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fun 2 strange plants.

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P.vassei #2.

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Platycerium vassei #2.(P.alcicorne var.Madagascar)

 今から記述する事は私主観の考察であり、何の学術的根拠及び効力もないので、参考程度に留めて欲しい。と云うのは、ヤフーブログは検索エンジンで上位に掛かり易いのか、ビカクシダを学名で検索すると本ブログ記事が上位に上がってしまう。学者でもない私が表記した変種・品種表記が拡散している事に恐れを感じた。
私は魚類飼育の癖で、植物の栽培種も品種や産地に至るまで知っておきたい性分で、学名の命名規約や品種の記載法に煩い。特にビカクシダ園芸では、殆どが登録されていない園芸品種名(胞子育苗と云う特質もあるが)で作出者が胞子育苗を大量に放出してしまうので、本来は単一クローンにのみ付けられる園芸品種名なのに、同じ親から育った苗は勿論シブクロス個体群も全て同じ園芸品種名で流通している。ビカクシダの場合は同種間での個体差が少なく、また環境下の影響で草姿も変ってしまうので致し方無い部分であると諦めている。 しかし余りにイージーでグレーな部分が多いビカクシダ園芸界。ついつい細かいウンチクを垂れてしまって今に至る訳である。
 さて、今回はPlatycerium vassei #2.の栽培記録を含む本種についての葛藤を少し書きたいと想う。バッセイと云えば前回のPlatycerium vassei #1.の栽培記録の時に本種について想うところを色々と書いてみたが、未だにまだ悩み続けている・・・
私がビカクシダを始めるよりももっと前、アフリカ大陸産のPlatycerium alcicorne と、マダガスカル島及び周辺諸島産のPlatycerium vasseiは別種とされていた。しかしゴンドワナ大陸の頃は同一種でありゲノム解析からもそれが証明された。として、その後大陸産とマダガスカル産は同一種であり、マダガスカル産はPlatycerium alcicorneの地域変異種とされ、vasseiと云う名はシノニム扱いされる事になった。ある一つの種に対して学名は一つしか認められず、学者にとってシノニムは忌み嫌われる存在である。
著名なRoy Vail氏は怒りを露にして言及している。『未だに"vassei"の札を立てて栽培している奴等が消えない』
私の海外のビカクシダ友達も"vassei"と云う呼び方に拒否反応してしまう人達がいる。
しかし私はどうしてもPlatycerium vasseiを、Platycerium alcicorne Madagascar formとする事に強い違和感を感じる。
故にここでは本種をPlatycerium vassei(P.alcicorne var.Madagascar)と呼称する。
アフリカ産と、マダガスカル島及び周辺諸島産は元々は同じ個体群であった事は解る。しかし白亜紀後期にアフリカ大陸から分裂したマダガスカル島に残った種は熱帯モンスーン気候の環境下で進化し、大陸産とは特質も特性もまるで違う植物種となっているのは明確である。アフリカ産とマダガスカル産(本物)を育てた事がある人なら、この両種の違いがただの地域変異体で無い事は解る筈。この両種はまるで別種であるのに、何故に同一種でなければならないのか。 馬鹿げている・・・


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 Aug.2013 Platycerium vassei
2013年の8月にヤフーオークションに出品されてたバッセイを落札した。左の株が親株で、右の子が親株から出たPUP増殖苗。右の子株が出品されていたが、オークション終了1分前に競り合いになり自動延長も掛かり、結局市価の3倍の値で落札する事になった。
親株のフォリッジ・フロンズに違和感を覚えたものの、ネスト・フロンズの見事な凹凸に魅了された。


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 18th.Aug.2013 Platycerium vassei #2. 
とても小さかったけど、親株のしわしわネストに一目惚れしたからとても愉しみだった。大阪の8月は1ヶ月以上40℃近くの高温になり夜間も殆ど気温は下がらないので、P.ridleyiやP.coronariumでさえも弱ってしまう。P.vasseiが自生するマダガスカル島東部は平均25℃程だと想うので心配だった。

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 25th.May.2014 Platycerium vassei #2. 
マダガスカル原産のP.vasseiは自生地の特質上栽培が困難だと云われている。P.madagascarienseやP.quadridichotomum等の栽培はコツを要し栽培が難しいとされるのと同様である。 先人達からバッセイの栽培は難しいと云う話しをよく聞かされたし、当方栽培品のP.vassei#1.の維持も極めて難しいと云う事を身を持って経験している。夏の高温に弱く、冬の寒さに直ぐに反応し、耐陰性が全く無い・・・
しかし、このP.vassei#2.は生育旺盛で冬季の日陰温室でも弱る事なく成長していた・・・
そしてフォリッジ・フロンズの形質が微妙に・・・ どんどん出るフォリッジ・・・・・?
まさかコレも交配種なのか?


