げん氣の扉

幅広い人財啓育を行っているグループダイナミックス研究所(GDI)のオフィシャルブログです。

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チームワークを最大限に発揮する集団をつくるにはどうしたらよいでしょうか。
もし、あなたがチームをつくる場合、優秀なメンバーを選んで、強力なチームをつくることができるとしたらどうするでしょうか。仮に、頭のよい人、理想的な人を自由に選べるとしたらどうしますか。

実は、こうしたチームを作って九年以上も独創的な実験をした研究グル−プがあったのです。英国のヘンリーにあるヨーロッパ最古の経営大学(the Administrative Staff College, Henley)とケンブリッジにある産業研修研究所(the Industrial Training Research Unit from Cambridge)が共同で行った研究です。

チーム実験のプロジェクトのリーダーシップを取ったメレディス・ベルビン博士は、実験的に1チームの構成が5人前後のチームを120作り、「マネジメントチーム」と呼んだのです。その中でも画期的な試みは、知的能力がそれぞれ違うチームを編成したことでした。そして、頭脳優秀なチームを知的能力が劣るチームと比較したのです。
また、知的能力の高いメンバーを揃えたチームにはアポロ・カンパニーという名前を付けました。当時、アメリカが月面着陸に成功したアポロ計画にちなんだ名前です。

結果は思いがけないものとなったのです。知的能力が決め手になる演習で、賢い人々のチームが勝つのは当然と思われて結成されたアポロチームが最下位に終わったのです。なぜかというと、アポロ・カンパニーのメンバーは、実を結ばない議論に長い無駄な時間をかけていたのです。各自が自分の考えを他のメンバーに納得させようとしていたのです。

「わが身かわいさ」からか、誰一人持論を曲げず、また相手の意見を変えることもできなかったのです。まとまりを欠き、非現実的な論争に終始し、意思決定ができないまま制限時間を迎えてしまったのです。

数年間に25のアポロ・カンパニーを作ったのですが、その内、成功したのは3回だけだったというのです。聡明な人々が集まったカンパニーがこれほど失敗するとは、だれにも予測できませんでした。
アポロ・カンパニーは、“優秀だといわれる人財”を持つ有利な条件を持ちながら、成績は平均すると、他のチーム以下だったのです。

優秀な人財やスキルの高い技術者を採用した企業で、考えもつかない事故を起こしたりすることがあります。このような現象を「アポロ・シンドローム」と呼んでいます。
心の冒険・AIAという啓発セミナーを開発したボブ・コンクリン氏がこんな体験を語ったことがあります。
「講演会やセミナーなどで、最前列にすわっている人と後ろの方にいる人とでは、収入がまるで違うということをご存じですか。私の体験だと、2倍の差がある場合もあります。もちろん、前の方が多いんです」

 なんとなくわかるような気がする半面、本当かなと疑問にも思っていました。
 そこで、あるセミナーで、私はちょっとした調査を試みたことがかつてありました。若手の経営者が集まったそのセミナーで、全員に小さなアンケート用紙配り、現在の年収と、将来得たいと思っている所得を記入してもらったのです。無記名による調査で協力してもらいました。

 さて、結果はどうだったでしょうか。最前列の人の平均年収が580万円なのに対して、最後列は470万円。2倍の差はありませんでしたが、前列の人は後列に比べて約3割も収入が多かったのです。一方、将来に期待している収入は、前列が1,350万円で、後列は940万円。こちらは44%の差が出ました。

 年収の高さだけがその人間の価値を決めるわけでは決してありませんが、この調査結果は、やる氣と自信がいかに大事かを物語っているように思えます。とにかく、後ろの方にすわっていた人の方が収入が少なかったのです。引っ込み思案だったり、消極的な気持ちになると、後ろの方に目立たないようにすわるのでしょう。気持ちをふるい立たせて前へ出る積極的な心構えが必要だということです。

 慶応義塾大学経済学部長だった大熊一郎教授は、授業に出てくる学生たちを長年観察してきて、「いつも前の方の座席をとる学生は、社会に出てから必ずといっていいほど成功している」といっていました。同じ入試をパスしてきた学生たちですから、能力にそれほどの差があるわけではありません。しかし、そこで積極的な心構えを身につけるかどうかが、社会に出てからの分かれ道になるというのです。

 果たして自分が積極的な人間なのか、あるいは消極的なのか、それを知る手だてを一つご紹介しましょう。それはグループで写真を撮ったときに、自分がどこにいるかを見るのです。みんなの真ん中あたりにいることが多ければ積極人間ですし、いつも隅の方にいることが多ければ消極的に生きている証拠かも知れません。ためしに、何枚かの写真を取り出してみてはいかがでしょう。
ある小学校の運動会を見学したときのことです。かん高い歓声の中を、ゴールめざして懸命に走る子どもたちを見ていたことがありました。
私はトップより最下位の子に注目して見ていると、最下位の子どもたちはほとんど肥満児であることに気がついたのです。
 
たとえば六年男子では、1組6人で20組中で16組の最下位が肥満体、また5年男子でも、20組中15組で肥満体が最下位でした。
「太っていると、アシが遅いのは当たり前で、何を今さら……」とおっしゃる方も多いでしょう。スポーツの世界では体重がモノをいう相撲やハンマー投げなど、肥満体が活躍できるチャンスも少なくありません。しかしビジネスの世界では、肥満はますます不利になってきています。

ハワイのホノルル市長が、局長・次長二十人に減量命令を出したこともありました。
「私は、前から太りすぎの局長や次長の健康が気になっていた。彼らが健康を維持することは本人のためでもあり、仕事の能率で市民に奉仕できる」というのが当時の市長の弁でしたが、健康ややる氣増進の狙いのほかに、実はもうひとつの意味が隠されていたのです。

