生徒ヲシテ沿革ノ原因結果ヲ了解セシメ殊ニ尊王愛国ノ志気ヲ養成センコトヲ要ス

第十六条 図画 図画ハ中等科ニ至テ之ヲ課シ直線、曲線及其単形ヨリ始メ漸次紋画、器具、花葉、家屋等ニ及フヘシ高等科ニ至テハ草木、禽獣、虫魚ヨリ漸次山水等ニ及ヒ兼テ幾何画法ヲ授クヘシ凡図画ヲ授クルニハ眼及手ノ練習ヲ主トシテ初ハ輪廓ヲ画カシメ漸ク進テ陰影ヲ画カシムヘシ

第十七条 博物 博物ハ中等科ニ至テ之ヲ課シ最初ハ務テ実物ニ依テ通常ノ動物ノ名称、部分、常習、効用、通常ノ植物ノ名称、部分、性質、効用及通常ノ金石ノ名称、性質、効用等ヲ授ケ高等科ニ至テハ更ニ植物、動物ノ略説ヲ授クヘシ凡博物ヲ授クルニハ務テ通常ノ動物、植物、金石ノ標本等ヲ蒐集センコトヲ要ス

第十八条 物理 物理ハ中等科ニ至テ之ヲ課シ物性、重力等ヨリ始メ漸次水、気、熱、音、光、電気、磁気ノ初歩ヲ授クヘシ凡物理ヲ授クルニハ務テ単一ノ器械及近易ノ方便ニ依リ実地試験ヲ施シ其理ヲ了解セシメンコトヲ要ス

第十九条 化学 化学ハ高等科ニ至テ之ヲ課シ火、空気、水、土等ニ就テ化学ノ端緒ヲ開キ漸次通常ノ非金属諸元素及金属諸元素ニ関スル化学説ノ大要ヲ授クヘシ其実地試験ニ基クヘキコトハ猶物理ニ於ケルカコトシ

第二十条 生理 生理ハ高等科ニ至テ之ヲ課シ骨骼、筋肉、皮膚、消化、血液ノ循環、呼吸、感覚ノ説等児童ノ理会シ易キモノヲ撰テ之ヲ授ケ務テ実際ノ観察或ハ模形等ニ依テ其理ヲ了解セシムヘシ又兼テ緊切ノ養生法ヲ授ケンコトヲ要ス

第二十一条 幾何 幾何ハ高等科ニ至テ之ヲ課シ線、角、面及体ノ性質、関係等ヨリ始メ漸次角及面ニ関スル諸題ヲ授クヘシ

第二十二条 経済 経済ハ高等科ニ至テ之ヲ課シ近易ノ事実ニ拠リ生財、配財及交易等ニ関スル経済ノ要旨ヲ授クヘシ

第二十三条 裁縫及家事経済 裁縫ハ中等科ヨリ高等科ニ通シテ之ヲ課シ運針法ヨリ始メ漸次通常ノ衣服ノ裁方、縫方ヲ授クヘク家事経済ハ高等科ニ至テ之ヲ課シ衣服、洗濯、住居、什器、食物、割烹、理髪、出納等一家ノ経済ニ関スル事項ヲ授クヘシ凡裁縫、家事経済ヲ授クルニハ民間日用ニ応センコトヲ要ス

第二十四条 唱歌 初等科ニ於テハ容易キ歌曲ヲ用ヒテ五音以下ノ単音唱歌ヲ授ケ中等科及高等科ニ至テハ六音以上ノ単音唱歌ヨリ漸次複音及三重音唱歌ニ及フヘシ凡唱歌ヲ授クルニハ児童ノ胸膈ヲ開暢シテ其健康ヲ補益シ心情ヲ感動シテ其美徳ヲ涵養センコトヲ要ス

第二十五条 体操 初等科ノ始メハ適宜ノ遊戯ヲ以テ之ニ充テ漸次徒手運動ニ及フヘシ中等科及高等科ニ至テハ兼テ器械運動ヲナサシムヘシ

第二十六条 土地ノ情況ニ因リ農業ノ初歩ヲ加フルトキハ農具ノ名称用法、肥料ノ種類効用、禾穀蔬菜果実ノ性質栽培法、養蚕培桑ノ法及家畜魚鳥ノ飼養法等凡農家ニ緊要ノ事項ヲ授クヘシ工業ノ初歩ヲ加フルトキハ器械ノ功用、汽水風力利用ノ一班、工家ノ経済及其地方ニ適切ノ製造物ノ品性等凡工家ニ緊要ノ事項ヲ授クヘシ商業ノ初歩ヲ加フルトキハ簿記、保険、銀行、郵便、電信、陸運、水運、貨幣、手形等凡商家ニ緊要ノ事項ヲ授クヘシ