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 Platycerium vassei
マダガスカル島東部のバッセイ。右はマダガスカル島のマンタディア国立公園のもの。マンタディア保護区はマダガスカル中央東部、標高900m〜1,250mの熱帯雨林ミドルハイランド。雨季と乾季があり平均気温25℃前後とされる。

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 Platycerium vassei / Olaf Pronk
マダガスカル島アンタナナリボ在住の知人Olaf氏栽培品。
私の知るピュアなP.vassei (P.alcicorne var.Madagascar)と云うのは、成熟した個体で直径約20cm程の薄いネスト・フロンズ。そのシールドには細かな星状毛が生え、形は円形ではなく、上に少し伸びた小判型で、上半部には見事な凹凸の葉脈が走る。そして特徴的なのがたった1対の薄く貧弱なフォリッジ・フロンズ。フォリッジの葉柄は短く先端の切れ込みも貧弱で葉も薄い。
以前、本種について色々と調べたが、海外ナーセリーの情報ばかりが目立ち、それらは由来がはっきり判らないものばかりで、交配種だと疑わしい個体が多く感じられた。私は本種自体を調べるのでは無く、"マダガスカルの植物"や"マダガスカルのビカクシダ"等の様に違う方向からのアプローチで本種を調べる事にした。マダガスカルを訪れた旅行者や趣味家が撮影した自生地個体を垣間見る事が叶った。
円形では無く卵型の薄い貯水葉に、薄く貧弱な短い葉柄の切れ込みの浅い、たった1対の胞子葉。自生地の正真正銘のP.vasseiは、やはりどの個体も同じ形質であった。


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 16th.Aug.2014 Platycerium vassei #2.
交配種の如く成長が早く、日本の四季の影響を余り受けない様子。またマダガスカル原産のビカクシダとは想えない程イージーな水加減で育つ・・・ そして2対以上のフォリッジを展開し、切れ込みが長めで肉厚・・・
 さて、本種についての悩みと云うのが、純粋個体としての由来である。
本種をウェブ検索してみても、ナーセリーの商品情報ばかりで、自生地情報が極めて乏しい。海外ナーセリーでの説明では成熟した個体の写真は少なく、どう見ても交配種(おそらくはP.alcicorne 大陸産 x P.vassei)と感じるものが目立つ。先述した様に、私が調べた純粋な自生地個体群のフォリッジ・フロンズは葉柄が短く切れ込みの浅い、短く薄い貧弱な個体ばかり。
この様に立派なフォリッジを何対も展開する個体は純血種なのだろうか? それに育成が簡単過ぎるのも違和感を感じる。

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 Platycerium vassei Wild collected from Madagascar / Roy Vail
ロイ・ベイル氏がサイトで紹介されてるマダガスカル島で採取した野生個体由来の栽培品。私が知る自生地個体群の草姿とは少し形が違う。この自生地採取品は葉柄が長く見た目で判る分厚い1対以上のフォリッジ。バッセイにしては立派過ぎる草姿。
昔、先輩が云っていた。バッセイには2つのタイプが存在すると。そう云う事なのか?
Siam Exotica Plantsはマダガスカル原産のアルシコルネは幅広葉と細葉が存在すると云っている。
私はマダガスカル東部に現存する沢山の国立公園や保護区の写真を調べ尽しているが、どの保護区でも私が既知する個体群から外れる特質の野生個体を見る事はない。 ウェブで見るナーセリーや権威が説明するマダガスカル島原産種の個体画像は自生地個体群と特性がずれている・・・
本種の特性としてネストの凹凸シールドを誰もが頭に浮かべるだろうが、実はPlatycerium vasseiの凹凸シールドの形質は優勢遺伝子であり、交配しても強く受け継がれるので、これの凹凸ネストを基準に純血種であるかどうかを測るのは軽率である。例えばPlatycerium Daw boy(P.vassei x P.madagascariense)を見れば解る。
こうなると頭が痛くなる。真実を知るには自生地を探索するしかないが、現実的に難しい。ビカクシダは栽培環境で草姿が大きく変る。このフォリッジの特性の違いはそういったものなのであろうか・・・?

