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初めて読んだ恩田陸さんの小説。 主たる登場人物はわずか3名。しかもそのうち1名はすでに死んでしまっている。残る男女2人が引っ越し前夜に話し合いながら、その死や2人の関係について真相へとたどり着く、そういう小説。 ストーリーの構造が技巧的で恩田さんの力量の凄さがわかる小説。そして男女の愛と離別が描かれているが、男女の恋愛感情とはこうも容易く燃え上がり、そしてあっけなく消失するものかと驚かされる。 恩田陸さんは女性。自己憐憫が娯楽になるというのは、男性である私には分かりにくい感情かもしれない。だからこそ、印象に残った一文だ。 男女2人は心中にまで言及するが、至らない。そう言えばヒト以外に心中する生物はいるのだろうか。自死することがあったり、交尾の最中にメスに食べられたりすることがあっても、心中する生物の存在は聞いたことがない。 子孫を残すことを否定してまで一緒に死に遂げる。昔から心中モノの小説は数多くある(ほとんど読んだことがないけれど)。どことなく甘美さがあるから需要があるのだろうか。 こういう小説の感想文は難しい。好きとか嫌いといった恋愛沙汰について日常的に考えなくなって久しいからかな。
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