パンダイアリー

2019年も読書感想文メインです。たぶん。

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珍しく海外の小説を読んだ。原題は「The Curious Incident of the Dog in the Night-time」。この題名は作者のこだわりで、冗長で分かりにくいからとって、邦題で勝手に変更してはならない、と指示されていたらしい。

簡単にあらすじを説明してみよう。

主人公は自閉症児のクリストファー。彼の一人称の視点から描かれている。

ある夜、隣の家の犬が殺された。この事件をきっかけにして、クリストファーの探偵ごっこが始まるが、事件を調べていくと、思いもよらぬ真実を知ることになる。

クリストファーは旅に出ることを決心する。ただ、電車に乗って、地下鉄に乗る、ほんのそれだけれど、その間に、ぼくらが思いも寄らないことが障壁になる。駅を発見すること、人ごみの中を歩くこと、切符を買うこと、電車に乗ること、電車のトイレを使用すること、目的の駅を降りること、地下鉄に乗り換えること、地図を買うこと…。

本書では、自閉症児ならではの描写や感性が、随所に散りばめられている。そして、独特の融通の利かないロジカルな思考をトレースできる。

他人の表情を読むことができず、目に入る情報が選別されることなく飛び込んでくる。体に触れられることを極度に嫌がる。ちょっとしたことでパニックになり、うなり声をあげたり、暴れたりもしてしまう。

夢の話は印象的だ。顔を見れない人間だけが生き残るウイルスが蔓延し、世界からクリストファーのような特殊な人間だけが感染せずに助かる。潜在的な本人の願いのように感じるし、クリストファー以外の人間への冷ややかさも感じる。

大人の思いやりや、愛情や、良かれと思ってやった行為が、ちゃんと伝わらない。結果的にクリストファーを困惑させ、混乱させ、そして怒らせてしまう。

どうしても親目線で読んでしまうなぁ。読んでいて胸が苦しくなる。

クリストファーの視点から見る、ぼくたちの日常は、ものすごくたくさんの困難に満ち溢れている。一方で、ぼくらにとってはその困難を理解すること自体が困難だ。

本書だけで分かったつもりになったわけではないけれど、自閉症児の物の見方、感じ方を理解できたような気がする。

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閉じる コメント(1)

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私はこの本を読むまで自閉症のことを誤解していたようです。
あくまで症例ですから、先天的な問題もあるんですね。
大変勉強になりました。

2009/11/5(木) 午前 2:43 [ dalichoko ]

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