第二十七条 小学各等科程度ハ前十七条ノ如ク定ムト雖トモ土地ノ情況ニ因テハ之ヲ斟酌スルコトヲ得

一教則ノ組織以上三章掲クル所ノ例ニ適セサルモノハ其近キ所ニ依テ初等科或ハ中等科或ハ高等科ノ別ヲ立ツヘシ

一三章掲クル所ノ小学科ノ区分、学期、授業ノ日及時、各等科程度ニ基キ課程ヲ設クルノ一例ヲ示ス左表ノ如シ

(別表)

(略)

  『明治十四年 法令全書』内閣官報局より

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 今日は、明治時代前期の1885年(明治18)に、俳人飯田蛇笏の生まれた日です。
 飯田蛇笏(いいだ だこつ)は、山梨県東八代郡五成村(現在の笛吹市)の旧家で大地主であった父・飯田宇作、母・まきじの長男として生まれましたが、本名は武治(たけはる)と言いました。
 幼ない頃から父の主宰する句会に出席して句作を始め、1898年(明治31)には、山梨県尋常中学校(現在の県立甲府第一高等学校)に入学し、文学の世界に傾倒していきます。ところが、1903年(明治33)に、4年生で中途退学して上京し、京北中学校(現在の京北高等学校)5年に転入しました。
 1905年(明治38)に早稲田大学英文科に入学し、早稲田吟社に参加し、『ホトトギス』や『国民新聞』俳壇にも投句し、新進の俳人として認められます。1908年(明治41)には、高浜虚子の俳句道場「俳諧散心」に最年少者として参加しましたが、翌年に家から帰郷の命を受け、中退して故郷に戻りました。
 家業を継いで、農業や養蚕に励んだものの、1912年(大正1)に高浜虚子が俳壇に復帰すると『ホトトギス』雑詠欄に出句するようになり、同誌の代表作家となります。1914年(大正4)に俳誌『キラヽ』が創刊され、2号より雑詠選を担当、1916年(大正6)には主宰を引き受け『雲母』と改題しました。
 自然と生活をとらえた剛直荘重な作風で知られ、河東碧梧桐らの新傾向運動に反対する俳論を書き、ホトトギス系の俊英として活躍します。1932年(昭和7)に第1句集『山廬集(さんろしゅう)』をはじめとして、10句集を出し、『穢土寂光』、『美と田園』、『田園の霧』、『山廬随筆』などの随筆集、『俳句道を行く』、『現代俳句の批判と鑑賞』などの評論・評釈集と多くの著書を刊行し、俳壇の重鎮として活躍しました。しかし、1962年(昭和37)10月3日に、山梨県境川村の自宅において、77歳で亡くなっています。
 尚、1967年(昭和42)に蛇笏俳句の俳壇的業績を記念して、“蛇笏賞”が角川書店により設定されました。

<飯田蛇笏の代表的な句>

・「芋の露 連山影を 正しうす」(「ホトトギス」巻頭句 1914年作、『山廬集』所収)
・「死病得て 爪うつくしき 火桶かな」(1915年作、『山廬集』所収)
・「たましひの たとへば秋の ほたるかな」(1927年作、『山廬集』所収)
・「なきがらや 秋風かよふ 鼻の穴」(1927年作、『山廬集』所収)
・「をりとりて はらりとおもき すすきかな」(1930年作、『山廬集』所収)
・「くろがねの 秋の風鈴 鳴りにけり」(1933年作、『霊芝』所収)
・「誰彼も あらず一天 自尊の秋」(晩年の作、『椿花集』所収)

〇飯田蛇笏の主要な著作

・第一句集『山廬集(さんろしゅう)』雲母社(1932年)
・評論『俳句道を行く』素人社(1933年)
・随筆集『穢土寂光』野田書房(1936年)
・第二句集『霊芝』改造社(1937年)
・第三句集『山響集(こだましゅう)』河出書房(1940年)
・随筆集『美と田園』育英書院(1941年)
・第四句集『白嶽(はくがく)』起山書房(1943年)
・随筆集『田園の霧』文体社(1943年)
・第五句集『心像』 靖文社(1947年)
・第六句集『春蘭』 改造社(1947年)
・評釈集『現代俳句の批判と鑑賞』創元社(1950年)
・第七句集『雪峡』創元社(1951年)
・句集『家郷の霧』角川書店(1956年)
・随筆集『山廬随筆』宝文館(1958年)
・句集『椿花集 (ちんかしゅう) 』角川書店(1966年)

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