それは「肥満者は自己管理能力に問題あり」という“警告”です。肥満はカロリーの「入り」と「出」の不均衡から生じます。ですから、「入り」をずーっとの超過を続けて、自分の体を肥満状態に至らしめた不手際が問われているのです。

あるクリニックの院長の調査によると、ヒラのビジネスマンが1日に歩く歩数が約7千歩なのに対して、部・課長クラスは半分以下の3千歩。トップになるとたった250歩というケースもあったといいます。要するに、管理職の肥満は運動不足の一語につきるのです。

世界で話題になっているカナダ・ケベック州から生まれたサーカスエンターティンメント、シルク・ドゥ・ソレイユというショーがあります。その日本版とも言えるマッスルミュージカルでの自転車や縄跳びなどの記録を持つプレイヤー達と食事したことがありますが、彼らはさすがに健康自己管理能力を徹底させています。若いのに酒を勧めても飲まず、太ったところはみじんもありませんでした。

月並みですが、やはり、私たちは歩く時間を増やすことから始めてみてはいかがでしょう。
こんな話を聞いたことがあります。ギリシアの哲人ピアスが海で遭難したときの話です。海が大荒れに荒れ、船は転覆してしまいました。船員も乗客も死に物狂いで陸を目指して泳ぎ始めたのです。陸が見えたのが幸いでした。しんがりに船主と哲人ピアスも素っ裸で、フラフラになってやっと浜にたどり着いたというのです。

「ああ、これで万事休す、すべてを失った!」と、船主は天に叫び、顔を砂に埋めて激しく泣き始めたのです。ところが、哲人ピアスは平然としていました。そして、「オレは全財産を身に付けている」と、空に高々とこぶしを振りながら叫んだのです。船主はその声に驚いて哲人を見上げました。「私は全財産を失ったのに、あなたは全財産を身に付けているという。あなただって素っ裸ではないか、何を身に付けているというんだろう」。

それに対して、哲人は「物は必ず失うものだ、人間だって死ねばすべてがなくなる。いま、オレは生きているじゃないか。生きていれば、オレには考える力がある。この考える力こそオレの全財産だ!」と、両耳に手を当ててから、ゆっくりと自分の頭をなでまわし続けたという話です。

船主は、持ち船も身に付けていたお金も宝石も一切合財失って、「これでおしまいだ!」と言ったのですが、ピアスは考える力を持つがゆえに、人間の最大の資源が残っている、と言ったのです。

人生では、誰でも一度や二度、窮地に陥ったり困難に出会うものです。しかし、窮地に追い込まれた時こそチャンスがあるのです。ところが、普通は最悪な時には、心の持ち方、心構えが消極的になってしまい、そのために、不安、心配、絶望といった消極的な感情の方が強くなるのです。
そして、自信、勇気、希望といった積極的な感情を殺してしまうのです。その結果、前進するエネルギーが生まれず、行動も消極的になってしまうのです。

ロロ・メイという心理学者は、「人は最悪の事態に立ち至ったとき、すなわち、絶体絶命の絶望に出遭ったとき、そのときこそ、人は永遠の力を発見する」と言っています。そうした時こそ、心のリズムにダイナミックな変化が起きるというのです。

人生の底まで落ちたのだから、これ以上落ちることはない。“よし、これから這い上がるぞ”という勇氣が湧いてくるというのです。そして、「勇氣を持っているからといって絶望しないことはない。勇氣とは、絶望しているにもかかわらず、なお前進していく能力である」とも言い切っています。
 プロ野球では、 一流といわれる選手は、独自の合理的なフォームがキチッと固まっているといいます。
 世界のホームランバッターといわれた王貞治氏ほどの人でも、現役時代に何週間もホームランが出ない大スランプに襲われたことがありました。王選手にあの一本足打法を指導したのは荒川博氏ですが、スランプに陥った王選手は、必ず荒川邸を訪れて素振りを繰り返してフォームの点検を受けていました。荒川氏が巨人を去ったあとも、この師弟コンビが続いたのは有名な話です。
 
 しかし荒川氏は、王選手に何か特別な指導をしたわけではありません。いつも、一本足打法のフォームを正しく思い出させることだけだったというのです。
 
 また、ゴルフの“帝王”ニクラウスもシーズン前には師匠のグラウトのもとでフォームのチェックを受けていました。
 スポーツでは、どんな名選手でも“不動のフォーム”を崩してしまう時があります。しかし、こうしたフォームは目で見えるものです。初め自分でわからなくても、写真やビデオを見たり、周囲の人のアドバイスを聞くうちに、ハッと気づくことがあります。あなたがゴルファーなら、パートナーのふとした“コメント”が、いつの間にか狂っていたグリップやスイングを立て直すきっかけになった経験があるかも知れません。
 
 ひるがえって、私たちが仕事や対人関係、家庭生活で経験するスランプは“心のフォーム”が崩れて起こります。なぜ、そうしたことが起こるかというと、身体の筋肉が弱くなってフォームが崩れるように、心の筋肉も弱くなるのです。それが心のフォームを崩すのです。身体と心の筋肉はお互いに関係しているのかも知れません。
 
 ところが、この“心のフォーム”は現在でも写真やビデオではっきり映し出して見ることがなかなかできません。私たちが積極的な心のフォームを持っているか、消極的な心のフォームを持っているかに気づいている人は、100人中2人ぐらいしかいないともいわれています。
 
 私たちがやる氣をフルに起こして、事を成し遂げるには、それなりの心の持ち方、心構え、つまり、自分の“心のフォーム”がキチッと固まっていなければなりません。むろん、状況の変化に対応できるようなしっかりした柔軟なフォームであることは、スポーツの場合と同じなのです。

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