げん氣の扉

幅広い人財啓育を行っているグループダイナミックス研究所(GDI)のオフィシャルブログです。

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「仕事は、その日のうちに全部片づけてはいけません。必ず、少しやり残しておきなさい」などと
言われたら、あなたはどう思うでしょうか。子どもの頃から、私たちが受けてきた躾(しつけ)は、
むしろその逆でした。

「やるべきことは、必ずその日のうちに片づけてしまいなさい」。これはもう、疑うべくもない
正論の一つだと思い込んできました。しかし、やる氣を起こすために、それが果たしてよいこと
なのか。

その疑問に、一つの答えを出した人がいます。ソ連(当時)の心理学者ブルーマ・ゼイガルニーク
教授で、彼女は次のような実験をしたのです。

138人の子どもたちにパズル、暗算、粘土細工などを次々にやらせ、そのうちの半分については作業を
途中でやめさせ、残りの半分は最後までやり遂げさせたのです。一時間後、子どもたちにどんなことを
やったかを言わせてみました。

すると、中断した作業の方をより多く覚えていた子どもが110人、やり遂げたものを多く覚えていた
子どもが17人、どちらも同じ数だけ覚えていた子どもが11人でした。

なぜそうなのか、ゼイガルニーク教授は「やり遂げた仕事については、それをやってみようという
動機が満足させられたため、忘れてしまう傾向がある。一方、やり残したことは、その作業に対する
気持ちの傾斜が持続しているので記憶に残る」と説明しました。

心理学では、これを「ゼイガルニーク効果」と呼んでいます。さて、これを仕事や学習に生かすには
どうしたらよいでしょうか。

日本では、松下村塾の吉田松陰がゼイガルニーク効果を使った形跡があります。松陰は少人数(5人
くらい)の塾生たちにディスカッションによるグループダイナミックス方式でテーマを与え、討議
結果を発表させると、また次のテーマを与えるという方法で先に進んだといわれています。
彼は正解を出さず、討議は結論が出ないまま、中断しながら進んでいったようです。

松陰は獄中で相互啓発するのに「孟子」を解釈することと、文義といってそこから何を学ぶかを
考える場を分けていたというのです。

その結果、塾生は討議した内容がはっきりと記憶に残り、各自行動へと移っていったのです。
完成した作業より、未完成の方が思考が働き続け、行動に結びつきやすいためといわれています。

学生の頃を思い出してください。中間試験で解けた問題は忘れてしまったのに、解けなかった問題の
方は頭に残っていて、期末試験ではむしろ逆になった、といった経験を持っている人も多いのでは
ないでしょうか。

仕事でも、子どもの教育でも、せっかちに結論を出したり、作業を終わらせようとせず、問題を
残して考える時間を与えることが必要ではないでしょうか。 

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