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 Platycerium vassei
自生地の個体。この個体のフォリッジ・フロンズは先端の切れ込みが多く、10本の剣になっているが、葉柄は短く、決して大陸産のP.alcicorneの様な剣の様に長いフォリッジにはならない。

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 Platycerium alcicorne var.Madagascar / Shaun Pilly
南アフリカ在住の知人Shaun氏栽培品。彼は"vassei"否定派なのでP.alcicorne var.Madagascarとさせて戴く。彼の栽培品は純粋な個体である。この数年間、彼の栽培個体の成長を定期的に見せて戴いてると、フォリッジ・フロンズが自生地個体の特性と同様に薄く短い1対の貧弱なものだったり、この画像の様に長く伸びたりしている。本種は環境の変化で色んな形のフォリッジを展開するのは確かな様であるが・・・


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 23th.Jun.2016 Platycerium vassei #2.
去年の6月。なんか葉柄がめちゃくちゃ長いフォリッジが伸びて来た・・・
去年5月頃に本種を屋外に出す時に、これから約半年も屋外に出すんだから、ネペンテスも居ないしいいかなと想い、ハイポネックスを希釈した液体肥料のバケツにドブ漬けした。肥料あげたからこんなに胞子葉が伸びて、次々と胞子葉を出したのかな・・・? 本種のネスト・フロンズは、P.coronariumやP.grande、そしてP.bifurcatum等の様な王冠を持たない。貯水葉に王冠を持つ種は木々の落ち葉を集めて栄養にするとされており、肥料を好むが、逆にP.vasseiの様に王冠を形成しない原種は栄養塩類の乏しい環境で自生しており、その為に自生地個体は貧弱な胞子葉しか持たない個体が多いのかも知れないな。
Shaun Pillys氏や、Roy Vail氏のサイトで紹介されている野性個体採取品は栽培下で肥料を添加しているのでマッスルな草姿になっていると云う事にすると、合点がいく(マダガスカル在住のOlaf Pronk氏栽培品はどう見ても雨曝しで肥料なんて添加してなさそうだし)。
しかし、当方栽培品のP.vassei #1.にも希釈したハイポネックスを張ったバケツにドブ漬けしたけど、こんな風にならなかったけどな・・・ しかもこの個体#2.は、#1.に比べると育成がイージー過ぎるし、成長速度が早すぎる。


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 23th.Jun.2016 Platycerium vassei #2.
逆光での撮影なので判り難いが、ネストはちゃんと星状毛で覆われている。また、円形にならず小判型を形成する形質を持っている。
本種や同じマダガスカル原産のP.madagascariense、東南アジア広域に分布するP.ridleyiの様に、深い凹凸のネスト・フロンズを持つ原種が自生する地帯は比較的に雨量が多く、また風通りも良く、日照が多い場所である。地味な見た目の割りに、本種の栽培が意外と難しいとされるのは自生地環境の特質であり、その為に水加減が難しく、冬季の日照不足によるダメージに弱いのである。
なのに、この個体は水切れ寸前で草体がスカスカになっても、冬季の日照ゼロの環境下でも何事も無いかの如く良好な生育を続ける・・・???


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 5th.Jan.2017 Platycerium vassei #2.
去年5月に肥料を添加したらP.alcicorneの如く長い葉柄のフォリッジを展開したが、その後、肥料切れし、秋口に入るとマダガスカル島に自生する個体群と同じ様な葉柄の短いフォリッジを展開する様になった。 想い返せば、2013年に導入後、早く大きくしようと固形肥料を与え、希釈した液肥にドブ漬けしたらその後2014年に長いフォリッジを2対も展開していたけど・・・


