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前回のままならないから私とあなたに続く朝井リョウさんの小説。ざくっとカテゴライズすると女性アイドルグループ青春小説だ。 AKBとかSKEとか乃木坂とかももクロとか、あとなんだ、そんなに知らないけれど、現在の日本社会ではたくさん女性アイドルグループが乱立している。アラフォーのおじさん(私)にとっては、名前と顔が一致しないばかりか、顔の区別もつかない。へぇ、この子かわいいなと思っても、翌日にはきれいサッパリ忘れてしまう。 本書では、女性アイドルグループで現実世界で起きてしまったことやタブーが、これでもかとたくさん詰まっている。ビジネスモデル、ファンによる握手会での暴力事件、SNS対応、過剰なダイエット、丸坊主事件、メンバーの脱退・卒業、新メンバー加入、俳優業への転向、そして恋愛。 歌とダンスが好き、というだけでアイドルになれるのではない。多くのものを捨て、諦める、ストイックさが、「一方的に」求められる。アイドルの規範論が世に蔓延していて、そこから逸脱すると激しい批判にさらされる。 それでも健気に努力するアイドルたちの姿に心打たれるものがある。ももちの芸能界引退を思い出す。路線は違うけれど、安室奈美恵の引退についても思い出す。スポーツ選手と同じく、プロとしての仕事へのけじめの付け方なのかもしれない。 過度に規範的な視線にさらされるアイドル業界。そこに一石を投じる寓話と言えるだろう。こういう小説は消費期限が短いし、長く語り継がれるような作品ではないかもしれない。でも、これくらい鮮度の良い作品を数多く生み出す朝井リョウさんの存在は、私のような世事に疎い人間にとっては有難い。
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で完成させ...



はじめまして。
今日から「武道館」を読み始めます。
私も“おじさん”ですが、楽しみです。
2018/5/28(月) 午前 7:12 [ マカロニ ]