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「氷の花たば」

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 『氷の花たば』 、アリソン・アトリー著、石井桃子・中川李枝子訳、岩波少年文庫



<あらすじ>
・メリーゴーランド
 (イギリスのペンという小さな村に年に1回、サーカスのキャラバンがやってきます。村に住む兄弟のジョンとマイケルは、キャラバンのリーおばあさんから、不思議な呼び子を貰う話)

・七面鳥とガチョウ
 (農場での暮らしに厭きた七面鳥は旅に出ることにしました。旅の道中で、ガチョウやコブタ、プディング、キジたちと出会い、今は廃墟となった城跡を目指しますが、そこは盗賊たちの根城になっていたという話)

・木こりの娘
 (森の奥に住む木こりの夫婦に一人の娘が生まれます。彼女は成長するととても器用ぶりをみせて、編み物や仕立物をして生計を立てていました。そんなある日、炎が燃え盛る家の暖炉から、一匹の金色の熊が現れて、彼女にイラクサの上着を仕立ててくれるようにと頼んだ話)

・妖精の船
 (少年トムの父親は船乗りでした。年に数回しか家に帰って来れない父でしたが、いつもたくさんのお土産をトム持って帰って来てくれました。そして父が帰ってくるクリスマスの日、岸辺に迎えに行ったトムは、不思議な光景を目にする話)

・氷の花たば
 (トム・ワトソンは激しい吹雪の中を家に向かって急いでいましたが、道に迷ってしまい、彼は極寒の中で死を覚悟したとき、不思議な男に出会います。その男のおかげで、トム・ワトソンは一命を取り戻し家へたどり着くことが出たのです。トム・ワトソンは彼にお礼を申し出ました。すると彼は暖炉の近くにあるバスケとの中になるものと申し出たのです。いつもならたいしたものが入っていないバスケットでしたが、トム・ワトソンが家に戻って見てみると、バスケットの中には一人娘のローズが入っていたのですという話)

・麦の子ジョン・バーリコーン
 (とても慎ましい暮らしをしていたおばあさんが、道端で一つの不思議な卵を拾います。やがて卵から孵ったものは、鳥ではなくて金色の妖精のような子供ジョン・バーリコーンでした。そして彼は不思議力を持っていたという話)



<感想>
 前回の『西風のくれた鍵』と同じく幼い子供を対象とした6作品をが収められています。
 著作者であるアリソン・アトリーは、大変な努力家で、貧しいながらも3度の奨学金を得てマンチェスター大学やケンブリッジ大学へと進み、物理を専攻します。
 本来であれば、科学者の道を辿るはずの彼女が作家へと転進したのは結婚がきっかけとなります。
 家庭生活のうちに、彼女はひそかに、自分の心に刻まれた幼少時の思い出を書きつづった自伝的小品集書き始めたのです。

 物理の研究をしていた彼女が、作家として成功できたのは、ある意味不思議といえるかもしれませんが、おそらく物理という学問を探求していく中で、彼女なりの生命との根源とか、自然のうちにい潜む永世といった哲学を獲得していったのではないかと思うのです。

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