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 5th.Jan.2017 Platycerium vassei #2.
正面親株から出ている3本のフォリッジ・フロンズの内、右上と正面(左下)の葉が液肥添加後に展開したもので、左上のフォリッジが、肥料が切れた頃の秋に展開した葉。
肥料の有無で草姿は大きく変る様なので、今年は5月に屋外に出す時も肥料を添加せずに生育に注目してみようと想う。
しかし、このP.vassei #2.は、やはり#1.と違い過ぎる・・・ この個体は本物なのだろうか? 
P.vasseiが自生するマダガスカル島東部と云っても、マンタディアやザハメナの様に中央東部の熱帯雨林地帯もあれば、Ambohitantelyの様なハイランド地帯にも自生している。また、Siam Exotica PlantsのHPで紹介されている本種の分布図ではベレンティー保護区周辺を指しているが、ベレンティーはマダガスカル島最南に位置しており、4月〜10月の気温が8℃前後、11月〜3月で40℃程の寒暖の差が激しい地帯である。狭いマダガスカル島内の東部でも南北及び標高差で気候が大きく違い、自生地の違いで多少の個体の特性が変ってくるのかも知れない。本種には2つのフォームが存在すると云うのはそう云う事なのかもしれない。Siam Exotica Plantsが説明する本種のフォリッジ・フロンズの細葉と広葉も2つのフォーム(地域変異)として捉える事が出来るのであろうか? そして、コモロやセイシェル等のマダガスカル島周辺諸島にも本種は自生しているらしいが、周辺諸島の個体群はどんな特質をしているのだろうか? 知りたい。とにかく今は純粋なP.vasseiの個体群を沢山見たい。
そもそも純粋な個体は現在どれほど栽培下に残っているのであろうか・・・?
海外ファームが販売している、異様に長いフォリッジや、3対も生えてるフォリッジのP.vassei(P.alcicorne Madagascar)は純粋種なのであろうか? 生産性を上げる為に肥料漬けにしただけの草姿なんだろうか? 否、純粋種のP.vasseiの栽培はコツを要するので簡単には生産出来ないのではないのか? プロだから肥料添加で生産出来るのだろうか? そして確実に大陸産 x マダガスカル産の交配種が存在しており、販売元は知らずに放出している。タイの生産者は深く追求しないのでラベル(商品名)は全く信用出来ない。
私は頭がおかしいのであろうか・・・? 気に入った個体だけを可愛がって、育てて愉しめばそれで良いだけなのに、何故に此処まで固執してしまうんだろうか。本当に好きな種だからこそ極めたいと云う想いがそうさせているのは確かだが・・・ 人気の薄い本種について踏み込んで調べる人が少なく、ニア・ハイブリッドがP.vasseiとして流通しているのを許せない気持ちも強い。 しかし大陸産とマダガスカル島産の個体群を学者がP.alcicorneとして統一した事にまで違和感を感じて、素人の私が異論を発し、マダガスカル島産をP.vasseiと呼び続ける事は混乱を招く事であり、客観的に狂気の沙汰である事も認識している。 しかし、それでもマダガスカル産をP.alcicorneと呼ぶ事は出来ないのである。


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 Platycerium vassei
最近流行のインスタグラムか、ピンタレストか忘れたけど、たまたま見つけて保存したP.vassei栽培品。海外なのか、国内の人なのかも判らない。純粋種のバッセイ。
素晴らしい個体ですね
余談であるが、Roy Vail氏は2014年に行った調査旅行では、セイシェル諸島にP.alcicorne Madagascar formの自生を確認出来なかった様である。
 今回の狂気染みた記録の原因の一端は確実に無知な生産者のせいである。商業目的至上に感けてラベルの重要性を理解せず、安易に誤品を放出する海外ナーセリーども。そして下らない(と言い切る)ニア・ハイブリッドを作り、安易に放出する生産者や園芸家達・・・ 交配は園芸家にとって浪漫であるが、打算無しで無作為に交配する栽培家を余り好意的に想えない。無作為に作出された交配種の中には草姿が悪いものも多く、そういった交配種達は栽培家の下で大切にされる事は稀であり、植物が可哀想に感じる。生命を弄ぶ行為に等しいと感じるのである。中でも凄く近い品種を交配させたニア・ハイブリッド種を作出する人には蔑みさえ覚える。
え? 趣味ってそんなに難しく考えたら面白くない? そうなんだけどねぇ・・・
 何方か、無知で哀れな私メの為に、マダガスカル産アルシコルネと呼ばれるバッセイについて色々と教えて下さい。





〜 二月三日 節分 〜
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 節分の豆撒きは中村家の大切な行事
恵方巻きも愉しみだけど、僕の一番の愉しみは真イワシの塩焼き
脂が乗ってて凄く美味しい大好物
こいつを肴に熱燗をクイッとやるのが堪らない〜

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チビらお手製の鬼面
うふふ、可愛いねゑ〜
可愛くて大切な吾子たち。
抱きしめて溺愛したいんだけど
最近は説教して泣かす事が増えてきた
言葉使いや食事のマナー、兄弟間の小競り合い等々
本当の馬鹿者に育って欲しくないから厳しく躾けてる

イメージ 18豆撒き
末っ子泣いた


Johann Pachelbel - Canon in D Major / ClassicalMusicE
ヨハン・パッヘルベルのカノン 二長調
誰もが知ってる、涙がこぼれるほどに美しい旋律
僕の子供達もみんな幼稚園で習って演奏してるから
僕がこの曲を聴いてると子供達が集まってくる。
先日、末っ子P-仔♪の発表会でチビがカノンを演奏した。


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