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 「俺は地獄の渡し守。年寄りで悪かったな」

 ハーデースのところで少し紹介したカローン。さしずめハーデースが悪代官とすれば、カローンはあこぎな廻船問屋。

 「銀貨一枚も用意できねえだとぉ? なめとんかい! だめだめ。ここから一歩も通しゃしねーぜぇ」

 死者から渡し賃をぼったくる、冥界の河スチュクスの渡し守なのだ。

 冥土の土産に銀貨を持ってこなかったホトケは、死者の国へ行けないで、この河の人間界側で永遠に彷徨わなければならないのだ(よって西洋では、お葬式のときに銀貨を棺おけに入れる習慣が残っていて、この銀貨を葬送銀貨という)。
 まさに死者にムチ打つ所業―― 、地獄に落ちろカローン! ってすでに落ちているって…… 、失礼しました。

 「じゃが、俺が渡すのは、あくまでも死者だけだ。生きている奴は入れねえってのが、お決まりだからな」というのがカローンの口癖だった。

 ところが、この世はやっぱり面白い。このお決まりを知りながら、あえて挑んだ者がいた。オルペウス、オデュッセウス、ヘーラクレースの三人だ。

 最上の詩人であり、音楽家であったオルペウスは、毒蛇に咬まれて死んでしまった最愛の妻エウリュディケーを追ってハーデースの死者の国へ行こうとする。
 もちろんカローンが三途の川をすんなり通してくれるはずがない。そこでオルペウスは見事な竪琴を弾きながら、カローンの若いころの舟歌を歌った。
 カローンは、つい日頃の憂鬱で陰険な気持ちを忘れ、涙を流して感動し、思わずオルペウスを船に乗せて渡してしまう(この後のエピソードは、以前紹介したとおり)。

 あと二人はどうしたのか? トロイア戦争の武将オデュッセウスは、カローンをだまして渡り、ヘーラクレースは、コブシにものを言わせて脅迫して渡った。
 まったくギリシャ神話屈指の英雄も、こういったところでは、結構酷いことをしているのだ。

 「正攻法でいっても、埒が明かない奴なんだよ。でも、正義は最後に勝たなきゃいかないからね」と語るのはヘーラクレース(オデュッセウスはノーコメントだった)。

 あこぎな三途の川の渡し守には説得は効かないもの。でも、カローンだって淋しい男なのだ。毎日死者ばかりをお客にしていると陰険にもなるさ。カローンを更正させるには、転職が必要なのかもしれない。
 とにかく、あのハーデースの近くにいるようじゃ見込みはないけどね。

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パラケスス
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