げん氣の扉

幅広い人財啓育を行っているグループダイナミックス研究所(GDI)のオフィシャルブログです。

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「燃えつき症候群(バーン・アウト・シンドローム)」が有能ビジネスマンの間に広まることがあります。たとえばY・Y氏(46歳)の場合。中堅メーカーの常務取締役・営業部長で会社きっての切れ者といわれ、つい先頃までは彼の次期社長就任を誰ひとり疑う者はいなかったといいます。

事実、彼が約十年前営業部長に就任してからというもの、売上高は毎月うなぎ登り。朝は誰よりも早く
出勤し、夜は自宅に「寝に帰るだけ。子どもたちの姿をまともに見るのは半年に一度あるかないか」と
いう生活を続けました。体には自信がありました。「風邪気味で休ませてほしい」などと部下から電話が
入ろうものなら、烈火のごとく怒りました。

「なんだ!だらしがない。緊張が足りんのだ!しゃんとしてれば、風邪の方がよけて通る!」と。
そのY氏が、朝の出勤電車の中で突然めまいを覚えたのは、売り上げの伸びが三ヵ月横ばいを示していた
ある日のことでした。業界全体が不振ならまだしも、ライバル社の中には、鈍ったとはいえ業績を伸ばしている会社もありました。Y氏は焦りました。夜もろくに眠れなくなってしまいました。そしてめまい。

翌朝は電車の中で突然、呼吸困難となったのです。あぶら汗が流れ、このまま死ぬのか、とさえ思った
ほどです。次の日から、電車を見るのさえ怖くなり、ついには、朝、家を出ていつどこで倒れるかと思う
と、玄関先で足がすくんで動けなくなってしまいました。今、彼は病院のベッドにいます。もう、焦る
ことも忘れました。

かつて、銀座内科院長の藤井尚治医博は、こう語っていました。
「高度成長の波に、企業もろとも個人として乗りに乗った人々、『趣味?仕事だよ!』『オレから仕事を
とったら何もない』と豪語していた強者に、今こうした症状が襲いかかっているのです」。

何をする気もなくなって、かつての積極的な姿勢が影をひそめ、別人のようになってしまう。これは
“定年”に伴う現象としては比較的知られてきました。ところが、この“定年現象”を、早い人は三十代
に起こしてしまう人もいるのです。

「あの人、遊ぶことの楽しさを知らなかったんです。遊びは仕事の敵みたいに考えていて、わたしたち、
昔は夏の旅行だって母子三人で行ったりして…」(Y夫人)。

「失われた20年」の日本社会で、仕事一本ヤリの神話が、いま崩れつつあるのでしょうか。

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